ギターレッスンと演奏の日記 from 富川ギター教室

クラシックギターの「伝道師」富川勝智のギター教室でのレッスン活動と演奏活動の記録です。

2019.8 新サイトOPEN!
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富川ギター教室(東京渋谷) https://tomikawaguitar.com
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※他に池袋現代ギター社でもレッスンしています

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音楽の文法とギターの技術

先日3/3 GG学院でのセミナー「ギターワークアウト〜テクニックの極意」の一回目が終了しました。

たくさん集まってくれました。そして、真面目に皆さん取り組んでくれました。

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テキストはヤマハから出ている拙著「クラシックギターワークアウトブック」です。
【1日】に【3つ】のフレーズを【5分】ずつ弾くクラシックギターワークアウトブック
富川 勝智
ヤマハミュージックエンタテイメントホールディングス
2022-01-26



簡単な指の動きを丁寧に。バットの素振りとかボクシングのジャブの練習と一緒。
ギターって実は簡単に音出ます。引っ叩いても、ぶん殴っても。でも、それを続けていると効率が悪い。狙い所が悪いと怪我しますしね!

ということで、シンプルな動作を徹底的にワークアウトしていく内容です。

今回は実際に「なぜこの動作が実際の演奏で必要なのか?」ということを具体例とともに見せました。

良い演奏と悪い演奏的な感じで。結果として正確なタイミングで発音できないので、音楽がもたつきます。そういう例をたくさん見せました。だから基本動作って大切だよねーと。そういう感じでセミナーを進めて行きました。

自分が思うタイミングで発音できること=音楽表現がうまくできるということ。こう考えてみると、そうだ!久々に読み返してみるかーと思った本があります。

Thurmond「Note Grouping」です。かれこれ15年くらい前くらいかな?…買いました。そして、徹底的に読み込みました。英語だったので大変でしたが、音楽の「アルシスーテーシス」理論をしっかりと学ぶことができました。この本で学んだことはその後に「音楽表現について教えること」の基本の一つとなっています。旋律が持っているリズムについてこれほどまで丁寧に細かく理論づけている本は他にないかもしれません。


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まあ、やっぱりこの本を読むと「適切なタイミングで発音する」ということって単純だけど大切なことなのだなあーと思うわけです。だから基礎技術って音楽表現をするためのツールなんですよね。


さてさて、久々にノートグルーピングの本を再読してあれこれ発見があったのですが、Amazonを彷徨っていたらなんと邦訳本がコロナ禍のちょい前に出ていたのですね。ああ…。

豊かな音楽表現のためのノート・グルーピング入門
ジェームズ・モーガン・サーモンド
アルテスパブリッシング
2018-05-21



英語で必死に読んだ本が邦訳が出た時のガッカリ具合と言ったら…とはいえ、こういう名著が邦訳で読めるっていうのは良いことだなあ。皆さんがっちり読んでみてください。最低限、この本に書いてあることが理解できないと多分西洋音楽のオーソドックスな表現はできないと思うので。

さて、ワークアウト講座はまだ残り5回あります。音楽表現のために必要な技術をテーマを分けて行なって行きます。

詳細な日程はこちらを参照。




たぶん…きちんとしたバットの素振りができないと実戦でも限界が来ますし、きちんとジャブが打てないと、ひと試合体力持たないかもしれません。学びに来てください。

申し込みは現代ギター社GGショップまで!






アンサンブルの呼吸(重奏の会終了)

重奏の会、2/18に終わりました。これで57回目の教室としての発表会となります。

リハ風景はこんな感じ。新大久保のスタジオ・ヴィルトゥオージ。良い響きのサロンになってきました(使われていくとサロンって良い響きになってくるものです)。

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4部構成で行いました。

part1:古典っていいねー!コーナー


part2:古今東西いろんなデュオ曲コーナー


part3:古典曲をばらして合奏するのも良いねコーナー


part4:”スペインもの”も今の曲も悪くないぜコーナー

パート1では古典のデュオをカルッリ0p.27「ギター完全教本」の最後についている24のデュオから抜粋で。生徒さん各自に曲を選んでもらう形で行いました。
その他のパートでは生徒さん同士のデュオ、講師陣と生徒さんのデュオなどなど。佐藤弘和さんの作品からアルベニスなどのアレンジものまで。幅広く。

生徒さんとデュオをすると毎回面白いことに気づきます。それは呼吸。
合図出しは基本的に全員に教えるのですが、それが上手い人とうまくない人がいます。アンサンブルでの合図出しも「技術」なのです。そこにはある程度の知識や技術が必要なのですが、同じ技術を教えたとしても各自個性があるのです。

基本的に合図出しは指揮者と一緒なのです。一緒に舞台に登り、そこで「ここからこういう音楽が始まるんだよー!」というアンビエンスを作り、出来るだけ少ない拍数でこれから弾く曲のテンポ感や冒頭のイメージを先行して伝えます。

僕個人の話をすれば、今まで山のようにフルートやヴァイオリン、歌などと共演してきましたが、うまく合図出しをしてくれる人との演奏は無茶苦茶気持ちがいいのです。究極の形になるとお互い合図なしでも(同時に合図を出している感じ?)うまく行くから不思議。

そこまでの境地は生徒さんには求めませんが、オーソドックスな合図出しの方法は生徒さんに伝えます。それでも個性が出るから人間の性格って面白いなあーと思うのです。このパート1ではカルッリの指定で「生徒さんはファースト」になっているので、生徒さんに合図出しをしてもらうことにしました。次回は僕が合図出ししてみようかなー? 

合図出し以外でもrit.する感覚やdim.になる印象を伝える場合でも、そのひとの癖があるものです。長い間在籍していて今までアンサンブルをたくさんやっている生徒さんとのデュオは僕個人としてとてもやりやすい。こちらの意図も汲み取ってくれるし、相手の意図もわかるのです。呼吸や仕草で。

なので、常設のデュオになれば、その辺りがすごく理解されてくるのです。あ、この人こうやりたいんだなとか。そういうのがわかってくるようになる。だから常設デュオはオススメ。
と同時に色々な人とデュオをやること、経験を積んだ奏者とデュオをやることもオススメ。合図出しや指示出しのバリエーションが増えますし、経験者とのデュオは「あー!音楽に心地よく身を委ねていいんだ!」という感覚も得られます。

引っ張ったり引っ張られたりがアンサンブルの醍醐味です。そしてアンサンブルを通じて、その人の性格もわかる。気を遣ってくれる人だなあーとか、あんまり気を遣ってくれない人だなあーとか 苦笑。

とはいえ、このどちらかが正解というわけでもありません。

気を遣いすぎると、その本人のやりたいことが不明になります。気を遣わずに「ここはこうやりたい!」と突っ走るのもあり。最終的にはお互いがやりたい音楽がピタッとハマれば最高なのですよね。

そんなことを重奏の会をやっていて、自分が演奏していても、生徒さん同士のデュオを聴いていても感じました。ああ、面白い。演奏にはその人の性格が出るんだなあーと。


写本とスペイン

先日、「スペイン中世写本の楽しみ」という展示に行ってまいりました。



実はこの企画に携わっている瀧本 佳容子教授が一緒に中世古楽バンドをやっている立岩さんの同級生ということで、先週はギャラリートーク(展示解説)に立岩さんがゲストで行っていたのです。

で、今週火曜は僕と藤沢エリカ(歌)が行ってきました。

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普段使っているギテルン(ギターン)を持って行って、中世音楽をやる際の楽譜の読み解き方、そして復元楽器を使う意味や材料のことなど写本の素材と絡めてお話ししました。

今まで聖母マリア頌歌集(展示では「聖母マリア古謡集」)を演奏してきましたが、実物を見ると胸熱です!

クラシックギターでは昔から聖母マリア頌歌集がアレンジされて弾かれてきました。そして、留学中に少し興味を持ち「実際の楽譜はこんな感じなのか!」とびっくり。バルセロナにいましたので、ジョルディ・サバイという古楽の大重鎮のコンサートにもたくさん行きました。とはいえ、その時はやはりクラシックギターの勉強がメインでしたので、ああすごい音楽があるなあーという感じ。演奏するまでには至らなかった。

その後日本に帰国して、藤沢エリカ(古楽の歌専門)と出会い、最初はバロック(バロックギターで)とかビウエラ歌曲とかをやっておりましたが、あるタイミングでグッと時代を遡って中世の楽器をゲット(注文)。

イベロリベロという中世古楽バンドで中世音楽(聖母マリア頌歌集とかモンセラーの朱い本とか)を演奏するに至っております。



そう考えるとスペインという国に留学行ったおかげで面白い世界へと引きずり込まれているなーと感じます。

この展示まだやっています。なんと無料です。慶應大学のメディアセンター(図書館?)の入り口で入館証もらうだけです。お時間ある方、是非行ってみてください。スペインのお宝の実物がたっぷりとご覧いただけます。



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