ギター用語でもなんでもないかもしれないけれど、「腱鞘炎」に悩まされているギタリスト(アマ、プロ問わず)はとても多い。
まあ、指が不自由に動いてしまう・・・自分の意識したように指が動かない・・・というのが「腱鞘炎」である。
幸いなことに、私は腱鞘炎になったことがない。でも、今後ならないとも限らない。
留学中も、現在も数多くの「腱鞘炎」ギタリストを見てきたので、自分なりにいろいろと研究をして現在に至っている。今のところ、どんなに練習しても腱鞘炎にならないという自信はあるけれども・・・どうなるかわからないから、毎日の練習時には自分の体のバランスにはできるだけ「意識的」になるようにしている。
さて、そんな一般的なことよりも、あるギタリストから興味深い話を聞いた。
アマチュアのギタリストで「腱鞘炎」の人は、何故か腱鞘炎が直った瞬間にギターを弾く気をなくしてしまう人が多い(!)とのこと。
ある意味で、腱鞘炎を治すこと=目的、になってしまっているということ。
でも、ある程度腱鞘炎が完治すると、モチベーションが維持できず、結局楽器を弾かなくなってしまう。結局、音楽自体が好きでないということらしい。
あと、もうひとつ、腱鞘炎には「精神的要因」が強いように思う。
あるスタイルに固執したり、これが正しい!と思い込んでいると、なかなか改善しない・・・というのがなんとなく腱鞘炎の人と話していると思うことである。
つまり、私のように「楽に弾ければなんでもいいや・・・」くらいに考えている人のほうがいいというわけである。
私のホームページの「奏法論」などを読むと、うわ〜理屈っぽいな〜と思う人もいるかもしれないが、自分の性格は「いい加減」だと思っている。でたらめを書いているわけではないが、なんかアイデアがひらめいたり、誰かから「こういう弾き方するといいよ〜」とか聞いてしまうと、ついつい試してみたくなってしまう。
生徒とのレッスンでは、その時点でのアイデアを与えるだけ。
そんな風に“浮気症”で、あれこれ試しているから、腱鞘炎になっていないかもしれない。