ギターレッスンと演奏の日記 from 富川ギター教室

クラシックギターの「伝道師」富川勝智のギター教室でのレッスン活動と演奏活動の記録です。

2008年03月

2019.8 新サイトOPEN!
https://tomikawaguitar.com

富川ギター教室(東京渋谷) https://tomikawaguitar.com
https://tomikawaguitar.sakura.ne.jp/wp/lesson/
※他に池袋現代ギター社でもレッスンしています

お仕事依頼&お問い合わせは下記メールへお気軽に!
tomikawaguitar@gmail.com

レッスン覚書ミニ〜2008年3月18日〜21日

  1. aの指を「遠い」と感じている人はまだタッチ修正の余地があるが、無意識になっている人はなかなか修正が難しい。その場合は思い切って爪を短くするのを勧める。そうすると指頭で弦を捉えるしかないので、aの位置、右手全体の位置をチェックできるようになることが多い。
  2. 古典解釈のコツ。アポジャトゥーラを見つける。結構大事。
  3. 和音の中に「埋もれている」メロディーに敏感になること。メロディーに該当する音のみをフォルテで、残りをピアニッシモで弾け!…といわれてもできるようでなくては駄目。
  4. 爪が弱いので、指頭奏法の生徒。だからといって、中途半端に爪を手入れしてはあまりよくない。指頭に対して弦がどのような軌道を描くか…考えてしっかりと手入れしましょう。肉のサポートとしての爪…と考えると良いかも。
  5. アランブラの思い出。トレモロの最終音は原則として次の低音まで伸びていたほうがいい。この方針でできるところは左手の運指のタイミングを考えること。究極をいえば、全てローポジションでとれば、かなりの部分が解決する。出だしのミを2弦ではなく1弦開放でとるのも、音をつなぐ意味でかなりよい解決方法ではあるが、2弦の音色も捨てがたい。途中3連符はアラビア風メリスマ。
  6. タンゴの歴史。初録音CDはやはり参考になる。全体のテンポ設定など、実にうまい。構成感がよい。グローウェルズのフルートの音色も良い。
  7. バリオスはやはりディアスの録音をきくと学ぶべきところが多い。幾百の凡演よりも、ディアスの録音ひとつ聴くほうが、よっぽど勉強になる。特にリズムのつめ方や、音色のコントロールなど参考にすべし。
  8. フェレールのワルツ。このようなシンプルな曲で左指の準備を学ぶ。どこで次の押さえるべき指を準備するか…特に4指に注意して、常に指盤近くに位置していることを考えるべし。
  9. ヴィブラートというのは音程(ピッチ)の上げ下げ。ヴィブラート練習はポジション移動時の腕の動きがヒントとなる。段階的に学んでいけば、誰でも習得できる技術。
  10. 表情に合点がいかないと思ったら、その時点で詳細に楽譜の指示をチェック。特にCDなどで聞いて好きになった曲はその演奏の雰囲気に影響されがちになる。雰囲気や勢いで弾いていないかを徹底的にチェックすることで比較的表情はつかみやすくなる。
  11. アルペジオで発音された音の「伸び」を楽譜に厳密に記すとなるとタイだらけになる。このあたりは古典の作曲家はあくまでも発音するタイミングを記譜している場合が多いことを念頭に入れておくこと。どちらかというと弾きやすさ、楽譜の読みやすさを第一とした記譜が多い傾向にある。

 

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3月26日…メルツデュオ曲コンサート

メルツデュオコンサートちらし3月26日に19世紀ギターを使ったコンサートをします。

ラコートのテルツギター&コゲットの19世紀ギターを使用します。

曲は全曲メルツのデュオ曲です。

1時間弱のミニコンサートです。1000円ですので、多数の方のお越しをお待ちしております。

前売り券はございませんので、直接会場にお越しください。

 

開演7時〜(終演8時15分ごろ予定)。開場は6時30分です。

SKスタジオマップ

←会場地図です。

丸の内線、新高円寺駅、1番梅里出口出て、クイーンズ伊勢丹の裏側です。すぐに分かります。

 

 

 

上記チラシのテルツはあくまでもチラシ用の写真です。

実際使うのはこれです。

再紹介。

テルツギター

 

 

 

 

 

 

演奏予定曲は以下。

礼拝へ

マズルカ

セレナーデ

ドイツの唄

3つのエレジー〜愛する人の墓で、あなたを想う、葬送行進曲

バルカローレ

タランテラ

 

おそらくオリジナルテルツと19世紀ギターの組み合わせは滅多に聴けません。興味のある方は是非お越しくださいね!!

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モンポウとギター作品(GG新連載!)

現代ギター誌にて久々に(一年ぶりかあ…)連載を再開します。

タイトルは「セゴビア・アーカイブ細見」です。

現在ベルベン社から出ている楽譜の解説…といえば簡単ですが、もうちょっと踏み込んだ内容となっていますので、是非お読みください。

1920年代、セゴビアのパリデヴューは衝撃的なものでした。その演奏にギターの可能性を感じた多くの作曲家がセゴビアのために曲を書いたのです。しかしその全てが演奏されたわけではありません。

そして今イタリアのギタリスト、アンジェロ・ジラルディーノの尽力によってセゴビアが所有していた手稿譜を収集・整理し、運指をつけて出版されているのです。

このシリーズには全て浄書された譜面(ジラルディーノの運指がふられた実用版)とオリジナルの手稿譜のコピー(!)が添付されています。また作曲家についての詳細なデータも貴重です。

さて、私の連載はこの楽譜を参考にしつつ、もうちょっと踏み込んだ内容となっています。第一回はフェデリコ・モンポウの「アルフォンソ10世の2つの頌歌による〜歌と踊り」です。モンポウという作曲家の音楽史上での位置づけを概観し、ギターとの関わりについて書きました。また作曲スタイルの変遷などにも触れました。

もちろん、この手の記事を書くに当たっては、モンポウのギター作品についても触れねばなりません。

この連載では、とりあげた作曲家に関して(またその周辺の作曲家に関して)最低限、クラシックギターを専門的にやる人(プロ志望の方など)であれば知っていなければならないレパートリーを同時に取り上げる方針で行く予定です。

ということで、今回は下記のギター作品及び関連作品をとりあげました。

  • コンポステラ組曲
  • 歌と踊り13番
  • ラ・バルカ(小舟)(レヒーノ・サインス・デ・ラ・マーサ編曲)
  • 歌と踊り6番より「カンシオン」(ディアス編…他にも編曲あり)
  • 歌と踊り10番(合唱版&ピアノオリジナル)

ある曲を弾くときにその作曲家について徹底的に調べる…という「癖付け」は実に大切です。その楽曲の歴史上の位置づけ、作曲家の人生のどのような時期に書かれたのか?…そういうことを調べること、感じること(想像すること)が正確な楽曲解釈へとつながっていきます。これはプロであれば必ず行っていることだと思いますし、もちろんアマチュアであってもこの作業はしてみると「知的作業」として楽しいと思います。

なので、上記の作品はモンポウという作曲家の作品を(ギターで)演奏する際は是非知っておいて貰いたいと思うので、取り上げたわけです。実際は文中に散りばめましたが、そこから読者が想像の幅を広げてみてほしいと思うわけです。

例えば1925年にはレヒーノ・サインス・デ・ラ・マーサがパリでのデヴュー演奏会でモンポウの編曲作品を取り上げています。これは非常に画期的なことだと個人的に思います。モンポウとレヒーノの間に親交があったということは資料上も明らかですし、モンポウというその当時としてはコンテンポラリーな作曲家の作品をレヒーノが演奏していたという事実…想像すると実に凄いことです。レヒーノの音楽家としての見識の高さ、意識の高さも感じることができます。

私自身、今回モンポウについて調べたとき、「これほどまでにギタリストとのつながりがあったのか!」と驚いてしまいました。今までのモンポウとギターとのつながりはやはり「コンポステラの講習会+セゴビア+モンポウ=コンポステラ組曲」という印象が強かったですから。いわば、固定観念ですね。

もっと若い頃からモンポウはリョベートやレヒーノなどの優れたギタリストとの親交があったという歴史上の事実があったことを忘れてはならないのです。

いろいろと書きましたが、是非現代ギター本誌、連載のほうをお読みください。

次回はレノックス・バークリーの予定です。(もう原稿提出済みです)

現代ギターホームページ

 

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ギターコンペティション&スプリングギターコンサート終了!!

銀座ブロッサムホール

 

 

 

 

 

昨日は銀座ブロッサムホールにて「第一回ギター大好きみんな集まれギターコンペティション全国大会」でした。関東予選にひき続き、全国大会でも審査員をやらせていただきました。

午前11時〜参加者の演奏がありました。皆凄く良い演奏でした。面白かったのは、なんとなく地域性がでていたこと。これは同じく審査員であった坪川真理子さんや田口秀一さんとも意見が合いました。

やはり、土地による風土差、先生の気質の差などが演奏に影響がでるのでしょうか?…なかなか面白かったです。

 

さて、審査員としての仕事が終わったら、同じ会場で午後6時〜行われる「スプリングギターコンサート」の演奏家としての仕事です。

幸い、出番は後半だったため、ちょっとはノンビリできました。

テルツギターは想像以上に大きな会場でも響いてくれました。やはり通常ギターの3カポとはまるで違います。もちろん、ハイポジションもカポでやるよりも弾き易いです。楽屋にいた他の出演者の方も興味しんしんだったようで、「これ、なに?」という感じで見に来ていたので、テルツ君大人気でした。

通常ギター2本でのデュオ、三善晃「プロターズ」も好評でした。音のディレクション、音のキレ…特に2階席で聞いていた方にお褒めの言葉を頂きました。

その後の柴田健さんと福山敦子さんのデュオ「トナディージャ」(ロドリーゴ)へのつなぎとしても、何故かぴったりはまっていたような気がします。柴田&福山デュオ…上手かったです。ロドリーゴ「トナディージャ」、初めて生で聞きました。名曲ですね。

考えてみると、朝10時30分集合から終演9時近くまで…いやあ働いたなあ、という感じ。でも、楽しかったです。

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明日はテルツギター使用!

明日は3月22日は日本ギター連盟主催のスプリングコンサートにて演奏します。

演奏曲目はデュオ曲で、三善晃「プロターズ」&メルツ「愛する人の墓で」…

三善晃ではモダンギター(普通のギターです)を使用、メルツでは本格的にテルツギターを使用します。テルツギターとは普通のギターに3カポをはめて調弦となっています。普通のギターよりは高いというわけですね。

こんな楽器です。

テルツギター

後ろの普通のギターを比べると、大きさが分かるかもしれませんね。

小ぶりです。

かわいいでしょう?

 

 

 

音量は想像以上にしっかりとしています。まろやかな音色は19世紀ギターならでは!…もちろんモダンギターのフルポテンシャルには負けてしまいますが。

明日の相方は柴崎建司さんですが、フレタを使用すると思うので、軽めには弾いてもらわないと困りますね。

それでも、このテルツ君、音色美しいですよ〜。ブリッジの部分も素敵ですよね。よく見るとかなり丁寧な作りです。

一曲目はメルツでロマン派の音楽を、そして2曲目は三善晃「プロターズ」で完全な現代曲を…かなり頭の切り替えがいるプログラムですが、19世紀ギターデヴュー、楽しみです!

ということで、本番は3月22日(土)午後6時〜銀座ブロッサムホールです。ギター連盟会員によるコンサートですので、20名弱のプロギタリストの演奏が聴けます。是非足をお運びください。

明日のプログラム順は以下のとおりです。

加藤 誠・川村しのぶ(プサルタリー)
天使のミロンガ/A.ピアソラ
天使の死/A.ピアソラ
ユー・レイズ・ミー・アップ/R.ロブランド

柳町正隆・金野鈴道(尺八)
林住序奏/柳町正隆
香月/香登みのる

藤澤和志・越美樹恵(オペラ歌手)
最後の歌/E. P.トスティ 作詞/F.チンミーノ
ブラジル風バッハ第5番よりアリア/H.ヴィラ=ロボス  作詞/R. V. コレッラ

宇賀神昭
グラン・ホタ/F.タレガ
ベートーベンの月光より/F.タレガ編

宇田川禎一
ロンド ホ短調 op.40/N.コスト

---休憩---

森美津子
アルフォンシーナと海/A.ラミレス
アルゼンチン民謡組曲よりマランボ/M.A.ケルビート

滝波嗣雄
ディバガンド/E.ファルー
ビダリータ/E.ファルー

新井三夫
大聖堂/A.バリオス・マンゴレ


マリア・デュオ(山口ようこ・天野詩之歩)
2つのギター/ロシア民謡
アヴェ・マリア/F.シューベルト
2つのギターのためのじょんがら/吉田峯男

柴崎建司・富川勝智デュオ
愛する人の墓で/J.K.メルツ
プロターズ/三善 晃

柴田 健・福山敦子デュオ
トナディーリャ/J.ロドリーゴ

詳細→http://www.guitarists.or.jp/spring.html

(ちなみに、同じ会場で、午前11時〜「第一回ギター大好きみんな集まれギターコンペティション全国大会」を開催しています。こちらの審査員も私は担当…このあたりの頭の切り替えも大変かもなあ…がんばりまーす!)

 

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