- aの指を「遠い」と感じている人はまだタッチ修正の余地があるが、無意識になっている人はなかなか修正が難しい。その場合は思い切って爪を短くするのを勧める。そうすると指頭で弦を捉えるしかないので、aの位置、右手全体の位置をチェックできるようになることが多い。
- 古典解釈のコツ。アポジャトゥーラを見つける。結構大事。
- 和音の中に「埋もれている」メロディーに敏感になること。メロディーに該当する音のみをフォルテで、残りをピアニッシモで弾け!…といわれてもできるようでなくては駄目。
- 爪が弱いので、指頭奏法の生徒。だからといって、中途半端に爪を手入れしてはあまりよくない。指頭に対して弦がどのような軌道を描くか…考えてしっかりと手入れしましょう。肉のサポートとしての爪…と考えると良いかも。
- アランブラの思い出。トレモロの最終音は原則として次の低音まで伸びていたほうがいい。この方針でできるところは左手の運指のタイミングを考えること。究極をいえば、全てローポジションでとれば、かなりの部分が解決する。出だしのミを2弦ではなく1弦開放でとるのも、音をつなぐ意味でかなりよい解決方法ではあるが、2弦の音色も捨てがたい。途中3連符はアラビア風メリスマ。
- タンゴの歴史。初録音CDはやはり参考になる。全体のテンポ設定など、実にうまい。構成感がよい。グローウェルズのフルートの音色も良い。
- バリオスはやはりディアスの録音をきくと学ぶべきところが多い。幾百の凡演よりも、ディアスの録音ひとつ聴くほうが、よっぽど勉強になる。特にリズムのつめ方や、音色のコントロールなど参考にすべし。
- フェレールのワルツ。このようなシンプルな曲で左指の準備を学ぶ。どこで次の押さえるべき指を準備するか…特に4指に注意して、常に指盤近くに位置していることを考えるべし。
- ヴィブラートというのは音程(ピッチ)の上げ下げ。ヴィブラート練習はポジション移動時の腕の動きがヒントとなる。段階的に学んでいけば、誰でも習得できる技術。
- 表情に合点がいかないと思ったら、その時点で詳細に楽譜の指示をチェック。特にCDなどで聞いて好きになった曲はその演奏の雰囲気に影響されがちになる。雰囲気や勢いで弾いていないかを徹底的にチェックすることで比較的表情はつかみやすくなる。
- アルペジオで発音された音の「伸び」を楽譜に厳密に記すとなるとタイだらけになる。このあたりは古典の作曲家はあくまでも発音するタイミングを記譜している場合が多いことを念頭に入れておくこと。どちらかというと弾きやすさ、楽譜の読みやすさを第一とした記譜が多い傾向にある。