ギターレッスンと演奏の日記 from 富川ギター教室

クラシックギターの「伝道師」富川勝智のギター教室でのレッスン活動と演奏活動の記録です。

2014年02月

2019.8 新サイトOPEN!
https://tomikawaguitar.com

富川ギター教室(東京渋谷) https://tomikawaguitar.com
https://tomikawaguitar.sakura.ne.jp/wp/lesson/
※他に池袋現代ギター社でもレッスンしています

お仕事依頼&お問い合わせは下記メールへお気軽に!
tomikawaguitar@gmail.com

ギター史でのバロックはバッハじゃありません!(ビウエラ、バロックギター、19世紀ギター)

ギター連盟のほうでギター史の講義を2ヶ月に一度行っています。

ギター史・和声学ワークショップ

今は3周目…つまり3年続けたことになります。毎回ルネッサンス〜バロック〜古典〜ロマン〜近現代〜現代まで概観します。

受講している方に「ルネッサンスとバロック時代の撥弦楽器と言えば何を思い浮かべますか?」と尋ねると…「リュート!」とこたえる方が多いのです。リュートはもちろんルネッサンスとバロックを代表する撥弦楽器であり、優れた音楽がたくさんあります。ですが「ギター史」としての文脈で考えると、ちょっと外れているのですね。

もちろん、モダンのギターでリュートの作品を演奏することが多いです。バロック期の音楽としてのバッハをギターで演奏することも多いです。それは事実ではありますが、ギタリストとしてもっと「ギターの仲間」に注目して欲しい…といつも思うのです。

ギターという楽器にもきちんとルネッサンスやバロックがあったわけですし、ちゃんとギターは少しずつ変化しながらも、ルネッサンス期(16世紀あたり?)からちゃんと存在しつづけたわけです。

簡単に言えば以下のようになります。

ルネッサンス:4コース、ビウエラ

バロック:5コース

古典初期:6コース

古典期:6単弦ギター(19世紀ギター)

ロマン派:多弦ギターが主流

※タレガの時代に現在のギターの6弦が定着する

ルネッサンス期:ビウエラ、4コースギター
バロック期:5コースギター

以上の二つが忘れられがちです。ビウエラは16世紀スペインの一時期に栄え、あとは消滅してしまった楽器なので、ギターの仲間と言えないという研究家もいますが、調弦の近似性や現在のクラシックギターレパートリーへの取り込まれ方から考えて、同じ流れにいれてもよいと私は考えています。

どんな楽器なのかなあ?…みなさんそう思われると思います。写真を撮ってみました。試しに私が弾いている写真を載せますね。
まずはビウエラです。
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次はバロックギター。
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次は19世紀ギター(1800年代中頃の楽器です。若干ロマン派より?)。
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順番に楽器だけの写真を並べてみます。

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…いかがでしょうか?
手持ちの楽器でルネッサンスギターがあれば完璧なのですが、大まかな流れは見えたのではないでしょうか?

未だにクラシックギターの世界では「バロック=バッハのリュート組曲」という固定観念が蔓延っていますが、 ギターでバロックといえば、バロックギター!…というイメージが湧く世の中になって欲しいと思っています。バロックギターでのレパートリーもサンスやムルシア…まだまだたくさん良い曲がありますから。是非、それをモダンのギターで弾いてみたらいいのじゃないかな?…と考えるわけです。

ギター協奏曲の代表曲である「アランフェス協奏曲」が、サンスのバロックギター曲のイメージで書かれたこと…それを忘れてはなりません。何故、その発想が作曲家ロドリードに生まれたのか?

1920年代以降の「スペインルネッサンス&バロック音楽の見直し」というムーブメントがあったことを忘れてはなりません。

モダンギターを現代から過去に辿って行けば、19世紀ギターそしてバロックギター…というふうになるということを「ギター史」は忘れてはならないのです。




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旋律を表現する〜ハンス・ペーター・シュミッツ著作から学ぶ

生き生きとした旋律…生命力のあるリズム…それでいてエレガント…

いい音楽ってなんだろうなあと考えたときに思い浮かぶイメージです。私が演奏家として、そして教授活動をしていて大切にしていることでもあります。

来週、重奏の発表会があるので、最近生徒さん同士のギター重奏をレッスンする機会が多いのですが、旋律パートがつまらない…もうすこしアーティキュレーション、フレージング、ダイナミクス、リズム、拍節感(注文が多いかな?)を大切にしてほしいと思う事が多いのです。

旋律だけを弾かせたときに「表現力が弱い」のです。いくつかのヒントを生徒さんにあげるとやっと「歌」になってきます。

かくいう私も、一時期、「ギタリストの歌心のなさ」に演奏家として悩んだ時期がありました。クラシックギターというのは、メロディーも和音も同時に弾けてしまいます。独奏楽器なのです。なので、なんとなく楽譜に書いてある音がでてしまうとそれでおしまい…というふうになりがちです。メロディーだけをしっかりと歌わせよう…という意識が希薄になってしまうのです。

これはクラシックギタリストの弱点ともいえます。

旋律楽器であれば、アーティキュレーションやダイナミクス、フレージングが明確にできていないと存在意義を失ってしまいます。いつも旋律楽器の方と共演するとやはり明確に意図がある表現になっていることがほとんどです。ギタリストの方!…見習ってください!!!…と言いたくなります。

さて、話は自分のことに戻ります。さきほど「ギタリストの歌心のなさ」に悩んだと書きましたが、そのとき「ならば旋律楽器に学べばいいのだ!」と考えました。

なので、フルートやヴァイオリンの巨匠たちの演奏を沢山聴き、これらの楽器の演奏法の本などを入手できるかぎり読みました。なかでも、ハンス・ペーター・シュミッツさんの書いた著作からたくさんのアイデアを貰うことができましたし、それまでの自分の西洋音楽の解釈法の整理にもなりました。是非クラシックギタリストの方(あと生徒さんたち)にお勧めしたい本なのです。

最近、リズムや拍節に関する講義をしたので、まだ再読しましたが、やはりよくまとめられている本であると思います。この本が一番基本になるものだと思います。「演奏の原理」です。ほとんど譜例はありません。演奏法の基本となる音の運動、強弱、長短、高低について言葉でイメージを伝えています。

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現在は入手が難しい本かもしれません(絶版?)が、一度はみなさんに読んでおいてもらいたい本です。

もっと具体的に「旋律研究」をしてみたい方には以下の本がお勧めです。
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「フルート奏者への実践的アドバイス」です。譜例も多く、時代毎の表現の違いなども述べられており具体的です。もちろんタイトル通りにフルートに特化したことも書いてはありますが、アーティキュレーションやフレージング、拍の意識、アクセントの置き方…いずれも全ての音楽に共通した要素がほとんどです。私もこの本を読みながら、ギターで全部弾いてみました。

最後のほうに指揮者フルトヴェングラーについても書いています。シュミッツさんはフルトヴェングラーがベルリンフィルを振っていた時期のフルート奏者だったので、この大指揮者からたくさんのことを学んだとのことです。





もう一冊、紹介しておきます。このハンス・ペーター・シュミッツ氏の考え方を踏襲し、まとめた本があります。フルート奏者吉田雅夫さんの本です。

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ハンス・ペーター・シュミッツ氏の演奏法をしっかりと簡潔にまとめている…そういう内容です。「演奏の原理」を読んでから、吉田氏のこの著作を読むと、理解が深くなると思います。

以上、フルート奏者であるハンス・ペーター・シュミッツ関連の本を紹介しました。クラシックギターの巨匠アンドレス・セゴビアは弟子たちに「ギター以外の音楽をたくさん聴きなさい」と言ったそうです(同じ事を昨年マリア・エステル・グスマンも言っていました)。

クラシックギタリストが軽視しがちな要素…旋律をしっかりと歌わせること…これを見直すためには優れた旋律奏者から学ぶのが一番です。



 


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いよいよ来週です!〜ギター連盟ユベントスメンバーによる「バレンタインコンサート」

いよいよ来週にせまって参りました。
だいぶチケットも売れて来ているようです。まだチケットは私の手元にありますので、お早めに。毎年、満席となるコンサートです。

今年は新しいメンバーが増えて面白くなりそうです!
チケットは下記にメールを頂ければ受付あずかりに致します。前売り料金にてご入場いただけます。

tomikawaguitar@gmail.com

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214() 19時開演@銀座ヤマハホール

「バレンタインギターコンサート」

出演:宮下 祥子、坪川 真理子、河野 智美、一星 有希

富川 勝智、角圭司、池田 慎司、大島 直、酒井 良祥

尾野 桂子、安部 数子

司会:坂場 圭介、尾野 桂子

チケット:3,500(当日4,000) 学生前売2,000円(学生当日2,500円)

主催:公益社団法人日本ギター連盟 




 


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重奏の会(第32回発表会)のお知らせ

不定期ですが、生徒さんたちのアンサンブルを中心とした「重奏の会」を行っています。ギターには独奏の他に、二重奏、三重奏、合奏…といった面白さがあります。ギター独奏の発表会でも「ギター仲間」はできますが、重奏は練習を通じて、いろいろなコミュニケーションが生まれます。音楽仲間が作れるわけです。

毎回サブテーマを設定します。ある作曲家のデュオ作品だけを特集したり…今回は吉松隆さんの「優しき玩具」デュオ全曲&佐藤弘和さんのデュオ&トリオコーナーを設けました。また先日アンドレス・セゴビア国際ギターコンクールにて優勝した「リオリコギターアンサンブル」でも佐藤弘和さんの曲を演奏します。

入場無料ですので、お時間のある方は是非聴きにきてください!

以下詳細です。 

重奏の会(第32回富川ギター教室発表会)

2014年2月16日(日)

会場:アトリエムジカ(東京・代々木)

住所:東京都渋谷区代々木1−58−11

(電話 03-5350-2250)

1時30分開場 2時開演
入場:無料 


ゲスト:壇遼、池田慎司


予定プログラム(順不定)

★生徒同士のアンサンブル

→曲目自由

★富川勝智とデュオコーナー

→課題曲「優しき玩具」(吉松隆)

★壇遼さんとデュオもしくはトリオ

→課題曲「4つのやさしいデュオ」「4つのリズミックなトリオ」(佐藤弘和)
★リオリコギターアンサンブル 
…そのほか、池田&富川デュオ、19世紀ギターデュオなど盛りだくさん!



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20140201 ギターデュオ「ラスマノス」ライブレポート!

名曲喫茶カデンツァさんでの「ラス・マノス」ライブ、たくさんの方にご来場いただけました。

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プログラムは以下のような感じでした。

・第一歩(ソル)

・冬の歌メドレー(富川編)

・春の海(宮城道雄〜富川編)

・ミラージュ&オルゴールの箱が開く時(クレンジャンス)

・レグレソ(セナモン)


・2台のギターのための組曲(ロウズ〜ブリーム編)

・五本の指で(ストラヴィンスキー〜ノーマン編)

・印象(セナモン)

 1:源(みなもと) 2:川岸にて 3:葦原 4:山中にて 5:猟り 6:ビルスク 7:市場 8:散歩 9:柱廊 10:ヴィトリア 11:祝祭 12:夏の夜

・フール・オン・ザ・ヒル&ペニーレーン(レノン=マッカートニー〜ブローウェル編) 

前半の冬の歌メドレー〜春の海が好評でした!…冬の歌メドレーは私のアレンジですが、次回は春の歌メドレーとか作ってみようかな?と考えています。

二部最後のビートルズ2曲(ブローウェル編)はなかなか手強かったです。良いアレンジなのですが、楽譜が入手困難&技術的に難しい…ということから敬遠されがちなレパートリーですよね。とはいえ効果的なアレンジであることは明らかです。今後も「ラスマノス」で弾いて行きたいと思っています。

最後に終演後のラス・マノス2名の2ショットです!
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次回の名曲喫茶カデンツァさんでのライブは7月30日(水)午後7時〜に決まりました。実は平日夜のコンサートはラス・マノスとしては珍しいかも?…みなさん今からしっかり予定を空けておいてくださいね!



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