ギターレッスンと演奏の日記 from 富川ギター教室

クラシックギターの「伝道師」富川勝智のギター教室でのレッスン活動と演奏活動の記録です。

2020年05月

2019.8 新サイトOPEN!
https://tomikawaguitar.com

富川ギター教室(東京渋谷) https://tomikawaguitar.com
https://tomikawaguitar.sakura.ne.jp/wp/lesson/
※他に池袋現代ギター社でもレッスンしています

お仕事依頼&お問い合わせは下記メールへお気軽に!
tomikawaguitar@gmail.com

奏法伝授・・・DVD好評発売中です。

地道にブログを再開してから、なんだかアクセス数が結構増えております。

で、5月頭に発売を開始した「ギター奏法伝授vol.1」が順調に売れているようです。
詳細)←お買い求め方法をこちらから。


お世話になっている駒沢大学駅にあるライブハウス「M'sカンティーナ」さんの支援企画でもあります。現在、ライブハウスは苦境に立たされています。僕はクラシックギタリストとしては珍しくライブハウスでの演奏はむちゃくちゃ多いです。色々なユニットやソロなどでも、出演しております。

具体的にどう支援するか?・・・それは人それぞれでしょうね。クラウドファウンディング的なものや、政府に対して金銭的な支援を要請する運動なども起こっております。様々な支援策に対して、自分でできる範囲でお金は落としております。

個人として動いたのは、DVDを作って売る・・・そして収益をライブハウス側と折半するという方式。こちらも儲かる。ライブハウスさんも収益を得ることができる。

なので、DVDを作ったのです。Vol.1の製作は「駒沢大学駅まで渋谷から徒歩で行って」「撮影者と僕で距離をむちゃくちゃあけて」行いました。つまり三密を避ける収録方法で、、、というわけです。4/20に撮影をして、お互い元気なので、感染はしてないのでしょうね。よかったよかった。

ギターを弾くための身体技法については、アレクサンダーテクニーク的な観点や東洋の身体技法的な側面からアプローチしている方はたくさんいますが、そういう方にもぜひ見ていただきたいなあと。

僕なりに25年くらい研究してきた「ギター奏法と身体、そして音楽との関わり」を具体的に説明した内容となっております。そして、何よりもライブハウス支援にもなります!

ということで、ぜひ皆様もvol.1ゲットしてください。期間限定発売でございます。
(内容詳細や購入方法はこちら

さて、、、最近は音楽大学の方のオンライン授業も始まりました。80人近いマスを相手にした授業なのですが、これはこれで良い教材できているなあと。

ダイソーのホワイトボードがすっごい便利!

道具と頭は使いよう・・・ですね!

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音楽大学の主専攻のかたをターゲットにした授業ではないので、「ギター」そのものをどう扱っていくか?という観点で教材を作っています。クラシックギターやジャズギター、エレキギター・・・全部ひっくるめて「ギターの基本」をどのように伝えていけるかなあ?と試行錯誤しながら授業教材作っております。

これはこれで、新しいメソッドができそうな予感がしてます。

うん、教えるって日々研究ですね!










練習に客観性を取り入れる

生徒さんとテレレッスンをやっていて気づいたことがあります。当教室では2月末からズーーーっとオンラインでレッスンしておりますが、主に3つの方法でやっています。

  1. スカイプなどを用いた相互通信によるもの。
  2. YouTubeなどに動画をアップして、先生側がアドバイスを動画で返信する方法。
  3. 上記二つをミックスした方法

2の動画を送ってもらう形でやっている生徒さん。「アランブラ宮殿の思い出」をやっている生徒さんで気づいたことがありました。

動画の中で自分にとっての難所を確認しています。「ここが弾けないんですよね」と言いながら、その部分を何回か「あれ?違うな?」「あ、ここは6弦押さえるんだった」とか言いながら、繰り返し弾いています。

そして、繰り返しているうちに、なぜか90パーセントくらいは弾けるようになってきている!

おそらく、ビデオで質問を送ろうと思っていて、部分を取り出して、何回か弾いてみて運指を整理して…ということを自然にやっているのでしょうね。

逆に考えると、普段一人でやっている練習ではもしかしたら、ここまで何回も「部分練習」をやっていないのではないでしょうか?…そう想像します。

しかも、先生にビデオを送らねばならない&きちんと問題箇所を説明しなくてはならない…という客観性があるのです。自分を俯瞰して眺めているんです。運指も整理されてくるし、本当の問題箇所が見えてくる。

だから、客観性って大切・・・なんです。

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↑(大切なので画像化しておきましたw)



ある程度生徒さん自身が自分で解決できるものはしておく。このことが実はレッスンではとても重要なことなのです。その上で、教える側はもう一歩進めた解決方法を提示できます。「もっと」スムーズに弾ける方法、「より」安定した押さえ方…などなど…提示できるのです。

その意味で考えると、生徒さん本人に動画をとってもらうってことはそれ自体で勉強になっているのですよね。テレレッスンが始まった時、止まっても、唸っても、愚痴ってもいいから、最後まで弾きとおしてもいいし、「ここが難しくて弾けませーん」でもいいから動画を送ってね!と生徒さんに言いました。

そして、これには実は仕掛けがあって、動画を撮っている段階で、自分の演奏を客観視できるのです。

普段、一人で練習している時でも、この客観性は大切にして練習してほしいなあと。それでも解決できない部分は先生のアドバイスを仰げばいいのですから。そして、実はここからが本当のレッスンの始まりなのです。


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コロナ禍とオンラインでの”フェス”〜「スペインギターフェスタ春の祭典オンライン」無事終了!!

(おそらく)国内初のオンラインでの「クラシックギターフェスティバル」が昨日終わりました。

スペインギターフェスタ春の祭典オンライン・・・と題したものです。参加者は31名。もちろんオンラインですから全国各地から参加者がおりました。

マスタークラス、ワークショップ、生徒さんたちの発表会、演奏会・・・全てをオンラインで行ったわけですが、実に手応えがありました。もともと4月に行う予定であった春の祭典イベントです。今までも定期的に行ってきているのですが、流石に4月は延期せざるをえなかった。で、5/10に日程をずらしたのですが、これも流石に厳しい。。。というわけで、「オンラインでやってみよう!」と4月半ばに決定したのです。

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スペインギターフェスタはスペイン留学同期組のメンバーでやっております。(ホームページもありますので、こちらもどうぞ!)
僕が「ならオンラインでやればいいじゃない?」と提案して、メンバー全員「やってみよー!」というノリになったのは本当に助かったのです。

コロナ禍になってから色々なイベントやコンサートが中止や延期となっております。自分がスタッフや審査員として関わっているコンクールも秋くらいまでは中止・・・という流れ。僕はどちらかというと「なんらかの形でオンラインで開催したらいいのじゃないか?」と考えてきたのですが、世の中はそういうのに反対する人もいる。「実際に生で聞かないとわからない」とか「YouTubeって何???」「オンラインでやるなんて面倒臭そうだからいやだ」「事態が収束したら、じっくりと考えていけばいいよ」といった意見。そんな意見が3月〜4月にかけては多かった。

でも、イベントやコンクールっていうのは、簡単に中止ってするのはあまり好きじゃない。人間は「未来を想像できる生き物」なんですよね。逆にいうと予定通りだったものがなくなっていくと不安になる。いく予定であったコンサート、受ける予定であったコンクール・・・それが無くなってしまう。コロナ禍になってから、そのほかにも「失われた未来」があるのです。

その小さな「未来がなくなること」の積み重ねがストレスとなります。そのストレスは大きい。なので、コンクールなどをやるかやらないか?・・・という議論となった時には僕はオンラインでやればいいのでは?と提案し続けてきました。でも、スムーズにはいかないものです。年長者や同世代であってもオンライン上のツールの活用=「本物ではない」という先入観を持っている人も多く、説得する方向には持っていけませんでした。

そのような流れがあった中で、今回のスペインギターフェスタをオンラインで開催してみて感じたことがあります。

「みんなイベント参加で救われていること」です。参加した方全員が「自粛自粛でイベントが消えていく中で、開催してくれて本当に嬉しかった」とか「生きる希望が湧いてきた」とか・・・そのような感想をいただいております。

みんな、ウズウズしていたんですねー 苦笑。

音楽家やギタリストの仕事っていうのは、もちろん「芸術」そのものを提供して心の栄養を与えることが「仕事」なのですが、イベントやコンサートを楽しみにしている方達に「未来を与える」ってことも大切な義務の一つなのです。自分が描いていた未来が失われている怖さ・・・今の時代なら誰でも持っています。

ポストコロナな全く違う価値観の世界になるだろう・・・なんてカッコつけて言っている人もいますが、そんなことはないんですよ。みんな毎日、「新しい未来」をみているんですから。どのような形であれ「未来を約束してあげる」ことが大切なんです。


さて。

実際にこのイベントをやってみてオンラインならではも「よさ」もたくさん発見しました。そして気づいたことがたくさん!

  1. オンラインでも発表会では生徒さんは緊張する!
  2. マスタークラスの時に、聴講している方も(自宅なので)一緒にギターを弾きながら研究できる
  3. zoomで資料などを出しながら話すととても立体的な講義ができる
  4. オンラインでコンサートをやっても、ちゃんと拍手があると雰囲気がでる
  5. 講義やマスタークラスの間でも割と自由に休憩できる
もっとあるんですが、1はとても面白かったです。目の前でリアルにお客さんがいなくても「みられている」と感じるだけで、本番と同じ効果があるんですねー!結構びっくり。

2はオンラインの利点です。僕も岩崎さんのマスタークラスで、生徒が受けているのと同じ楽譜を用意して、一緒に練習しました。ああなるほどなーと。

3は実際に僕がワークショップをしてみて思ったことです。資料を配布する手間が省ける・・・そしてその場で必要な資料を眺めながら皆さんの進捗状況を確認しながら、講義ができる! ああ、便利。

4は・・・これzoomをやっている人であればわかると思うのですが、音声ミュートをコンサート中は各自の判断でオンオフすることにしました。「あ、今演奏終わった!よかったー」と思った瞬間に参加者は任意で音声ミュートを外して「拍手」するんです。画面いっぱいの人がパチパチ手を叩いている図はなかなか壮観。

5は・・・これ実際にあるんですが、マスタークラスって始まると聴講の方はなかなか席をたちづらいんですよね。これがオンラインだといつでも好きな時にトイレに行けたり、画面オフすれば、おやつだって食べられる!・・・自由な学びの時間の使い方ができます。

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こうやって、zoomで行ったイベントの風景が各参加者のPCやスマホやタブレットに映し出されていたはずです。これも、結構面白い。各自で見ているイベントの風景が違うのですから!

色々と写真をいただきましたが、はあ!こう見えているのかー!と。なんか面白い。

ということで、今回のスペインギターフェスタのメンバーを画面上から紹介。
岩崎さん。コンサートとマスタークラスお疲れ様ー。

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池田くん。面白い講義でしたー!
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東くん。コンサートのビデオ編集素晴らしかった!!!
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坪川さん。進行役に徹してくれました!発表会のコメントが盛り上がって、レッスンになっちゃってたけど 苦笑。
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と、紹介する写真も色とりどりなのが、とーっても面白い。

はい、僕も。

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人のうちから自分の教室を覗かれている気分。


さてさて、次回は7月にやろうということになっています。7/11に開催予定。もちろんオンラインで!

実際にコロナ禍が収束したとしても、オンラインの形は続けようかなと。音楽ってボーダーレス!と堂々と言えるイベントですしね!

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オンラインレッスンへ移行して70日目で「わかったこと」

2/29からレッスンをオンライン化している。幸い、外部で教えている教室(池袋と横浜青葉台)も理解を示してくれてオンラインへとスムーズに行なっている。

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私の主宰する富川ギター教室の生徒たちも不定期の生徒さんを除いて100パーセント、2/29移行オンライン化へ賛同してくれた。最初は生徒さんがわに戸惑いもあったとは思う。「どうやったらいいいの?」「機材とか必要なんでしょ?」とか。でも、こちらとしてはメールのやりとりであろうが、教材のやりとりであろうが、何らかの形でレッスンはできるよ!・・・というスタンスで提案をした。(このあたりの詳細は「テレレのおじさん、テレレッスンのやり方を語る」をお読みください)

簡単に言ってしまえば、以下の3点に要約される。
  1. オンラインでのレッスンはオフラインのレッスンの劣化版ではない
  2. オンラインの特性を生かしたレッスンでなくてはならない
  3. 実はオフラインのレッスンも突き詰めれば「テレレッスン」である
1について。
2とも関連しているが、オンラインレッスンを他のギタリストたちが導入し始めたのはだいたい4月ごろだったと思う。そして、なぜか「音質はどのくらいのクオリティで伝えることができるか?」と機材に凝ったりしている人たちがたくさんいた。でも、その観点でオンライン上でのレッスンを進めようとすれば、オフラインには絶対に叶わない。特にクラシックギターという生楽器はオフラインのリアルさをオンラインに求めてはダメだし、各自の通信状況や機材のスペックなどを考えると「不毛な追求」なのだと思わなければならない。ある意味で音質面やタイムラグは諦めてしまわないと。
この観点からオンラインレッスンを見てしまうと、「オンラインレッスンはオフラインレッスンの劣化版」にしかならないのである。ケータイであろうがスマホであろうがパソコンであろうが(あるいはファックスであろうが、電報であろうが)生徒さんが使えるツールでレッスンを成立させる・・・ということが大切であると考えた。
もちろん、機材や通信環境を整えることはとても大切ではある。だけど、実際にその手のusbマイクやオーディオインターフェースなどは品薄状態(Amazonやサウンドハウスのサイトで確認してみると良い)。結局その辺りがハードルになると「オンラインへのレッスン移行=めんどくさい」ということになってしまう。
この辺りのハードルを当教室では避けた。LINEであろうが、YouTubeであろうが生徒さんにとってハードルが低い(普段使っている)ツールを使ってレッスンを続ける・・・ということをオンラインレッスン導入期は提案した。その後、生徒さん本人が「やっぱりwebカメラが欲しい」とか「外付けマイクが欲しい」とか「通信環境をもう少しよくしよう」と改善していく姿は見られた。でも、こちらとしてはガサガサの動画を送ってこようが、ぶちぶち断線するSkypeでレッスンしようが、十分にレッスンは成立させることができたと思っている。それは以下の2点の観点があったからだ。

2について。
オンラインの特性とは何か?・・・音がリアルに伝わらないなら、どういうレッスンをしたら良いのだろうか?・・・この観点を持つことで、生徒さんにはオフライン(対面)レッスンでは得られない切り口でレッスンを行うことができる。例えば表現法のことであったり、フレージングのタイミング感やリズムの考え方などがパッと思いつくだろう。いくつかの理論や思考のプロセスを提供し、生徒さん本人に試してもらうことで、有意義なレッスンとなっていく。また技術面も、スカイプやズームを用いたレッスンでは画面上に生徒さんの弾く姿が真正面から明確に映るので「体癖」をしっかりと分析できる(これは動画のやりとりによる「動画交換レッスン」ではよりはっきりとわかる)。
逆に言えば、普段の対面レッスンでは、その辺りの観察力や言語化が教える側にも欠けていたのでは?と思うようにもなった。
オンラインだからこそ、伝えるように努力するのだ。リアルだと「こうだよね!」とギターで弾いて教えられるところを、ちゃんとロジカルに言語化して伝えなくてはいけませんから。

3について。
実際に「オフラインのレッスンもテレレッスンである」。意味がわからん!という方もいるかもしれませんが、テレ(遠隔)という言葉がヒントである。結局、対面レッスンであっても、生徒さんの自主的な学習が良い演奏を生むのです。上達するためには「生徒さん本人が自宅で練習しなくてはならない」ということが大切なのです。レッスンにいけばなんとかなるやーというよりも、生徒さん本人が先生が与えてくれたヒントや練習法を試行錯誤しながら家で練習するというプロセスに「学び」があります。

その意味では「全てのレッスンはテレレッスン」なんです。
学ぶ人はどのような状態でも学びます。弾き終わって「うーーーーーん」と先生が唸って沈黙する・・・なんて瞬間に学べる生徒さんは「あそこが悪かったのかな?」「音が汚かったからかな?」「いや、待てよ・・・先週先生が指摘していたアクセントを全くつけなかったからかな?」と考えるものなのだ。
オンラインレッスンでこの間はタブーではあるので、流石に僕も使いませんが、こちらが言語で伝えようとしていることを一生懸命に汲み取ろうとしてくれる。そこがとても大切。学ぶ方は普段のオフラインのレッスンよりもアクティブに頭を使おうとしてくるのです。

結果、学ぶ方にも教える方にも「集中力」「想像力」が生まれてくる。

本日、午前に一人オンラインでのワンレッスンを行って、ああそうだこれでオンラインレッスン(テレレッスン)70日目なんだなーと思いました。この70日間で「学ぶ」ということ、「教える」ということをだいぶ整理できたかなーと。アフターコロナの頃にはさらにグレードアップした「教え」を授けることができる自信もつきましたし、今までも結局「教える」ってことに関しては死ぬほど考えてきたのだなあと再確認した次第です。

ということで、富川ギター教室ではオンラインのレッスン、まだまだ募集中です。ワンレッスンでも通常レッスン形式でも構いません。通常レッスン形式でオンラインでスタートしてそのまま(コロナ禍が終われば)通学して学ぶことも可能です。是非ともご検討ください。詳細はこちらから→富川ギター教室テレレッスン

さてさて。

来週からは洗足学園音楽大学大学での授業がオンラインでスタートするので、その教材づくりに励んでおります。こちらは履修生徒が90名・・・・というマスな授業なので、それをどのように進めていくか・・・いつでも課題はたくさんあるのですが、楽しみながら参ります!!!




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脳内の地図(音楽書を整理する)

仕事場の資料書棚。
とある音楽理論書を探していたら、まるで探し物が出てこない。部屋の書棚にある音楽書だけでもざっと、2000冊はありそうな勢い。なので、探すとなかなか出てこないのですよ。

で、「とある音楽理論書」は見つからずに、ああこれは再読してもいいかなあー?って思った本を引っこ抜いてみた。

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本棚は自分の脳内の地図だと思う。色々な情報を本から得て、それを脳内にしまって、たまに引き出す。引き出して少しずつ「自分のアイデア」になっていく。レッスンで使っている言葉や演奏で使っている音楽的なアイデアはそうやって築き上げられたものなのだ。

先ほど、全部をパラパラとめくって、流し読みしてみた。せっかくなので、軽く紹介すると共にどのあたりが今の僕の思考に影響を与えたのか整理してみる。

順不同。重要度は一切考慮しない。アマゾンでリンクがあるものは貼っておきますが、多分今は絶版になっているものも多いでしょうね。ごめんなさい。

では、一冊め。

増田宏三「指揮法&ウィンナーワルツ」
指揮法&ウィンナーワルツ 増田宏三
増田 宏三
パンセアラミュージック
2003-05-29


とにかく拍子のプロポーションが明確。音楽は「音符を弾くだけでは成立しない」と思っていた時期に、たくさんの方法論をもらった。

セイモア・バーンスタイン「心で弾くピアノ」
心で弾くピアノ―音楽による自己発見
セイモア バーンスタイン
音楽之友社
1999-04-01


留学から戻ってきて、教え始めた時に本当に死ぬほど読んだ。練習方法のみならず、音楽を弾く意味や精神的な部分にまで、わかりやすく書いてくれている。数年前にバーンスタイン先生のドキュメンタリー映画がちょっと流行ったけれど、この本を読むほうがよりロジカルに音楽教育メソッドとしては理解できるんじゃないだろうか。

吉田雅夫「よい演奏をするために」

フルート奏者吉田先生の本。シュミッツの「演奏の原理」を吉田先生なりに解釈して読み解いたもの。ギターでは旋律の力学を説明してくれている本は皆無ですからねー。これは本当にわかりやすく、旋律の歌わせ方の理論を与えてくれました。

ピーター・バスティアン「音楽の霊性」
音楽の霊性―ニューエイジ・ミュージックの彼方へ
ピーター バスティアン
工作舎
2000-01T

1994年に買っている。大学生の時だ。後ノリと前ノリなどの「グルーブ」を意識するようになった初めての本。これもまたテンポやアーティキュレーションという観点でも参考にしたことがたくさんある。今でも、この本で学んだことから少しずつ自分の形に整えている感じがしている。

ゲンリッヒ・ネイガウス「ピアノ演奏芸術」
ピアノ演奏芸術―ある教育者の手記
ゲンリッヒ ネイガウス
音楽之友社
2003-06-01

バルセロナ留学中の師匠アレックス・ガロベー先生のおすすめ本。当時はネイガウス本人の演奏も入手困難。でも、本は出ていた。もちろんスペイン語で。必死で読んだ。読んだらアレックス先生が言っていることもなんとなくわかった。音楽の丁寧さと「息」の長さとか短さ…絶妙なバランスコントロールをしないと音楽は死んじゃうよ!っていうことを学べた本でした。ゲーテの引用とかばんばん出てくるので「ああ、西洋の知識人だなあ」っていう感じがむちゃくちゃする本です。
実はゲーテ読まねば!!!って思った最初の本かもしれません 苦笑。

東川清一「シャープとフラットのはなし」
シャープとフラットのはなし
東川 清一
音楽之友社
1998-12-10


読譜の感覚が変わりました。シャープはシ、フラットはファ。そして、シとファのベクトルを考えることはとても大切ですよね。そんなシンプルなところを深ーく掘り下げた本。微妙なピッチ感にも敏感になれるかもしれませんね。

マティス・リュシー「音楽のリズム」
音楽のリズム‾その起源、機能及びアクセント‾ (要約版)
マティス・リュシー
中央アート出版社
2008-03-28

割と強引なところもあるけど、よくまとまっている本。音楽の拍節と、横の流れ(旋律)と和声と、アクセントをうまくからみ合わせて「最終的な表現になる」ということがよくわかります。やってみないとわからないロジックではあるのですが、割とこの分解された考え方は生徒に教える時にとても役立っています。

ジョン・W・デュアルテ「ギターのためのメロディーとハーモニー」
詳細
これはアマゾンにはなかったです。図書検索のリンクを貼っておきました。これは大学生の時に読みたおした本です。今でもたまによみます。復刊したらいいのに・・・と思うクラシックギター本第一位です。
全て譜例はギター曲。ある程度理論を勉強した人であれば、「ああ、あのギターの曲のあの部分は”終止の四六”だったのかー!」とか具体例がたくさん。


てな訳で、こんな感じです。もちろん、これが「僕に影響を与えた音楽書ベスト8」って訳ではありません。他に上げていけば、100冊くらいは紹介できますし、現在も増えています。音楽書って面白いんですよ。本屋に行って真っ先に行くのが音楽書のコーナー。立ち読みして「これは!」っていうのは一箇所でもあれば買います。

本棚は脳内の地図です。だから、図書館には行きません。相当入手困難な書籍でない限りは、買うことが大切。だって、脳内ですもの。

たまに、脳内公開してみましょうかね。しかし、ほとんどギター関係の本なかったですねー。音楽理論や表現理論はやはり他の楽器のものがわかりやすく丁寧ですね。いずれ、自分で表現法のテキストは書いてみたいなーとは思っておりますが・・・
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