私の主宰する富川ギター教室の企画である「宮下祥子を聴く会」が無事終了いたしました。以下そのレポートです。
会場は駒場東大前駅下車、歩5分ほどの「カフェ・アンサンブル」でした。駒場エミナースの向かいといったほうがわかりやすいかもしれません。
こんなところです。
普段は音楽喫茶です。暖かい光に包まれた素敵な空間でした。
この会の基本的な考えは「一流演奏家の音を間近で聴いてもらおう」というものです。会場定員は30名ほどですが、やはりギターの持つ音の本質を理解するためには、このくらいの至近距離で「生の音」を体感してもらうことが必要であると考えたからです。
で、宮下祥子さんですが、今回はアルカンヘル(2003年製)を使用。ちょこっと弾かせてもらいましたが、まだ音が締まっている段階で、今回が初めてのフルプログラミングでの使用だそうです。今後、本格的にメインで使用していくということです。
私が使用しているものより、少し小ぶりですが、今回聴いて見て、おそらく素晴らしい楽器へと変貌していくでしょう。プログラムの前半と後半では明らかに鳴りが変化していました。「艶(つや)」というのでしょうか、それが後半にかけて表れていたように思います。
少しカジュアルにピンクの衣装で演奏。まだ弾きなれていない楽器なので、右手のタッチは研究中とのことでしたが、充分にコントロールされていました。しかし、やはりアルカンヘルの音はいいです。久々に「安心して」ギターの音を楽しめました。
終演後、CDの販売&サイン会を行いました。
その後、向かいの「駒場エミナース」のレストランで10名ほどで打ち上げ。
で、主催者である私と宮下さんの2ショットです。記念撮影。
その後、宮下さんはカザルスホールに聴きたいコンサートがあるということで向かいました。宮下さんが「明日弾くテデスコのリハーサルをしたい」ということで、9時過ぎに待ち合わせ。
で、渋谷駅で待ち合わせ、我が家でテデスコのリハーサル。ほとんどウォーミングアップなしで、弾ききっていました。やはり、実力派です・・・。コンサートをひとつこなし、コンサートを聴いて、さらにテデスコのボッケリーニ賛歌を弾ききるのは、凄いことです。
その後、ちょこっと、アルカンヘル談義。私のアルカンヘルは1997年製であり、昨年あたりから「音が出てきた」という話をしたら、「やっぱりそのくらい時間がかかるんだ・・・」ということでした。やはり宮下さんとしては、だいぶ違いを感じるようでした。
アルカンヘルは音が出すのが難しい楽器です。しかし、この楽器でしっかりとした音を出せれば、おそらく他の楽器でもちゃんと音を出せるようになります。そんな楽器なのですね。
で、今日のまとめ。今、ざっと今日の演奏を録音したものを聴いてみました。これが驚くほど、音の腰がある!。実際に会場で聴いたものより、粒立ちが良く、伸びもあり、音色の変化もしっかりと感じられるのです。
やはり、ここから考えられることは、人間の耳は、体調や気候に左右されることがあるということ。機械の耳(=マイク)のほうが正直なのです。
このようなことからも、やはり宮下さんの実力&楽器のポテンシャルが確認できました。
アルカンヘル・ユーザーとして、宮下さんの楽器が、今後弾きこんでいくうちにどのような「変化」があるのか、興味深いところです。また、機会があれば、宮下さんのコンサートを企画したいと思います。
ああ、そうだったのか・・・