ああ、寒い・・・とはいっても、今日は一回も外へ出ていないが・・・

さて、レッスン覚書です。

 

先日の現代ギター誌座談会で、右手のフォームを定めるために、まずアルペジオからスタートしたほうがいいということが話題にのぼった。このあたりは非常に難しい問題で、私個人としては、右手の独立を早期のうちに身につけるために音階は重要であると思う。だが、実際には生徒によっては、音階によって変な癖がついてしまうことも、ままある、のも事実。このあたりはバランスが難しい。

軸指についてのレッスン。この軸指を効果的なものにするのには、手全体のコーディネートが必要。そして、なによりも腕全体が“オンライン”であることが必要でもある。

アルペジオにおいて、右手のバランスをとるのには、a(薬指)側からセッティングしていくのが、思っているより有効。だが、これもあまりa指に気をとられると、i指が寝てしまうようなフォームになる傾向もあるので、注意したいところである。

テンポを揺らすのは、車のアクセルとブレーキみたいなもので、どのあたりからアクセルを踏むか、ブレーキを踏むか、または徐行したままいくか、完全に停止するか・・・様々にイメージしていくことが大切。+きちんと拍子をとりながら(つまりパルスをしっかりと感じながら)試行していくことが重要。不整脈にならぬように。

サグレラス「マリア・ルイサ」のテンポはアレグロではあるが、すこしネットリとした感じも欲しい曲。ちなみに、サグレラスの原典版はかなり通常知られているものを違いがある。

ソルの曲は、フレーズの切れ目が分かりにくい曲が多い。アウフタクトなどをヒントに、とりあえず機械的に、フレーズの切れ目を定め、その部分の旋律線のみを弾き、本当にそのフレージングが合っているかをチェック。テーマと、その展開の部分などをはっきりと見極めてからでないと、なかなか表現には入れない。3度音程の部分は、下の音と上の音をばらして弾いてみると、音程感を感じることができる。音のバランスもチェックできるので、この練習法は3度音程が頻出する曲には有効。

(余談)クラシックギターをやっているのに、ソルの名前を知らないのは、ピアノを習っていてベートベンを知らないのと一緒である。ソル、ターレガ、アンドレス・セゴビア、以上3つの名を聞いたことがない人は「ギターを鳴らしている」だけの人であり、「クラシックギターを弾いている」と言うだけの権利がない人である。