さて、手元に現代ギター最新号が到着して、いちおう自分の原稿をチェックしています。

今月号では、連載「ファリャの生涯」(→これはあまり読み返しません・・・)とGG学院・ギター研究室(略して“ギタ研”)に登場しています。

事前になんの相談もなく、とりあえず愛称が“トミー”になっています。我が敬愛する師匠・ホセルイスも私のことを“トミー”と呼んでいましたので、それでいいのですが・・・。いっそのこと『トミー富川』でいこうかなとも考えています(嘘)。

さて、そのギタ研を読み返しながら、なんとなく思ったことを書いてみます。

一部、暗譜について触れています。「そもそも何故暗譜して弾かねばならないのか?」と私が発言しています。

このことを考えることが、とても「ギターを教える人」には重要だと常々思っています。

なんども述べていますが、「暗譜をしなければならない」というより「知らないうちに暗譜をしていた」という練習方法なり、レッスン方法が正しいのだと私は信じています。

その基礎となるのは読譜力、これがそのまま初見力の力へとつながっていきます。

そしてそれを鍛えるのに役立つのが「エチュード」です。私の生徒には教本なりエチュード集なりで、とりあえず練習曲を必ずやらせています。

確実な読譜力を養うことが、実は暗譜への近道でもあるわけです。正しい読譜とは、どの部分がメロディーか?、和声はどうなっているか?という分析を含め多岐に渡ります。ある和声がどのような印象を聴き手に与えるか?という次元まで掘り下げれば、より深い楽曲の理解が得られます。

 

フレージングを早めに掴むか、あとで取り上げるか?について、このギタ研で坪川さんと私が意見を異にしていますが、根本の考えとしては同じです。

坪川さんは、『全部の音をきちっと技術的に弾けるようになってから、フレーズを意識!』

富川は『フレーズを意識させるのが最重要』と述べています。

富川個人の意見としては、まずメロディーだけを弾いてもらって、それを歌ってもらうというプロセスが前提としてあります。あまりゆっくりとしたテンポで一音一音丁寧に練習していると、楽曲の求める「雰囲気」を掴むのに時間がかかる場合もあるということです。

鼻歌でもいいので、「ああ、この曲は最終的にはこのくらいのテンポで弾くといいんだな!」とまずは意識。

フレーズを意識することは重要!という意味ではプロセスこそ違っても坪川さんと私の意見は一致していると思います。

 

さて、今回のギタ研の最後のほうの、「禁じられた遊び」をメロディーだけ押さえて、和音は全て開放弦という“荒業”を私が紹介しています。

時間的に間に合わない場合、楽曲を編曲してしまうのも「ひとつの手」だと思います。

よくポピュラー曲のアレンジ物を、全て楽譜どおりに弾かないと気が済まない人がいますが、押さえられない和音などは低音だけ残して削ってしまえば、いいということです。

難しそうに弾くよりも、自分のもっている技術の範囲で「歌うように自然に弾く」ほうが上手く聴こえるということも事実です。

 

以上、ギタ研の個人的感想+追記的解説でした。

なにか質問などある場合はみなさまコメントのところにどうぞ。