レッスン覚書です。11月14日〜15日の分です。たった2日分ですが、どうぞ。

ソル20のエチュード。細かい部分をみていくこともできるが、リズムの違いをターゲットに数曲まとまてレッスンするのも効果的。例えば4番で4拍子のプロポーション、5番で3拍子のプロポーションを体得してもらうという具合に。

左手の押弦している指を基準に次に押さえる指を『探す』という感覚が初心者には大切。手の中の距離感とでもいうのだろうか・・・これをマスターするために音を完全に覚えた曲で目をつぶって弾いてみるのも効果あり。

ソルの魔笛。イントロ部分をハイポジションを多用している版があるが、やりすぎは時代の様式を無視する結果となる。ソルの時代の運指法はできるだけハイポジションの押弦を避けるのか基本。そのほうが音がよく伸びる・・・と考えられていたからだ。これにはもちろん当時の楽器のつくりの精度も関係していたと考えられるが、どちらかというと音響上の理由である。これをふまえたうえで求めている音楽、現代的な感性に合う運指を見つけることが大切。

変奏の弾き分け。短調の変奏にはいるところは、『それらしく』入ること!。しらーっと入ってしまうと、聴き手が「あれ?今短調だったの?」と耳がチューニングできない。音色や歌いまわしなどを工夫して、短調になりますよ〜という予告をはっきりと伝えることが大事。もちろん音程にも気をつけること。

ソルのギャロップ。馬の動きを模した曲と考えることができる。馬の歩みをイメージし、じょじょにリズムが“整っていく”、またはリズムに“のっていく”という感覚を表現したいところ。アウフタクトをはっきりと表現する点も大事である。

『古いフォーム』『新しいフォーム』というような分類は嫌いだ。某大学サークルでは、そのような分類がされているらしい。

セゴビアやイエペスは『古いフォーム』で、デヴィッド・ラッセルなどは『新しいフォーム』?という謎の分類法である。

巨匠たちのフォームに新しいも古いもない。彼らは自分の体の動きに従った奏法を見つけていっただけである。セゴビアの愛弟子でそっくりそのまま師匠のフォームを真似た弟子はひとりもいない。ディアスにしてもホセ・ルイスにしてもまるで違うではないか!

・・・そのようにシンプルに分けてしまうのはとても「わかりやすい」ことが多いのも分かるが、失うものは大きい。

『このギタリストのフォームが“現代的なフォーム”だから、真似すれば彼のように弾ける!』という単純な発想なのだろう。考えるべきは、そのギタリストがどのようにして、そのフォームに至ったのか・・・という点である。

真似をしたって、うまくなるはずはない。

 

左手のポジション練習を毎回やらせる場合がある。この場合、すぐに弾き始めるのではなく、楽器と体のバランス、体の状態をチェック。常に意識することが大切。この癖をつけることで、どのような練習をする場合も体とギターのバランスを考えるという思考回路ができあがる。

右手の動きを日常も常に観察してみよう。関節はどのように動いているか?無駄な動きはしていないか?・・・などなど、いろいろとチェックしてみることが、ギターでも必要だ。

教え方=人生観・・・だと思う。良い教師には2通りあると思っている。生徒が自分で気づくのを待つタイプ、とりあえず全てのアイデアを与えてしまうタイプ。おおまかに二つ。しかし、その両方をバランスよくミックスしていくことが大切。

ティーチングとコーチング、どちらかに偏ってもいけない。

子供のレッスンはやはり、外部の教室ではなく、設備の整った自分の教室でやりたい。椅子の高さ、道具、ギターの大きさにいたるまで、いろいろと試したいからである。

 

 

 

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