(もう2007年ですが)2006年11月20日〜24日のレッスン覚書です。

独学で「変な癖」がついてしまった生徒さん。自己流でポピュラーのアレンジ物を弾いていたりするのだが、左手もばたばた、右手はがちゃがちゃ・・・で弾けない。とりあえず。基礎練習3点セット。スケール、アルペジオ、左手のポジション練習で様子をみよう。この三つで「気持ちよく」弾ければ、癖は直っていくだろう。

左手の指の癖を直すには、指先での「ひっぱりっこ」が一番いい。そうすれば腕の延長線上に指があるということが分かる。左手押弦に際して、親指と他の指で挟みこむ・・・という考えだけでやっていると、いずれ左手に支障がくる。

初心者の生徒さんが、「ゆっくり弾いていいんですか?」と訊いてくるので、「ええ、もちろん」とこたえた。初心者の生徒に一度も「速く弾け」といったことはないはずなのに。

かなりの年月独学で弾いている生徒さんが習いにきた。なんとなく指の調子がおかしいという。演奏している姿を見ていると、ギターをがっちりと「動かない」ように固定し、右手の動きも「無駄に動かないように」試み、左手も間違った場所を「押さえないように」に一生懸命がんばっているのが分かる。その結果、かなりの“力技”で弾ききろうとしているのである。

力を抜いていきながら、スピードアップをする・・・というような「本人の意識を騙す」実験をいくつか試みる。「力をいれないと正確に弾けない」という意識を本人が変えることができなければ、なかなか奏法改革は難しいだろう。

ソル20のエチュード6番。低音の八分音符&四分音符のリズム。四分音符の部分を「スーッと伸びるイメージ」で弾くと、躍動感がでる。またこの曲では歌手の伴奏の掛け合い、といったイメージを持つことも大切。ピアノ伴奏者が歌手のリズム感やテンポ感を感じながら、ちょっと“しかけていく”(=テンポを揺らしていく)という雰囲気がでてくると、楽しい。

音階は調性のイメージを感じ取る意味でも重要。ある音からある音が生まれていくという感じを持ちながら、ゆっくり練習することが大切。

ターレガ、夢〜マズルカ。装飾音にプレッシャーが掛かって、後続の音と断絶してはいけない。装飾音+後続音で、ひとつながりの連符だと思ってまずは練習(例:モルデンテ+3連符=5連符)してから、3つ目の音に向かって急いでいくというイメージで練習するなどして工夫すること。

教本で運指が振ってある部分とない部分がある。A-B-Aの形式だと、最初のAに運指がふってあり、あとのAに振ってない場合がある。運指を全てに振ってしまっても良いが、練習だと思って、後半は運指を頭の中で想像しながら弾いてみるのもよい。

カルッリ45のエチュード。27番。低音の消音をしっかりと守る=低音にリズムが生まれる。このように消音というものが、音の濁りをさけるためだけでなく、リズムを生み出すという効果があるということを知るのに最適なエチュード。

28番2段目あたり、1の指で4弦と3弦のみを押さえる運指を想像できるかがポイント。23番あたりでこの運指を使用しているので、それを参照。

ギターをゼロから始めた生徒さん。右手タッチ&爪調整をはじめて行う。きちっと爪調整をすれば、「音質だけではプロと同じ」ということは理解できたようである。あとはコントロールの問題。

楽曲のなかで、繰り返されるパターンを見つけること&それを裏切っていく部分を見つけること・・・これが結構重要だ。

左手の押弦も、右手のタッチと同じである。ボーリングにおいて、ボールが接地した瞬間を意識できるかという点にも似ている。

ミランのパバーヌ。踊りのステップを意識して、「拍」という意識から「動き」という意識に変えていく。足を一歩踏み出す、大きいのが、小さいのか・・・というようなことをイメージすれば、自然な進行感が生まれる。

ソル20のエチュード、1番。このセゴビア編は、しょっぱなからセゴビア節が炸裂している。音をつなぐ・・・という意識を学べる。そういう運指になっている。

 

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