最近、レッスン時に参考演奏を生徒とともに聴くことが多い。

主に、リョベートとかセゴビアとか、ちょっと渋めだが、イダ・プレスティとかルイゼ・ワルカーとかのSP時代の音源である。

かつて国内版でも「黄金時代のギタリストたち」「リョベートとその弟子たち」という好企画盤がEMIから世に出ていたが、あっという間になくなった。解説も詳細であり、音質も良く、非常に内容の濃いものだったのだが、残念である。私が大学生のときに購入したものなので、現在入手はかなり困難であろう。

いちおうアマゾンのリンクをはっておく。

「黄金時代のギタリストたち」

「リョベートとその弟子たち」

セゴビアの若き日にも多くの優れた奏者がいることが分かる。セゴビアのSP時代の演奏は現在ナクソスから出ているので、それと比較すると面白いのである。そして、勉強になる。

リョベートと比較すると、やはりセゴビアの演奏は非常にすっきりしており現代的だったと分かる。

上記の「黄金時代の・・・」には現在ギターデュオの定番曲である「スペイン舞曲」(ファリャ)のプジョール&クエルバスの演奏が収録されている。おそらく現在でもほとんどの人がプジョール編をもとに演奏している曲だと思うので、是非この本人による演奏は聴いてみるとよいのだが・・・。

いい意味でやはりこの本人の演奏は「プジョール編」の良さが良く出ているし(当たり前だが)、作曲家ファリャの音楽性をよく伝えていると思う。これは聴くたびにそう思う。

 

また、この当時のギター演奏家はガット弦を使っていたので、音に独特な質感がある。ルバートやレガートなどはなんともいえない色気がでる。現在の奏者には欠けている何かがあるのだ。特にリョベートの演奏などは、音のつなぎ方の妙技を堪能できる。

・・・このような音源を聴きながら、生徒とともに「ギターらしさ」とは何か?を考えるのは、とても楽しい。

そして、その「らしさ」を真似しようとしたとき、かつての巨匠達の技術レベルの高さに驚くはずである。

 

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