昨日現代ギター11月号が届きました。

「特集:古典で楽しむデュオの世界〜カルッリを弾く」という記事で私、富川勝智と池田慎司氏が対談を行っています。

池田&富川デュオ対談

 

 

 

実際に楽譜を初見で弾きながら、デュオの勘所を考えていくという企画でした。基本はカルッリのギター教本をもとに。カルッリギター教本は前半は普通の教本ですが、後半に2重奏曲集がついています。これが隠れた名曲揃い!&初心者でも弾ける!…ということで、取材当日持参したものです(現代ギター11月号38ページ下方に写真があります)。

このカルッリの2重奏曲を初見演奏しながら、自分達が何を考えながらデュオ演奏しているのか?・・・というのを考えていく進行の仕方でした。

編集者2名同席のもとで2名はギターを抱えて、MDで録音しながらの進行でした。約2時間ほど弾きました。で、語る(弾き語り?)。

同席した編集者には「え、打ち合わせなしで、どうしてそこで表現が合うの?」という疑問が多くあったようですが、これは紙面にもありますが、「音楽の基本表現」、つまり解釈の基本文法が共通だからなのでしょう。(※この基本文法を学ぶのが音楽のレッスンなのですね)

もちろん、両名初見なので、大きな構造は掴めていません。

以下38ページより引用。

池田:ここは和声の変化でやらないとアゴーギグじゃ長いですね。お互いに今探りましたよね。

富川:うん、何が何だかよくわからない。

・・・(中略)

池田:でしょ。それが聴き手にも伝わっているっていうのも弾いててわかっちゃう。

これはお互いに全体を見通した上での着地点が見えていないということを表しています。もし、本番で演奏するならば、これをリハで確認します。

というように実践的なコツを明らかにしていこう、という企画だったわけです。

どちらにしても、普遍的な音楽表現の文法を理解していることが大切なわけですね。

フレージング?ヘミオラ?アナクルーズ?デジナンス?カデンツ?・・・と全て「?」なパートナーとはデュオは不可能なわけです。このあたりを教師の人が知識として与えることが通常のレッスンでも大切なわけですね。それをソロ曲でも適切に指導しておけばデュオでも両名、「共通の文法」でお話することができるわけです。

もちろん、今回はその「共通の文法」を容易に弾ける古典曲で理解するのがいいよ〜!という要旨ではあったわけです。これには生徒&教師のペアの演奏が理想形です。教師が「あ、そこは解決するところだからね・・・」とか、「フレーズはここで終わるからね・・・」とかいいながら、生徒を導くわけですね。そのようにして「基本文法」を学んでいく。この基本文法を学ぶ上で、古典は形式がしっかりしていますし、和声の解決なども明瞭ですので理想です。

本文中で私が「古典を楽しめない人はポピュラーも楽しめていない」といっているのは、そういう理由です。古典和声での解決などを理解していない人が、その発展したものであるポピュラーの和声の感じなど掴めるはずもありません。

これは、本文にもあるように「口伝」の部分です。

勿論、通常のレッスンの時間は限られているため、口伝では伝わらない部分もあるのも事実です。それは、演奏者各自の「古典とは何か?」「音楽の呼吸とは何か?」と常々考えることが重要なのです。また時代によって呼吸の長さも変化します。

先日も池田慎司氏とデュオをしましたが、ファリャの音楽の息の長さは尋常ではないと感じました(余談ですが、同じことをポンセのソロ作品などにも感じます)。ずっと、腹筋を締める感覚とでもいうのでしょうか?・・・息を吸い込む瞬間が訪れるまで「長い」のですね。これが独特の緊張感を生むのです。それが音量的にピアノの部分であるとしても、です。(←これが「寿命を縮める」理由?)

池田氏と私は、スペインで同じ先生についていましたが、その後はまったくそれぞれの道を歩んでいます。しかし、その学びの過程において、おそらく上記のこともお互いに意識できているのでしょう。ファリャの音楽を演奏する上での「同じ文法」が把握しているのです。

デュオの楽しみは、このように自分が知らない「文法」を相手の演奏から感じることにあると思います。そして、それを次に生かしていくわけですね。

大きな視点からみれば、やはり大指揮者にふってもらったオケの団員はものすごい量の文法を所有しているのだと思います。そして、それがオケの中で継承されていくわけです。

話はちょっとずれますが、私が生徒に常々「名演奏家、名指揮者といわれる人の演奏をできるだけ、ジャンル問わず聴くこと」を勧めているのはそういうわけです。ギターだけ聴いていても音楽はよくならないのです。

ということで、そのようなことを現代ギター誌11月号の自分達の対談を読んで思いました。

是非楽器店、書店などでご購入の上、お読みください。

現代ギターのサイト

 

(追記)

記事タイトル下の富川&池田の写真が凄くすがすがしいです。ああ、楽しそう〜って感じの写真です。これも是非注意してみてくださいね!

 

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