93cc9aa0.jpg久々に音楽本の紹介。

かつて私が大学生の頃に愛読していた本。大学の行き帰りに電車の中で、ほぼ毎日2年間繰り返し読みました。

リットーミュージックの「実践コード・ワーク理論編」です。

キーボーディストの篠田元一氏の著作です。

 

上記写真の私のもっているものは1991年に出版のもの。最近は新装版がでているようです。コンプリート、とついているので内容も加筆されているのでしょう。どちらにしても、もう20年近く出版されていることになるので、内容がいいものであることは保証します。

実践コード・ワークComplete 理論編

 

最近生徒から「コードって知っておいたほうがいいのですか?」という質問を受けることがあります。クラシック音楽は全てコード進行で説明することは不可能ですが、楽曲によってはコード進行(ドミナントとかサブドミナント、セブンスとか・・・)で説明するほうが分かりやすいことが多いのです。

弾き語りをやっていた生徒さんや、バンドをやっていた人には「ここのDm7がG7に進行していてね・・・」とか説明したほうが分かりやすいこともあります。

場合によってはバッハであっても和声進行をコードで提示したほうがすんなりと合点がいく場合もあるのですね。

なので、知らないよりは知っておいたほうがいいし、クラシックギターでポピュラーの編曲を弾く際や、自分でアレンジを加えてみたい(ハーモニーを付け直したいなど・・・)場合にも役立ちます。

さて、コード理論を学ぶ際に大切なのが、実際に音を出して確かめる・・・ということです。

私が上記の本を勉強していたのは、ほとんど電車の中でした。というよりは、電車の中で「予習」することをしていたわけです。そして帰宅したら、その日読んだものを実際音に出して確かめてみる。そして翌日その部分を「頭の中で音を鳴らしながら」再読。こういうプロセスを繰り返してみると、楽譜を見ただけでは音が浮かばないところが現れます。これが「未修得」の部分ですね。それを帰宅してまたチェック・・・。この繰り返しによって、コード理論の基礎を身につけることができました。

この本はキーボディストが書いた本ですので、楽譜はギター用には出来ていません。これがまた効果的だったと思います。本を読み、頭のなかでギターの指盤を思い浮かべ、運指を考えながら、勉強していました。それを様々なキーで試みるだけでかなりのイメージトレーニングとなったと思います。結果として読譜力もアップしたような気もします。

最近はギタリスト向けのコード理論書もでていますが、意識してやらないとパターンスタディになってしまう危険性があります。手形で理論を覚えてしまっては、実は役に立たないことが多いのです。

極端な例ですが、ジャズ(フュージョンかなあ?)ギタリストのアラン・ホールズワースが理論のみで独自のギターコードのフォームを習得していったように(確か彼の父親がピアニストで、理論だけを教えてもらいながら自分でコードを組み立てていったという話をどこかで読みました)、理論から指盤を把握していく方法が効果的な場合が多いのかもしれません。調性を知り、音符からコード進行を把握していくことがクラシックギタリストにも役立つのです。

生徒のなかには、長年弾き語りやバンド活動をしていて、クラシックギターに転向という人も多いのですが、そのほとんどの人が楽譜からコード進行を読み取ることができません。

カルッリであれ、ソルであれ、ほとんどの場合はコード進行をふることが可能ですので、自分でそれぞれ試してみるいいですね。すると「ほお!」と思うことも多いものです。

「え?この進行、弾き語りのときによく使っていたなあ・・・」とかね。そういうふうに感じられると横の流れがいっぺんに把握できたりする場合もあるのです。

 

もちろん、上記の本一冊で全ての音楽理論がマスターできるわけではありませんが、その先に和声学や、ジャズ理論、対位法、装飾法などを学んでいく過程で「西洋音楽」が根本に同じ理論を持つことがじょじょに理解できるようになります。

音楽に関しては、さまざまな切り口で勉強をしてみることがなによりも大切なのです。

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