昨日のことになりますが、横浜青葉台で行われた「井桁ギター教室設立25周年記念コンサート」にスタッフ&演奏者としていってまいりました。

青葉台フィリアホール大が満席!&立ち見もでる!…というくらい好評!(おそらく来客500人近く?)

これだけの人が入るのは、教室主宰者である井桁典子先生の人徳ですね。

私の出番は、アンサンブルアリア(通常教室で個人レッスンを受けている人のアンサンブル)のコンサートマスター、独奏2曲、フィナーレの江部賢一バンドに参加…結構多忙でしたね。

アンサンブル・アリア→みながんばりました。やはり舞台上ですので、若干音の時間差があります。これには戸惑いますよね。前半、ちょっと乱れがありましたが、すこしづつ整っていくところはやはり練習の成果ですね。強弱もしっかりついていて良かった、と思います。

独奏2曲→レイス「ひとつのワルツと2つの愛」&ノイマン「愛のワルツ」を演奏。まあまあの出来だったと思います。ロマンティックな曲だったので、好評でした。

江部バンド→江部先生の隣だったので、実に楽に演奏できました(同じパートだったので・・・)。即席バンドです。全員集まったのも当日が初めてでしたので、本番でああ、こういうアレンジだったのかあ…と思いながら、楽しんで演奏できました。本番であれだけまとまった演奏ができるのは、やはり皆プロだなあと思いました。もちろん、江部先生の素晴らしいアンサンブルアレンジ能力もたっぷりと堪能できました(客席で聞きたかったなあ…無理だけど)。個人的にはジプシーキングスの実にスパニッシュな伴奏が楽しかったです。大きな会場で弾くと、「ああ、やっぱりアルカンヘルってスパニッシュサウンドだなあ」と思いますね。ラスゲアードの切れとか、カッティングの味わいはやはり日本のギターにはないものです。もともとアルカンヘルはフラメンコギターにも定評があった製作家なので、あたりまえといえば当たり前なのですが・・・。

さて、2部からはみなプロの演奏家のステージでした。

我が師匠である手塚健旨先生(井桁先生のお世話になった方という紹介のされかたでした)も2曲演奏。久々に演奏を聴きましたが、感動してしまいました。裏からしか聴けなかったのですが、舞台脇からトレモロのタッチや右手のアングルなどをじっくりと観察してしまいました。特にトレモロのアングルは実に参考になることばかり。トレモロはおそらく手塚先生の「おはこ」でありますが、イエペスやレヒーノの影響を受けたタッチであると思われます。トレモロの粒立ちが実に印象的でした。私も研究してみたいと思います。終わってから「暁の鐘」の運指上の質問にも快く答えてくれました。全ての運指に関して明解な答えがある・・・当たり前ですが、実に有益でした。

もう一曲、「モーロとジプシー」(作者不詳)も良かったです。ギターとは「こうあるべき」という理想的な楽曲かもしれません。もういちど聴きたいなあ。

終演後、手塚先生の控え室で、先生の使用したアルカンヘルを弾かせてもらいました。アルカンヘルだから勿論素晴らしいのは当たり前です。ですが・・・これは凄い!…という楽器でした。ちょっと貸してもらって弾かせてもらいましたが「ああ、一生弾いていたい!」と感じるギター・・・この感覚は久しぶりでした。私のものは1997年のものですが、10年経つとまた違う感性がギター製作家にも宿るのですね。アルカンヘル・フェルナンデスはもちろん既にギター製作の分野で大家です。大家となった今でも、新しい発想やアイデアを楽器に盛り込もうという素晴らしい職人なのです。もちろん、そこにはスパニッシュギターの伝統を守ろうという姿勢も貫かれています。このバランス感覚はあまり他の製作家には見られないものです。

私の楽器(アルカンヘル1997年)も先生にチェックしてもらいました。とりあえず、私の弾き方に問題はないようです。

というふうにいろいろと勉強になりました。その後の打ち上げでもギターやギター界の面白い話をたくさん聞けました。

久々にいろいろと手塚先生とお話できたり、アドバイスを頂きました。私の感想としてはどこまでいっても「師弟」ですね。先生が成長しているかぎり、私が追いつくことはないのでしょう。これは現在弟子を抱えている私本人にもいえることかもしれません。とにかく勉強し続けるしかないのです。がんばろう。

手塚先生のお弟子さんたちもたくさん会場にいらしていました。偶然打ち上げ会場にもいましたので(井桁グループとは別の席に)、その場で部分的に参加・・・ここでもいっぱい「お褒めの言葉」を頂きました。中には大学生の頃から私の演奏を聴いてくださっている方もいて、「やっぱり富川君の音はキレイね〜」といっていただきました。これはそのまま受け取って自信とさせていただきます。嬉しかったです。

演奏会そのものの感想に戻ります。

オヤジサウンズという井桁先生のもとで学んでいるオヤジサンたち(みな50代〜60代?)のアンサンブルグループがいます。これにはちょっと感動しました。みな音に厚みがあるというか…圧倒的にテクニックがあるというわけではないのですが、みなギターの音にこだわりがあるんだなあ、と思ったわけです。そのステージングも見習うべきものがおおくありました。自然に会場から手拍子がでる!…これは凄いなあ。打ち上げでの私のコメントでも褒めさせていただきました。

全体の感想として、やはりギターは素晴らしいなあ、という一言です。アンサンブルが主体でしたので、アマチュア、プロ問わずたくさんのギタリストがいましたが、それぞれが日常の生活の中でギターと関わって生きているわけです。そして、他人に感動を与えたり、与えられたりして生きている…。それが自分の人生においてかけがいのないものになっているのだなあと感じました。

やればやるほど、ギターというのは深く難しい楽器です。だからこそ一生付き合っていく価値のあるものなのですね。自分にとっては、そういうことを再認識させてくれたコンサートでした。

最後になりましたが、やはりそういうコンサートを企画できる井桁典子先生も凄い人です。丸一日超人的な働き方でした。ウクレレ弾いたり、司会をしたり…しかも第二部にはソロまで!…もちろん江部バンドにも参加!(ソロ演奏、ヴァイス「パッサカリア」素晴らしかったです!…控え室モニターで見ながら、いろいろ勉強させていただきました)。井桁先生のギターにかける情熱、そしてその情熱についてくる生徒さんやギタリストやミュージシャン…素晴らしいイベントでした。これほどの規模のイベントを単独の教室の行事として成功させるのはあまり例のないことです。自分も見習いたいと思います。

この場をかりまして、井桁ギター教室25周年、祝福の言葉を述べさせていただきます。

次は50周年?

 

 

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