2008年8月8日〜10日にかけて長野県安曇野にて行われた「あづみ野ギターアカデミー」についてのレポートです。

今回の講習会の参加者から多くの感想をメールなどで貰っています。また各受講生が立ち上げているブログのなかからも、さまざまな「思い」を感じることができて主催者としては非常に嬉しい限りです。

さて、今回のブログ記事は客観的な感想ではなく、ごく私的なレポートです。いわば、私が学んだこと、勉強したこと、再確認したこと…の発表です!

受講生とのレッスン。実に楽しかったです。やはり新しい空間、普段のレッスン室とは違う空間でのレッスンは面白いものです。できれば、本館ホールでずっと通してレッスンしたかったなあ、というのが個人的感想(各講師、午前、午後…などに分けて場所を移動しながらレッスンしていたので…)。

今回、受講生をレッスンしていて気づいたことを書いていきます。普段私のレッスンを受けている人であれば、いくつか思い当たることもあるでしょう。

 愡悗旅舁的な動きの基本は“握る動作”』。最近、ちょこっと思いついた(というよりやっと整理できた)「i-mach」理論で、一応トレモロのレッスンを段階的に説明してみました。これが結構うまくいきました。聴講生の中には『あの方法ならスムーズにトレモロがマスターできそう』という感触を得たという方もいて、ああ、公開して良かったなあ、と思いました。

◆惷間にある音を聴くこと』。これはおそらくアンドーヴァーの講習会とリンクするとよく理解できると思います。生徒さんの受講曲はエストレリータでしたが、家に帰って練習してみると『音量が増した』と実感できた、ということでした。

『音楽のリズムの変化に敏感になること』。ある決まっているパターンを破るときに音楽は動き始めます。この単純なことが分かるだけで、表情付けがかなりうまくいくようになります。

ぁ慍賛Г諒儔宗畧鴫擦諒儔宗戞F辰鵬諒の場合は、この発想がないと音色の変化が均質になります。また発音の仕方も『柔らかいー固い』というふうに発想していく…など、いろいろなイメージをもって、それを事前にイメージしてから弾くことが大切なのです。

ァ惻,硫擦悗硫残をしっかりと予測してから弾く』。プラテーロ『死』のレッスンです。実はこの曲、ものすごくメロディーの音程をとるのが難しいのです(やってみると分かる)。同じ音程でも、その前後のハーモニーによって表現法は変わってきますし、いくつかのバリエーションはあるでしょうが、やはりこの音程感を感じることが音色やダイナミクス、アタックのタイミングを規定するといえます。音程をとるのが難しいところは、次の音に行く前に演奏をストップし、自分の声で次の音高をとってから、ギターで弾く…というプロセスを繰り返しました。

Α愡悗瞭阿にあった爪の形を作る』。これができていないと、いくら指が自然に動いていたとしても、弦をしっかりと捉えることができませんし、弦を『スムーズに動かす』ことができません。爪の形は指の動きを決めてしまいます。『正しい爪の形が正しい指の動きを導く』ともいえるわけです。もちろん、その前提として、右手の指の動きは自然で無理のない動きをしていなければなりません。しかし、この動きができたとしても、爪の形がその自然な動きを妨げている…という危険性があることは是非知っておくべきです。ドイツのギター界の重鎮、佐々木忠先生のレッスンを昔受けたことがありますが(中学生のとき)、延々と爪の形を削られた記憶があります。佐々木先生は、まさに『爪の形ができていないと、正しい指の動きは得られない』という考えだったのでしょう。

А惷覆里覆で常に音程感などを感じながら、驚きや意外性などをイメージしながら演奏する』。これは上記、とイ箸盍慙△靴泙后アストゥリアスの中間部などには、「?」や「!」という音程が実に多く登場します。自分がその音の中に存在するとイメージし、行き着いた先(次の音)の“感情”をしっかりと噛み締めながら弾いていくこと…これができれば、同じ曲を弾いても、常に新鮮な感覚で演奏することができます。

─愕擺錣寮能に先入観を持たない』。“自分のタッチや自分の楽器ではいい音はでない”と最初から思ってしまうと、“いい音”はでません。もちろん、最終的には楽器の性能は大切です。右手は私、左手は生徒さん、という二人羽織で弾いてあげると「自分の楽器でこんな音がでるんだあ!」とびっくりする生徒さんもいます。で、ちょっとだけタッチのコツを教えてあげれば、同じ音量、音質がでるものです。

次は番外編。

真夜中に、余興で楽器当てクイズをしました。弾き手を1人用意し、アルカンヘルやロマニリョスなどの音を当てるというクイズ。これも、随分弾き手によって変化するものだなあ、と思いました。やはり、「その人の音」になるのです。また、普段身近にある楽器は当てやすいようです。私が弾いたアルカンヘルの音は、やはり私の生徒さんには「当てやすい」ようです。でも、私は自分の生徒が弾いたアルカンヘルの音を当てることができませんでした。

あと、目隠しをして「自分の楽器を当てる」というゲームもやりました。普段、如何に客観的に自分の楽器の音を聴いていないのか…このゲームに参加した人は皆思ったようです。つまり、なかなか確信をもって、この楽器はマイギターというふうには言えない…のです。

これらのゲームは、非常に新鮮な感覚を参加者に与えてくれました。結局、『弾き手が8割かなあ』とも思います。また、普段如何に客観的に自分の音やタッチを分析していないかも、実感しました。

それでも、やはり各楽器の音には個性があります。このパーセンテージとしては小さな個性が、実際の演奏では大きな深みとなって現れてくるのかなあ?…と漠然と思いました。しかし、まだ結論はでません。ますます自分のタッチと楽器に課題が増えてきたような気がします。

本来であれば、楽器に見識のある人(楽器製作家やギター専門店の方)を招聘して、レクチャーなどをやってもらってから、このゲームをやると面白いかもしれませんね。でも、そうなると、また複雑な問題が絡んできそうで怖いような…楽器製作家が自分の楽器を当てられなかったりして…。

お楽しみ、でやるほうがいいのかもしれません。でも、このゲームの参加者は皆「勉強したな〜」という顔をしていましたね。実に楽しかった。

次も番外編〜帰りの指遊び編。

帰りはスタッフ全員同じバスで東京へと戻りました。戻る途中、皆何故か「眠気覚まし」のため、指遊びをしておりました。また逆アポヤンドの練習の話とかもしましたね。また「挟み打ち」の話題にもなりました。やっぱり、みなギター弾きですから、みな『それどうやるの?』といった感じで、必死で(バスの中で)練習。

こういうのも、みな色々とネタをもっているもので、ギターを離れたこのような指トレーニングは「リスト」を作ってみると、実に楽しいものになるかもしれません。

では、『(無理やり)まとめ編』です。

今回の講習会の運営をやってみて、感じたのは、やはり色々な人が集まると『面白い』ということです。皆ギターを愛している人ばかりです。そして音楽を愛している人ばかり…そして、ギターや音楽を愛している人が集まる場が好き!…というスタッフがいますね。そして、その「熱」に巻き込まれていく人々…このように音楽やギターというのは「伝染病」のように広がってきたんだなあ、と。

このことで一番面白かったのは、会場となったセミナーハウス花村のオーナーご夫妻の変化だったかもしれません。『これほど情熱を感じる講習会や集まりは初めて見た!』といってくれて、それまでのビジネスライクな雰囲気から一転。その変化が訪れたのは、やはり最終日の受講生コンサートだったような気がします。オーナーの奥さんのほうが『ギターがこれほどまで“優しい”音色の楽器だと思わなかった』と仰ってくれました。

もう、この言葉を聞いただけで、この講習会をやって良かったなあという気がします。

来年もやります。今年参加した人は又是非ご参加ください。

参加できなかった人は、来年是非。何かは得られます。

 

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