充実した2日間でした。2月8日〜9日までのことを記します。

2月8日は午前9時15分〜12時30分まで当教室主催で「藤井眞吾先生の公開レッスン」(結局午後1時過ぎまでレッスンは続きましたが…)。場所は渋谷にて。

その後、横浜青葉台の井桁ギター教室主催の藤井眞吾先生公開レッスンへ…。渋谷のほうの受講生全員と聴講生数名が青葉台へ直行です!

青葉台のほうの公開レッスンは2時30分〜。そしてそのご藤井眞吾先生がソロでフェルナンド・ソルのOp.44全曲演奏+井桁典子先生とのデュオで眞吾先生の日本歌曲や童謡のアレンジである「はじまりの音楽」から数曲…贅沢なコンサートでした。

そして、実は2月9日(月)はプロギタリスト及びプロ志望ギタリストが受講するレッスンがありました。受講生は3名。私も「Op.44」を受講いたしました(ああ、久しぶりのレッスン受講ですね)。

 

順を追って、レポートいたします。


2月8日午前・富川ギター教室主催「藤井眞吾先生公開レッスン」

受講生は4名。すべて私の生徒達です。聴講生は随分と外部から来ていただけました。10名の聴講生でした。このくらいいると実に雰囲気がいいですね。初心者から上級者、プロまでいました。みな、真剣に藤井先生のレッスンに耳を傾け、受講生の音楽がみるみる変化していくのを感じてくれていたようです。適切なアドバイス、納得のいく説明です。受講生各自への今後の課題点を的確に与えてくれました。またやはり音楽というものの基本を明確に示されていました。

そして、その音楽を表現するためのテクニック上のアドヴァイスも実に的を得たもので、普段見過ごしがちな「基本」の重要性を受講生も聴講生も実感できたと思います。

藤井先生レッスン2

弦の振動を適切にすることによって、「まろやかな」そして「しっかりと芯のある」音色を生み出すということは、手前味噌で申し訳ありませんが、1月に行なった当教室主催の月イチ企画「ギター奏法の基礎の見直し」でやったばかりです。前回の“月イチ企画”に参加した方は、藤井先生が言ったことが「やはり大切だ!」と実感できたでしょうし、音楽表現を行なううえで、その基本が表現に密接に関連するということが実感できたと思います。

私としても、今後“月イチ企画”で勉強する内容のヒント、アイデアを藤井先生が与えてくれたような気がします(もちろん、藤井先生は普通にレッスンしただけですが…)。

具体的な内容としては、やはりタッチのアングルを明確にすることによって、音色をコントロールすることが重要であるとたびたび指摘されていました。内声を弾き分ける際にもそのことは重要であり、声部の流れをきらないため(音の密度を整えるための)具体的な技術を提示されていました。

ソルのエチュードを2名が受講しました。ソルのエチュードの意義を説明され、セゴビア編の1番、2番の学習目的を明示しておりました。特にアポジャトゥーラの扱いについて徹底的に説明されていました。古典を表現する上での重要なポイントとなる部分です。これはセゴビア編20番でもハーモニーの解決感と連動して説明を徹底的にしていました。

ところどころ、セゴビア編の美点、セゴビアの音楽家としてのアイデアの豊富さを指摘されていました。

余談ですが、渋谷〜横浜の移動中「最近の若い子はセゴビアの音楽性の高さやアイデアの素晴らしさが分からないんだよなあ〜」と仰っていました。

(※受講生のM君!…『セゴビアはわりかし、さらっと弾いていますよね!』とか言っては駄目です!!→きちっと古典を勉強した暁にはセゴビアのアイデアの素晴らしさが分かるようになりましょうね。)

古典に関しては、原典版とセゴビア編などの版の問題についても触れていました。基本は「作曲者の意図やその時代の音楽を忠実に再現すること」です。そして、それに自分の意図を盛り込む場合には細心の注意を払うこと(これはヴィラ=ロボスのレッスンの際も同じことを仰っていました)。原典版を使ったからOK…セゴビア編で弾いているからOK…どちらの態度も正しくはないということです。

藤井先生レッスン3

さて、その後受講曲はターレガ、ヴィラ=ロボスと続きます。ターレガ「アラビア風奇想曲」に関してはパソ・ドブレの音楽を例に出し、そのテンポの設定について説明されました。そして、譜面に書いてあることを忠実に守ることからスタートすることの大切さを説かれました。

このパソ・ドブレのリズム…藤井先生と私の師匠であるホセ・ルイス・ゴンサレス先生の出身地であるスペインのアルコイ市には「イスラム教徒とキリスト教徒の戦い」というお祭りがあります。そのときに演奏されるアラビア人側の音楽のイメージが沸いて来る…というお話もされました。

ターレガもバレンシア人ですので、はっきりとした「アラビアの行進曲」のイメージがあったのだと思います。その観点から見ると、「アラビア風奇想曲」のテンポのイメージが自然に沸いて来るものなのです。

(わかりやすい例としては、ターレガ編曲のデュオ「セレナータ・モリスカ」のテンポを考えてみると分かりやすいかもしれません)

ヴィラ=ロボス「ヴァルサ=ショーロ」でも、楽譜を正確に読むことによって、ヴィラ=ロボスの頭の中にあった音楽のイメージを掘り起こすという作業となりました。そして、具体的にそれを実現するために必要なテクニックを考えること…それを徹底的に伝授していました。

そのほか、ギターの弾弦位置についての言及は非常に(私個人としては)感慨深いです。藤井先生のホセ・ルイス・ゴンサレス氏への敬意が溢れる講義となりました。かといって、決して懐古主義ではないのです。現代のギタリストが忘れがちな『当たり前のこと』を明確に説明してくれていて、実に私個人として「すっきり」しました。

これもまた手前味噌ですが、前月の「ギター奏法の基礎の見直し」で私が説明した事項ともリンクします。私はさらっとそのことについて「ルール」として教えてしまいましたが…分かる人には痛いほど基本弾弦位置の重要性が理解できたことでしょう。これもまた藤井先生が音楽的なテクスチャーの中で、その重要性を説かれたので、非常に合点がいくわけです。

そのほか、呼吸法についての言及もユーモアたっぷりに指摘していました。

…まだまだ、一杯印象に残るアドバイスがありました。

12時30分終了予定のレッスンでしたが、1時過ぎまで延長…。

その後、渋谷並木橋の隠れ名店「有昌」でラーメン食べて、電車に乗り横浜で移動しました。


2月8日午後・井桁ギター教室主催「藤井眞吾先生公開レッスン」

なんとなく、藤井先生と私とで行動していると、微妙なスペインペースとなるようです。2時半スタート予定の井桁教室での公開レッスンですが、我々二人が着いたのは午後2時25分…。ちょぴっと遅れての公開レッスンスタートです。

ここでも4名が受講。こちらも非常に有意義なレッスンとなりました。ソルのOp44の教育作品のしての価値の高さ、音楽性の高さにも言及されていました(このコメントはその翌日の私へのレッスンへの布石となっていて非常に有意義でした)。

実は私が青葉台で教えているIさんのレッスンもあったのですが、これは今までみた公開レッスンのなかでも、抜群に『面白い』レッスンでした。『面白い』のですが、藤井先生のアドバイスによって何故か音楽はしっかりとしてくるわけです。もともと弾ける才能はあるわけでして…それを如何にしてひきだしていくか…上手なレッスンだなあ、と思いました。

レッスンは午後5時40分ごろに終了。

そして、午後6時20分〜藤井先生の独奏タイムです!

ソルのOp.44の重要性を説かれました。「粛々と弾いていきます」ということで、全曲通して演奏。オーストリア生まれの19世紀ギターオリジナル、ブッフェルで演奏。素晴らしい演奏でした!!

私としては9日に藤井先生にOp.44を受講する予定で、ひととおり研究はしていました。その研究の確認作業でもあり、「?」という部分も確認できました。翌日の勉強のための方向を定める上で非常に役立ちました。

(ところどころ、息を呑むような美しさがありました。その美しさを引き出す方法や理論を翌日のレッスンでは徹底的に教えていただきました。)

その後、井桁典子先生とのデュオ。藤井先生がアレンジしたばかりのデュオ曲集「はじまりの音楽」。これも素晴らしい演奏でした。藤井先生の素晴らしい伴奏演奏(つまり作曲が素晴らしいということですね)と井桁先生の美音…ああ、ギターっていいなあ、と思いました。

そして、7時30分過ぎから「打ち上げ」です!

プロギタリスト、作曲家多数参加のにぎやかな宴会でした。藤井先生ともいろいろなお話ができました。ちょこっとソルのOp.44についてもアドバイスを頂きました。そのほか、普段教える上での悩み相談(?)とでもいうべき雑談も有益でした。

で、打ち上げは夜更けまで…。


2月9日「藤井眞吾先生のレッスン」

私と、プロギタリストのI君、そしてプロギタリストの卵…3名受講です。みなで聴きあいながらのセミ公開レッスンです。特別に聴講は募集しておりません。いわばマスタークラスですね。受講生=聴講生。そして井桁教室をお借りして行ないましたので、井桁典子先生が唯一の聴講生(?)…でした。

私以外の受講生の受講曲は、魔笛の主題による変奏曲、ヴィラ=ロボス作品数曲。いずれも素晴らしいレッスンでした。

ヴィラ=ロボス作品を楽譜の正確な読み取りから音楽像を汲み取っていく姿勢には感動すら覚えました。

さて、私のレッスンはソルのOp.44です。

前日の打ち上げ時に楽譜をちょこっと見ながら、いくつかアドバイスはもらっていました。

とにかく一番から見ていこうか…ということで、ソルがこの曲集を書いた目的などをチェックしながら、実に丁寧なレッスンをしていただきました。

ざっくりと24番まで、ポイントを押さえながら見て行きました。実際に演奏を見てもらったのは、15曲でしたが、全体像と「ソルの意図」そして「古典解釈の原則」などが実に明解に分かりました。

他の受講生も興味津々に聴講…実に楽しく、勉強になるレッスンでした。

この曲集は藤井先生曰く「後世のギタリストにソルが残した宿題」だそうです。

運指を「意図的に」付さなかった部分などは、きちんと解釈上の上から考えてみること…ということなども指摘されていました。楽譜の校訂に関するコメントも、実に興味深く、やはり楽譜は「あるがままに」きちんと読み取らなくてはいけないのだなあ、と思ったわけです。

やはり藤井先生は作曲家としても素晴らしい作品を書いていますので、モチーフの発展の仕方に関して、とても深い読みをなさいます。そこに、やはりソルという作曲家の才能を感じることもできました。

今後、この経験は自分自身の生徒とのレッスンにも活かしていきたいと思っています。Op.44の教育的価値はすこぶる高いと感じました。


軽くまとめておきます。

なんだかんだで、8日〜9日まで、ひさびさにアクティブに勉強したなあ、という感じです。

そして、やはり藤井先生の公開レッスンを通じて、共通の師匠であるホセ・ルイス・ゴンサレス先生の「音楽的な正しさ」も再確認しました。

やはり「正しく音楽」しなくちゃいけませんね。きちんと。

そういうのを再認識させてくれた「充実した2日間」でした。

 

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