1月に行なった「ギター奏法の基礎の見直し」講座に参加した方の中に様々な変化が起こっています。みな、基本の理論をもとに、各自の奏法を研究してくれるようになっています。

とてもいいことです。

レッスン時においても、前回の講義で分かりにくかった部分を個人的にフォローして欲しい、という要望もでてきております。

なので、簡単にまとめておきます。

音というのは「振動」です。そして、その「振動」をいかにして起こすか、そして「振動」をいかに「楽音」としていくか…このあたりを研究していくのが「奏法」ということになります。

つまり、どのような振動が「楽音」(音楽を奏でるための音色ですね)なのか?…逆にどのような振動が「雑音(ノイズ)」なのか?…以上2つを明確に区別することが奏法を考える上で最重要事項です。

消去法が簡単です。

まず「ノイズ」について考えましょう。基本的に「引っ張りあげる」のは「雑音」つまり「ノイズ」です。

以下の写真を参考に。

(写真1)

弦をひっぱりあげる

上はギターの3弦を上方向に引っ張っているところ。そして、1センチくらい上げたところで離します。…ばちーん。耳に痛い音ですね。これは「ノイズ」だと思います。

(そう思わない人は逆にいえば相当耳の「肥えている」人です。理由は下記。)

(まれに現代音楽とかで、このノイズを「楽音」と定義する場合もあります。それを「バルトーク・ピチカート」と呼びます)

基本的にクラシックギターの音色の範疇ではありません。この弦の振動(もしくは振動方向)を避けることが大切です。表面板に対して垂直方向の振動ですね。

ところで、表面板に対して垂直方向の振動であっても、「ノイズ」にならない場合もあります。

以下、写真を参考に。

(写真2)

弦を引っ張り下げる

5弦を表面板方向に押し下げているところです。そして離します。これは写真1の「ひっぱり上げる」ときと同じくらいの距離を引っ張っても、ノイズにはなりません。(お試しを!!)

そうなのですね。「音色」として使う垂直振動は、表面板に対して押し下げるタイプのものは「楽音」としてOKだということです。

もうひとつ、弦を表面板と平行に振動させるものもあります。これは「ノイズ」とはなりません。

一般的なアポヤンドのタッチはこの平行振動です。

もちろん、アポヤンドでなくても、この平行振動に近いものは実現できます。このあたりの議論は、アルアイレ中心主義者とアポヤンド中心主義者の議論の論点となっているようですが…

 

ある程度まとめておきます。

  1. 垂直振動
  2. 平行振動(一般的にはアポヤンド)
  3. 上記1と2のミックス(一般的にはアルアイレ)

そして、垂直振動と平行振動では「音色」が変化します。このあたりは楽器によって誤差があります。1と2で変化が欠しい楽器は音色のバリエーションに欠しいということです。

(括弧内)は便宜上のものです。

アルアイレでも振動方向を平行振動に近い形にできます。逆もしかりです。既存のアポヤンドのフォームでしか平行振動を実現できない奏者もいまだいますが、現代的な多くの奏者はアルアイレで極めて近い音色を実現できるものです。

このあたりの理論的裏づけがない「奏法理論」はからまわりすることが多いです。結局、「アポヤンドでしか出ない音色がある!」とか、「アポヤンドは不要だ!」という極端な方向に走ることが多いのです。

結局「音色」を決めるのは、弦の振動方向ですから、それが実現できればよいのです。
 

その音色のバリエーションを増やす方法(=弦の振動方法を変化させる方法)は、演奏家によって異なるわけです。それを「俺のやり方は正しい」「あっちのやり方は間違っている」といってもしょうがないわけです。

音色に関しては右手のアングルなども関連があります。これについてはまた機会があるときに書きますね。

 

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