教室会報第11号完成しました。

教室にて配布中です。

当教室の会報タイトルの下にある「今月の言葉」。

今月は、ヴァイオリン奏者であるジャック・ティボーです。

「聴衆というものは、寛容であって、多少演奏が乱れていても、この乱れが心の高まりと共存しているかぎり、大目に見てくれるものだ。」

名著『ヴァイオリンは語る』の中の一節です。

こんな本です。(私が持っているのは随分古いバージョンですね。昔古本屋で買ったもの…味わい深いでしょ?みなさんも古本屋さんとかで見かけたらジャケ買いしましょうね!)

ティボー「ヴァイオリンは語る」

 

 

 

 

 

 

 

さて、上記の言葉ですが…。

技術に関していった言葉です。

…別にティボーは技術はどうでもいいといっているわけではありません。聴衆のことを気にしたり、他人の評価を気にしすぎることがいけないと言っているのです。

自分が真剣に勉強している内容、そして、自分が信じている音楽…それに対して自信を持ちながら音楽の道を歩んでいくことを若き日のティボーは固く自分に誓ったのでしょう。

20世紀前半に活躍した音楽家たちの話は、私は大好きです。参考になるのです。

その描写が実に生き生きしていることがまず第一に理由として挙げられますが、なんといっても、みな信念がしっかりしている!!

とにかくはっきりものを言っています。

「これこれは間違っている」

「音楽はこういうものだ」

…とにかくはっきりと自分の意見を言っています。それはおそらく相手(本であれば読み手)に対して、ある種の希望を持っているからなのだと思います。

おそらく、はっきりとものを言う…ということ、自分の立場を明確にする…ということは、危険をはらんでいます。そんなことはないだろ!!という反論も出てくるでしょうから…。

でも反論が出てくることが予想されても、はっきりということがこの時代の人には「容易く」できたのです。それは、反論が出てきたとしても、そのような他者の意見を聞くという余裕があったからとも考えることが出来ますし、おそらく他者が自分のことを受け止めてくれるに違いない…若干の語弊はあったとしても、自分の真意を分かってくれる人は分かってくれるであろう…という希望を捨てなかったからなのだと思います。

とにかくちょっと前の大音楽家達は、自分以外の人たちへ媚を売るわけではなく、かすかな望みを皆持っているような気がします。だから、ちょこっと「危険な意見」や「反論が予想される意見」を述べたりしているんですね。

ティボーの伝記、お勧めです。

もちろん現在でも入手可能。

ヴァイオリンは語る
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