ひさびさに本のご紹介。

究極の身体
究極の身体
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以前から気になっていた本なのですが、2ヶ月前ほどに購入。ちょこちょこ読み進めました。

実は手の関節のことで気になっていたことがあって、その疑問がすっきりと解決!


やはりCMC関節は動かせる・・・というよりも、動かさなければならないのだ!ということがはっきりとわかりました。

指は先端部から、DIP関節 PIP関節 MCP関節と解剖学上呼びます。

ここまではみな「指」であると認識しています。しかし実際は指の関節は手の平の手首近くにあるもうひとつの関節=CMCから始まっています。

このことは私が2ヶ月に1回行っている「ギターの基礎技術講座」に出席している方であれば、誰でもわかるはずです。

実はこのCMC関節の可動について、「腕との連携」に関した講義を今年の春に「湯布院ギターアカデミー」にて行いました。これはあくまでも「試論」の段階であったのですが、受講生のみなさん(特に講習会主催者の池田慎司さん)全員、なんとなく体感してくれたようです。

この裏づけとギターテクニックとの関連が私にとって、研究課題であったわけです。(今でも研究中です)

さて、上掲の本の「手」という項目のところに、筆者高岡氏が132ページで以下のように「はっきりと」述べているのです。

「究極の身体」になると、掌(甲)の中手骨自体が、普通の人の指のように独立して自由かつ広範囲に動くのです。

つまり、これはCMC関節が可動する・・・コントロールできるということを述べているのです。


実は上記の講習会に(幸いにも)外科のお医者さんが2名いらして、実は意見が二つに割れました。このCMC関節は極限られた指でしか可動しない・・・まったく動かない指もある・・・と。

後日レントゲン写真まで送ってくださり、その「動かない証拠」を見てはいたのですが・・・。なんか違うなあ・・・と。

なぜなら、私個人の感覚としては、すべての指のCMC関節が「動いている!」という実感があるのです。この関節を集中して意識し始めて約5年ほど経ちますが、じょじょにですが、コントロールできるようになっているという実感がはっきりとあります。

(※私がスペイン留学中にアレクサンダーテクニークのレッスンを受けているときも、このCMC関節は“意識すればコントロールできる”と教わりました。すでに10年以上前にヒントは得ていたのですが、再研究していくうちにここ数年意識してCMC関節を動かすためのトレーニングを続けてきました。)

つまり上記の「CMC関節は動かない!」という例となっている人は高岡氏曰く「普通の人」の指。しかし、有る程度研究を重ねて動くようになる・・・つまり「究極の身体」の人の指は動く・・・ということになるのでしょう。


そして、この中手骨の動きがはっきりと意識されてくると、手首の近くにある手根骨を通じて腕との連携が取れてくる・・・ということも高岡氏は述べています。(133ページ以降)

優れた職人のことを「腕がいい」というのは指先から腕全体まで連携して動いているので、細かい作業や効率のよい力の使い方をしているからで、逆に手首から先だけで作業していることを「小手先芸」と呼ぶ・・・という記述もありました。

すばらしい「着想」ですね。おそらく日本人は無意識のうちに「腕がいい」という言葉を優れた職人さん、きちんとした芸のある職人さんに使ってきたのでしょうね。


どちらにしても、いままで「私が気づいてきたこと」をはっきりと断言してくれていて、非常にすっきりとしました!


そのほか、「甲腕一致」の部分など、まだまだ研究してみたい身体の機能についてわかりやすく述べており、もうちょっと研究してみたい分野です。四足動物と人間の発達による違いも実に面白かった。

あとはクラシックギターの既存の奏法とのリンクが理論的に整合性が取れればと思っています。


何度もいうようですが、楽器演奏の巨匠と呼ばれる人すべて意識的にしろ、無意識にしろ、このような身体との連携をはかってきたのだと思います。クラシックギターでいえば、タレガだって、セゴビアだって、イエペスだって、カルレバーロだって・・・おそらく。

その「裏づけ」がちょっととれたような、そんな本でした!

ギターに限らず、身体について詳しくなりたい人は是非一読をお勧めします!

私ももうちょい研究します。し続けます。




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