先週17日にワークショップを行いました。
内容は、身体と奏法の関連についてです。
レジュメ(PDF)をアップしましたので、ご参考に→レジュメPDF

毎月、日曜ワークショップというものをやっています。もうかれこれ3年以上続けています。隔月で私が講義を担当しています。私が講義を担当するものは、奏法の講座であったり、奏法と身体技法との関連についてワークショップをしたり。いままでたくさんの方に参加していただいています。その一部はYouTubeなどでビデオを公開しています。


私が講義する際に考えていることは、2時間ちょっとの講義をみなさんの2時間分の練習時間よりも有意義なものにすることです。意味のあるものにしたいといつも思っています。私の講義に出て、何も持ち帰らないのだとしたら、受講生の方は2時間、自体で自分なりの練習をしたほうが意味があるでしょうから…そのくらい一般の方にとって(そしてプロの方にとっても)2時間という時間は貴重です。


ですが、参加してくれている方の中には「一生分の課題をもらった!」と言っていただける方もいます。そして、「今まで、練習時間を無駄に過ごして来たような気がします」ということを仰る方も…。だからこそ、毎回講義のときには、「よし!参加してくれた方に、しっかりと2時間分以上の経験を持ち帰ってもらおう!」と思います。


ほとんどの方は身体と奏法を統合的に考えていないようです。どちらか一方からのアプローチに偏っているのです。奏法理論そのもの…これについては皆さんある程度の知識はあるようです。いろいろな講座がありますし、教本や先生そのものから、学ぶことは可能です。そして、身体だけの知識…これも最近はみなさんの意識が高まっているようですね。アレクサンダーテクニークや操体法などの知識などへの関心の高まりが感じられます。

ただし、残念なことに、様々な奏法理論と身体理論がリンクしていないのが現状です。それを結びつけようと私はずっと奏法の講座をやっています。そして、研究し続けています。


普段のレッスンにおいても、常に私が今まで得てきた既存の奏法理論が一般の方の身体感覚に合致するのかを常に試しています。私自身の練習においても常にそれを意識しています。理論というからには、それが「言語化」できて「普遍性」を持っているものでなければなりません。だから、講義では普遍性のある「誰にでも通用する」理論から奏法を考えてもらうようにしています。

その際に、歴史的な巨匠から学ぶことを忘れてはいけません。教本として残されている「巨匠達の考え」をしっかりと踏まえながら、巨匠達の「わざ」の真髄を探って行けば、それが正しい身体感覚に存することが分かると思います。「私ひとり」に成立する理論では奥行きがないのです。


そのために古くはバロックギターの名手であったサンスの教本…古典期のソルやアグアドの教本…タレガの奏法とその後継者であるプジョールやリョベートなどの考え方…セゴビア奏法やレヒーノ・サインス・デ・ラ・マーサの教授法…カルレバーロやその後継者達のメソッド…そしてスコット・テナントの教本…もっとありますが、全ての流派を研究しつづけることによって、巨匠達に共通する身体感覚が浮かび上がってきます。そうして導かれたものは理論が普遍的なものです。そして、その感覚は一般の人でも追体験することができます。大切なのはその感覚に「気づく」ことであり、それを洗練させていくことです。


理論…というと、難解なものじゃないか?…自分には理解できないのじゃないか?…と怖がる方もいるかもしれません。ですが、参加した方から頂いたメールなどを見ると、「普段いかに自分が身体への感覚に鈍感なのか分かりました」とか「自然に普段と同じような身体の動きを使ってギターを弾けばよいのですね!」という感想が多いのです。


なので、私の講義は誰にでも理解できると思います。頭を柔らかくして、身体への感覚に従っていけば、過去から現在までの巨匠達が用いていた「テクニック」の真髄が理解できます。そして、それが正しい奏法への理解と確立へと繋がってくるのです。


私と受講生の方で「本当に正しい奏法理論」を作って行く作業…それが私がワークショップで行っている「奏法講座」であると思っています。


次回の日曜ワークショップでの私の奏法講座は10月20日渋谷リフレッシュ氷川にて、午前9時30分〜正午まで行います。お時間の都合が合えば是非たくさんの方と「知識と経験を共有」したいと思っています。 興味の有る方は予定をあけておいてくださいね!