ギターや音楽を学習している人、そして教えている人にはたくさんの経験や知識があります。

そのために読書はとても役に立ちます。学習者は楽器上達のために、そして教えている人は生徒さんを正しく導くためにも読書によって、心理学や科学などの分野から自身の経験や知識をまとめていく作業は大切だと思います。

自分自身が感じて来た感覚や自分が得て来た知識は普遍化されていません。簡単にいうと、一般的になっていないということです。誰にでも分かりやすく説明ができれば、今後の自分の学習に役立てることができますし、教える現場において、学習上の悩みを抱えている生徒さんを正しい方向に導くことができるでしょう。


表現編

音楽でどのように「伝えたい事を伝えて行くか」はとても難しい問題です。「伝え方が9割」という本はとてもお勧めです。特に第3章はヨーロッパの教養人にとって必須科目であった修辞学との関連で考えるととても参考になります。…というよりは現代人にとっても「つたえたいことを明確に伝える」ということは大切な教養になります。逆にいえば、こういう本があるくらいですから、いくら理論的に明確であっても、「わかりやすく伝える」ことは然るべき方法論が必要ということです。このことが理解できるだけでも、この著作は読んで価値のあるものです。
一見、ビジネス本のようですが、これを音楽表現と結びつけて読んでみるといろいろなヒントが得られますよ!

伝え方が9割
佐々木 圭一
ダイヤモンド社
2013-03-01

 


勉強法

「勉強法の科学」。この本はとても大切なことが書いてあります。私が序文のところで書きましたが、理論を普遍化(一般化)する方法についても丁寧に書いてあります。もともと高校生向けに書かれた本を編み直ししたものなので、怖がらずに読んでくださいね。


 


音楽とは何か?

人間そのものに「音楽の起原」があるのではないか?…という仮定をもとに書かれた本。非常に説得直があります。符点についてのグルーピングについてもたくさんのヒントが得られます。今までいろいろな本や学者の方が音楽の起原について諸説述べていますが、それらのことがことごとく覆されて行きます。人間の動作や仕草、そして言語がどのように音楽と結びついているのか…このことを考えなければ、音楽の魔力は解明できないでしょう。その意味で非常に参考になるヒントが詰め込まれている本です。



 


技術とは?

かたの本。最近はメソッド的な論理体系に根ざした教授法が多くあります。とはいってもある巨匠から何かを学ぶとき、その身体動作をどのように学んで行くか…ということに関してはやはり「真似ぶ=学ぶ」という図式が一番しっくりと来ます。正しいアクションを真似すること…それを完全に学んでから自己流に解釈し…結果としてやはり師匠の「かた(型=形)」の本質を理解する…この過程が伝統芸能の世界では尊ばれてきました。ギターにおける教授法も1950年代までは比較的これに近いものがありましたが、1970年代以降、奏法理論は「一般化」されていきます。ただし、現在はそれに対する反動…もあるのでしょうね、また再び伝統的な教授法に戻って行っているような気がします。世の中にはいろいろな教えかたがありますが、それを考える意味で多くの示唆を与えてくれる本であると思いますし、現代を生きる若いギタリストの方(教えている方)に是非読んでいただきたい本です。


 

とりあえず、8月に読んだ本で、上記の本を思いつきました。他にもたくさんあるのですが、音楽や教授法などたくさんの示唆を与えてくれますし、なによりも自分が今まで学んで来た事を整理することができた著作を並べてみました。

ご参考になれば…と思います。最近、ギターを学習している方や既に教えている方からたくさんの悩み相談メール(?)を頂きますが、その悩みの大半は「整理不足」によるところが大きいです。
メールを頂いた方にしかるべき本を紹介しておしまい!…というだけでも、「なにか掴めた気がします!」というお返事を頂く事があります。結局、悩んでいても答えはあなた自身の「経験と知識」の中にあることがほとんどです。

勉強のための読書はそういう意味でとても大切です。



 


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