生き生きとした旋律…生命力のあるリズム…それでいてエレガント…

いい音楽ってなんだろうなあと考えたときに思い浮かぶイメージです。私が演奏家として、そして教授活動をしていて大切にしていることでもあります。

来週、重奏の発表会があるので、最近生徒さん同士のギター重奏をレッスンする機会が多いのですが、旋律パートがつまらない…もうすこしアーティキュレーション、フレージング、ダイナミクス、リズム、拍節感(注文が多いかな?)を大切にしてほしいと思う事が多いのです。

旋律だけを弾かせたときに「表現力が弱い」のです。いくつかのヒントを生徒さんにあげるとやっと「歌」になってきます。

かくいう私も、一時期、「ギタリストの歌心のなさ」に演奏家として悩んだ時期がありました。クラシックギターというのは、メロディーも和音も同時に弾けてしまいます。独奏楽器なのです。なので、なんとなく楽譜に書いてある音がでてしまうとそれでおしまい…というふうになりがちです。メロディーだけをしっかりと歌わせよう…という意識が希薄になってしまうのです。

これはクラシックギタリストの弱点ともいえます。

旋律楽器であれば、アーティキュレーションやダイナミクス、フレージングが明確にできていないと存在意義を失ってしまいます。いつも旋律楽器の方と共演するとやはり明確に意図がある表現になっていることがほとんどです。ギタリストの方!…見習ってください!!!…と言いたくなります。

さて、話は自分のことに戻ります。さきほど「ギタリストの歌心のなさ」に悩んだと書きましたが、そのとき「ならば旋律楽器に学べばいいのだ!」と考えました。

なので、フルートやヴァイオリンの巨匠たちの演奏を沢山聴き、これらの楽器の演奏法の本などを入手できるかぎり読みました。なかでも、ハンス・ペーター・シュミッツさんの書いた著作からたくさんのアイデアを貰うことができましたし、それまでの自分の西洋音楽の解釈法の整理にもなりました。是非クラシックギタリストの方(あと生徒さんたち)にお勧めしたい本なのです。

最近、リズムや拍節に関する講義をしたので、まだ再読しましたが、やはりよくまとめられている本であると思います。この本が一番基本になるものだと思います。「演奏の原理」です。ほとんど譜例はありません。演奏法の基本となる音の運動、強弱、長短、高低について言葉でイメージを伝えています。

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現在は入手が難しい本かもしれません(絶版?)が、一度はみなさんに読んでおいてもらいたい本です。

もっと具体的に「旋律研究」をしてみたい方には以下の本がお勧めです。
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「フルート奏者への実践的アドバイス」です。譜例も多く、時代毎の表現の違いなども述べられており具体的です。もちろんタイトル通りにフルートに特化したことも書いてはありますが、アーティキュレーションやフレージング、拍の意識、アクセントの置き方…いずれも全ての音楽に共通した要素がほとんどです。私もこの本を読みながら、ギターで全部弾いてみました。

最後のほうに指揮者フルトヴェングラーについても書いています。シュミッツさんはフルトヴェングラーがベルリンフィルを振っていた時期のフルート奏者だったので、この大指揮者からたくさんのことを学んだとのことです。





もう一冊、紹介しておきます。このハンス・ペーター・シュミッツ氏の考え方を踏襲し、まとめた本があります。フルート奏者吉田雅夫さんの本です。

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ハンス・ペーター・シュミッツ氏の演奏法をしっかりと簡潔にまとめている…そういう内容です。「演奏の原理」を読んでから、吉田氏のこの著作を読むと、理解が深くなると思います。

以上、フルート奏者であるハンス・ペーター・シュミッツ関連の本を紹介しました。クラシックギターの巨匠アンドレス・セゴビアは弟子たちに「ギター以外の音楽をたくさん聴きなさい」と言ったそうです(同じ事を昨年マリア・エステル・グスマンも言っていました)。

クラシックギタリストが軽視しがちな要素…旋律をしっかりと歌わせること…これを見直すためには優れた旋律奏者から学ぶのが一番です。



 


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