よくギターを始めたばかりの生徒さんに「自分も基礎練習をしたほうがいいのでしょうか?」という質問を受けます。

いつも生徒さんには「基礎の大切さは、ある程度いろいろな曲をやらないとわからないですよ〜」と言っています。レッスンの最初のほうでやるもの=基礎ではないのです。

おそらく、前述の質問をしてくる生徒さんは「基礎=元になるもの」と考えているのでしょう。

基礎っていうのは…例えば建築物の土台になるものがイメージできますね。地面を掘って、地盤を安定させて、そこに建物を作っていく…というイメージが多くの人の中にあるのでしょうね。
「基礎」という語感の中に、まさにそのイメージがあります。私は基礎というよりは「かた(型)」と言ったほうが定義としてはいいのかなあ?…とは思います。とはいっても、ちょっと世阿弥っぽくて堅苦しいですし、抽象的。一般のかたにはなかなか理解しずらいでしょう。

なので、しょうがないので「基礎」と言ってしまうしかない。でも、私が伝えたい内容はちょっとみなさんが考えているニュアンスとは違うのです。


基礎練習についてのこちらのブログに以下のように書きました。

毎日基礎練習をやっていると、その時々の音楽的欲求に応じて、基礎練習に意義を感じてくるものなのです。 

シンプルな基礎練習(型)の中に、初心者〜上級者まで音楽演奏のための要素を見出してほしいなと思います。それは各自が「やりたい音楽」がないとなかなか見つかりません。だから、「音楽的欲求」に応じて、基礎は変幻自在に意味を変えてきます。

ギターの奏法にはいろいろなコツがあります。「こういうことを守れば、こういうことができる」という奏者の意思があれば、実は基礎練習なんてまったく必要ないのです。

では、基礎練習はなんで必要なのか?

それは噺家さんのネタのようなものです。ネタの語源は「種(タネ)」と聞いた事があります。ネタをどのように膨らませていくか?…どのように深みをもたせていくかは噺家さん次第。

でも、ネタがないとなかなか面白い芸、奥深い話芸はできないのですよね。だから、ギタリストにとって基礎練習は、ネタみたいなものなのです。美しい音楽をやるためにどのようなことを守ればいいのか?…それを毎日認識するためのリマインダーであるという面もありますが、そのときの奏者のレベルに応じて、変幻自在に変化するものでもあります。

基礎練習についてはシンプルに7つの項目に分けて、夏の講習会やワークショップでも紹介しましたが(こちらの記事参照)、これは私が長年の演奏活動や教授活動から、これが練習のネタ(=種)だなあと思ったものをまとめたものになっています。

技術上弾けないもののヒントはこの「7つの基礎練習」に全て含まれています。そして、音楽表現面での要求が高まっていけば、各自がオリジナルの基礎練習に膨らませていく余地があるシンプルな練習となっているのです。

最近はワンレッスンなどで、この基礎練習から学んだものをベースに、いかに技術上の課題を克服していくかというテーマでレッスンを行うことが多いのです。そして、技術上の問題がクリアされれば、それをいかに音楽表現に結びつけていくか?ということに視点が移行します。

その際も基礎練習は「余地」のあるものでなければなりません。私のワンレッスンを受けた人にはもちろんそれがわかるのでしょうし、通常の方のレッスンでも常に「基礎」の大切さを強調しています。

「基礎練習=何か決まったことをやる」と考えたり、基礎練習=反復練習と考えると、大きく間違うことになります。基礎というものは「かた(型)」であって、それは初心者〜上級者まで全ての人にとって意味のあるものでなければなりません。

基礎練習=変幻自在なもの…と考える事で、練習の質もよくなります。



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