ちょっと遅いレポートになりましたが、2015年11月8日(日)に行われた「富川勝智ギターマスタークラス」について、まとめておきます。
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主催の千葉ソロギターサークルさんのブログにマスタークラスの様子が詳しくレポートされております。
「富川勝智マスタークラス」のブログ記事 

そのなかに、受講生でもあった上原さん(アマチュアのコンクールの数々に上位入賞を果たしているトップアマチュアギタリストのひとりです!)が以下のように書いてくれました。

私はこれまで色々な方のレッスンを受けていますが、今回の富川先生のレッスンは、これまでに経験した事のない視点からアドバイスをやヒントを得られ、いつにもましてとても有意義なものとなりました。 
目からウロコと言いますか、曲の表現や解釈に対する視界が一気に広がった感じがしました。説明も分かりやすく明快で、素晴らしい指導者だと思います。 
レッスンが進むにつれて、数年前からのレパートリーで、弾き古されて煮詰まった感のあった前奏強第4番が、まるで別の曲のように新しく生き生きと生まれ変わるような体験を味わいました。音楽の奥深さや多様性、表現の無限の可能性を垣間見たような感覚でした。 

このように書いてくれるのはとても嬉しいことです。最初に演奏を聴いたときに、「あ、この人もしかしたら自分の演奏に飽きちゃっているのかも?」と感じました。なので、音楽の表現を考える上での基本を教えました。

同じ曲を何回も弾いていると飽きてくることがあります。ここで秘伝を伝授しておきます。とても簡単です。

「変化」をつくることです。

…そんなこと知ってるよ!というかもしれませんが、実はこれをしっかりと理解している人はきわめて少ないです。

こちらのブログでも「音楽表現を考えるためのヒント」というテーマで記事投稿したことがあります。そのまとめです。まずはお読みください。
(めんどうくさい!という方は以下を読んでくださいね!)

変化を感じさせるためには、期待と裏切りを曲のなかにつくらねばなりません。

同じフレーズが二回続けば、三回目にも「同じものがくるのかな?」と聞き手は予想します。なので作曲家は三回目に「違うもの=変化」をもってくることが多いのです。

期待をもたせながら、裏切りを作る。これが音楽の「変化」を作るうえで一番大切なことです。裏切りばかりでは、ドキドキするばかりで、落ち着きません。なので期待と安定を作りながら、たまに裏切る…音楽表現はこれの繰り返しなのです。

千葉のマスタークラスでは、拍節感や様式感についても簡単にレッスンのなかで述べました。これもなかなかしっかりと説明できる人はいないようで、みなさん真剣に聞いてくれました。これがわかると演奏をしていくなかで、「あ、ここは少し拍節感を多めにだして弾いてみよう!」とか考えられるようになってきます。

実はこれが演奏の「自由度」をひきだします。

私の通常のレッスンでも表現伝授については以下のことを忘れないようにしています。
1:音楽表現のルールを教える
2:自分(教える側)の表現(結果)を押し付けない
3:初心者やアマチュアの方の場合は、こういう例もあるよ!という具合にお手本を示す

以上3点です。クラシックギターのレッスンにおいて、「ここはクレッシェンドね!」とか「ここはすこしたっぷり弾いてね!」というふうに結果を教えてしまう先生がほとんどかもしれません。だって、面倒ですからね・・・音楽表現のルールから教えるのって。それに、初心者の場合やアマチュアの方の場合は、「とりあえずこの曲を"らしく”したい!」という場合が多い。モチベーションを高めてもらうためにも、3の方針で表現を伝えることもあります。

とはいっても、最終的には1か2という方向でいきたいものです。生徒さんに「自由」を与えたい。自分で表現をみつけていくことをしてほしい。音楽表現のルールを知った上で、自分の「好み」に気づいてほしいのです。

いままでもたくさんコンクールの審査などをしてきましたが、「あ、この人、先生の言う通りになぞっているな…」という演奏に出会うときになります。そのまま模写してしまっているのですね。音楽に生命力がない。奏者の自発性がない。もちろん完成品としては「完璧な模写」ですから、否定できません。ちゃんと審査の点はつけます。

とはいっても、若い奏者の場合は、「この先、先生から離れてひとりで勉強していくときにどうするんだろう?」と他人事ながら不安になります。

今回の千葉でのマスタークラスは上記1と2を重視して、進めました。なので、簡単な音楽表現のレジュメも配布しました。

レジュメをみて、「あ、富川先生はこの部分のことを中心にレッスンしていたんだな!」と受講生の方、気づいてくれたかしら?…気づいてくれたなら嬉しいのだけど。

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(↑今回の受講生の方との記念撮影!)

いろいろなことを生徒さんから学ばせてもらった千葉でのマスタークラスでした。主催の「千葉ソロギターサークル」及び、代表の上原さん、ほんとうにお世話になりました!

さてさて…実はこのあとの「打ち上げ」も受講生+聴講生で大盛り上がり!…次回はこのような講座をやってほしいとか色々とアイデアももらいました!

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しっかりと勉強して、打ち上げでもがっちりと音楽談義!…打ち上げが楽しくないはずがない!



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普段のレッスンでも、マスタークラスでも、西洋音楽表現のルールに則った教え方をしております。興味ある方はいつでもレッスンお問い合わせください。ワンレッスンなど受け付けております。また東京以外でのマスタークラス開催などのお問い合わせなどもお気軽に!下記メールまで。
tomikawaguitar@gmail.com
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