1:どの曲も最初にテンポをしっかりと設定してから、スタートすること。なれてくると調弦する「ふり」をしながら、テンポ設定作業をすることができる。

2:何曲かまとめて弾く場合。組み合わせによってテンポ設定しやすい場合とそうでない場合がある。 メドレー的に弾く場合は、相互の調性をしっかりと考えることもそうであるが、リズムの整合性などを考えるべし。

3:スラー。しっかりと音を出そうとすると、「はやくなる」傾向がある。それを癖にしないこと。「任意のタイミング」でコントロールするべし。

4:カーノ、ワルツ・アンダンティーノ。メロディーはアポヤンドで弾きたいなあ、と思うのであれば、低音とのバランスを整えること。

5:各調におけるポジション重視による音階と、和音のフォーム。それを最初はしっかりとわけて学ぶ。その後に両者を歩みよらせていく。それがクラシックグリップのフォーム作りでは一番重要。

6:アルベニスは実にメロディーのセンスがない作曲といえる。独創的なフレーズはなく、基本の「軸」に尾ひれはひれがつくだけのことが多い。その「おひれはひれ」をどのように感じ取っていくか…それが良い演奏かいなかの分かれ目となる。

7:同じジャンルの音楽をたくさん聴くことと、それに執着して「同じジャンルの音楽しか聴けなくなること」はまるで別物。できれば前者でいたい。

8: いろいろな音楽に無理に触れる必要はないが、そういう心構えと行動をとることだ。自分の中の縛られた価値観で暮らすのは楽である。ただし、音楽は「刺激」である。脳みそをぴりぴりと動かす音楽=本当の音楽である。

9:初心者のうちから、左手の指先は指板上を向いているように厳しくやっておかないと、あとで修正が厳しい。「指がはねあがる」がデフォルトになってしまっている人が、指板上に指先を向けようとした瞬間に「押弦してしまう」ことが多々ある。「指を意識する=動かす」という間違ったスイッチがはいってしまうのだ。実はジストニアの原因もここにある。

10: ポジショニング。最初から1弦から6弦までで行うこと。その上で左指の「はこ」の形を意識して1弦上のポジション練習を行うこと。つまり、同時に6弦のポジション練習もおこなうべし。

11:ちゃんとした譜読みができていない「現代曲」演奏はとても危険。ひたすらに作曲家がつけた細かいニュアンスを読み取っていくこと。

12:メロディーをきちんと歌わせる。それから低音をつけてみる。そして和声を分析してみる。いつも、その裏にメトリークを感じること。拍節感はいつでも存在する。一瞬裏方にまわろうとも、絶対に存在する。

13:メロディーのモチーフを常に探しつづけること。モチーフを探したあとはそれがどのように作品全体に「ちりばめられているのか」を考える。そのままの形かもしれないし、すこし変形していたり、別の要素が付け加えられているかもしれない。シェーンベルクの「作曲の基礎技法」は必読である。