レッスンの時に最近気づいたことを書いておきます。

これは教え始めたばかりの後輩ギタリストくんたちにも役立つはず。また、レッスンを受けている方が表現や技術を考えていく際にも役立つかな?

反対語を考えます。対義語とも言いますね。国語辞書的な意味でなくてもいいんです。天下一品というラーメン屋さんがありますが、「こってり味」と「さっぱり味」という程度の反対具合で良いです。

なのでこれを天下一品理論と呼んでいます。

こってり⇆あっさり
開いている⇆閉じている
ポジティブ⇆ネガティブ
ざっくりとしている⇆細部までこだわっている
犬っぽい⇆猫っぽい
誠実である⇆気まぐれである
etc

もうなんでも良いんです。以下に例をあげておきます。

教える場合でも、自分で演奏したものを評価する場合、こんな感じで考えるようにします。
「丁寧には弾けているけど、もう少し大胆さがあってもいいかな?」
「すごい進行感があってグイグイ前に進んでいく感じだけど、もう少し印象付けたい音に留まる感じがあってもいいかも」
「音色が単色なイメージがあるな。もう少し明暗のある音色を使ってみよう!」
「フレーズごとに切れすぎていて、バラバラな感じに聞こえるな。フレーズの切れ目をわかりずらいようにぼやかしてみようかな?」

以上のように、反対語を考えておくと、現状把握が上手く行きます。また、良い点も裏返せば悪い点になり、その逆もあるということです。例えば「丁寧=せせこましい」「大胆=雑」とも言えます。
「雑に弾いているから、もっと丁寧に!」
「せせこましくてみみっちい印象があるから、もっと大胆に表現をつけてみたら?」と生徒さんに言ったら、気分わるーとなります。なので、弱点を指摘するときはプラスのイメージの言葉を使った方が良いですなー。

反対語をイメージしてから、レッスン時のアドバイスや自分へのアドバイスをすることで見えてくるものがたくさんあります。

通常教える時って以下のような感じになってしまいます。
「もう少し、ここの部分丁寧に弾いた方が良いよ」
「そこはもっと明るい音色使ってね」
「そこヴィブラートかけてみて」

一義的になってしまう。そして、バランス感覚が希薄になってしまう。世の中と一緒。全てが善悪で決まるものではないんです。

自分で表現を作っていくときや練習をするときに、この反対語を考える癖をつけると可能性が広がりますよ!