ギターレッスンと演奏の日記 from 富川ギター教室

クラシックギターの「伝道師」富川勝智のギター教室でのレッスン活動と演奏活動の記録です。

ギター史

2019.8 新サイトOPEN!
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富川ギター教室(東京渋谷) https://tomikawaguitar.com
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※他に池袋現代ギター社でもレッスンしています

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九州のあれこれ(リョベートとタレガまでの道のり)

ゴールデンウィークは九州ツアー。
僕みたいな「ギター界の多角経営者」的な存在は演奏だけで呼ばれるっていうよりも、ギター史やらテクニック講座とかレッスンとかを絡ませてお呼ばれすることが多いのですよねー。

(一度でいいから、数カ所をひたすら演奏のみで回るっていう演奏旅行をして見たいw)

というわけで、今回も九州方面で演奏と「演奏付きレクチャー」的なイベントをやってきました。

まずは5/3小倉にて。池田慎司くんの教室スタジオongaku Goyaで。

リョベート編のギターアレンジを全曲やっとこさコンプリート。やはり池田慎司くんとあれこれリハをしていると面白いことが起こる。基本的にはしっくりと行かないところや勢いでやっているところを楽譜を見直してみると、なんとリョベート先生、、、しっかりとヒントをくれる。その辺りは本当に面白い。

ピアノやオケの楽譜にはない「リョベート先生の音楽的なヒント」があるんである。

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本番前二日前に小倉入りして丁寧にリハしました。もちろん東京公演の際も、かなり念入りにリハしました。朝起きて午前中しっかり通して、夕方にまた復習。で、夜は飲みにいくっていう 苦笑。まるで学生j時代のような勉強法。

小倉でも大体そんな感じでした。一回本番をやった後に気づくことも結構多いもんです。

演奏終わった後に池田くんともあれこれお話しします。もう長い付き合いですが、お互い未知の部分があるようで、割とたくさんお話しします。

僕も「池田慎司というギタリスト」の「未知の部分=天才性」に興味があるので、その辺りを質問したり、こっそり話の断片から想像してみたり。

池田くんのお父様(優れたマンドリン奏者です)が良く言う言葉は「意外に自分の近くにすごい人がいる」っていうことだそうです。中国の故事にそんな話がありましたね。実は家の隣に孔子が住んでましたーみたいなお話だったかな?

池田くんにとっては、僕や松下隆二さんがそうなんだそうです。池田くん曰く「そういうことに若手って気づかないまま大人になっちゃうんだろうなあー」とのこと。僕も池田くんも近くに割とすごい奏者が多くてよかったねーと。そして、優れた在野の音楽家と出会い、その縁をしっかりとキープしてこれたことも(僕らの)才能の1つなのだろうなあーと。

池田くんに言われた嬉しいのは、僕と演奏すると新しいアイデアとか刺激が貰えるんだそうです。

何が富川さんをそういう人間にしたんですかー?と問われたので、アンサンブルの時の秘訣として「決めうちしない」ということを話しました。

そう!僕のポリシーは「決めうち」しないことです。誰かとアンサンブルをする時、もちろん自分で新しい楽曲に取り組むときも常にフラットな態度でいたいと思っています。特にアンサンブルをやるときは楽譜を解釈しすぎると「決めうち」モードになってしまうものです。自分の思い込みというのかな?…それにがんじがらめになってしまいます。

僕は若い頃、先輩音楽家と共演するときはまるっと相手の音楽の流れに身を任せました。ああこうやりたいんだろうなあーとか、おおー!それはかっこいい!とか思いながら。なので、共演者としては重宝されました。ある意味言いなり 苦笑。

でも、そこからたくさんのものが学べたんです。そして、そういう態度でアンサンブルしていると楽譜からたくさんの情報が見つかります。その辺りを共演者の人とリハをしながら探していく作業が好きです。そして、それがアンサンブルの楽しみなんです。

こういう姿勢でいると、本番の最中にも「発見」があったりします。

「決めうちしない」…そうかー、これが僕のポリシーだったのかーと。池田くんとの会話で気づきました。

そういえばレッスンで生徒さんに教えるときも大切にしているのは生徒さんの演奏の「現状分析」。前もってこうだろうなあーとかこうしなきゃなーというのは避けます。この辺りの話はまたブログに書きますね。

さてさて、5/4は福岡での「演奏付きレクチャー」。

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こんな内容。

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こんな感じで行いました。僕が喋る。そして演奏を池田、松下両氏にしてもらう。

松下隆二さんのブログにこんな記事があります。よくまとまっております。



少しだけ引用します。

富川氏の話をうかがっていて 終始私が面白かったのはまさにそこであり 主観と客観の絶妙なバランス そしてそれらを可能な限りポップな形で提供しようという柔軟性と心遣いが強く印象に残った

確かに、そうなんでしょうねー。タレガはぽこっと天才として生まれてきたわけでないんだよーというのを僕なりに解釈してみたわけです。ま、これは僕の最新アルバム「あなたとわたし」のテーマでもあったわけですが。



↑というわけでまだ未聴の方はぜひ!

イベント終わりに松下隆二さんとあれこれ話をしました。雑談の中からたくさんのアイデアをもらいました。九州には池田慎司くんもそうですが、すごい人がいるもんだなあーと。

ということで、非常に充実した九州ツアーでした。また行きます。






バロック期とバロックギター〜ユベントスWS「ギター史と和声のワークショップ」第2回終了!

11/27にギター史と和声のワークショップ第2回を終了しました。今回も十数名の受講生の方が参加してくださいました。新規の方もいて、とても嬉しい。

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今回の会場は高輪区民センターでした。大きくて、綺麗な施設…でもなぜか節電モードでくらーい雰囲気。。。こういう公共施設の節電への「取り組み」…ほんとうに意味があるんでしょうかね???せっかくの文化施設なのに、くらーい気分になってしまいますね。。。

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さて、ワークショップでの「ギター史」のテーマは「バロック」でした。おもにバロックギターという楽器の語法や特色について知ってもらいながら、バロック音楽自体の特徴や当時の美観もしってもらおうと思って講義を進めました。

最終的にはサンスのカナリオスを例にして、クラシックギター編曲する際の注意点をお話ししました。市販の楽譜数種類を例にあげて、編曲者の意図とどうしてこのような声部わけになっているかを丁寧に解説。

またバロックギターの調弦法によるカンパネラ奏法を聴いてもらって、当時の「美観」に親しんでもらいました。現代よりもより「不協和」や「にごり」について美しさを感じていたのかもしれませんね…という感じで。 

定旋律の扱い方の変化などもルネッサンス〜バロックへの時代変化とリンクしてお話ししました。

実際に私のお弟子さんの宮島幸太郎くんにビウエラで、ミランの歌曲を歌ってもらうことによって、「定旋律」と「ディミニューション」について耳でイメージを受け取ってもらいました。受講生のみなさんも「ああ、こういう感じなのか!」と納得してくれたようです。

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…という感じで、すこーしずつ工夫しながら、ギター史がみなさんにすんなりと受け入れてもらえるように…講義しています。

坂場氏の和声もじっくりじっくり進んでいて、受講生の和声分析力もぐっとあがっています!(まだ出ていない方は3回目からでも出席してくださいね!)

さて、次回は1/15です。詳細は日本ギター連盟ホームページにて確認してください。場所は三田いきいきプラザです。
 



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ギター史〜ルネッサンスギターとビウエラ

さて、日曜日は(公社)日本ギター連盟ユベントスによる「ギター史と和声のワークショップ」でした。

今回はルネッサンスギター持って行きました!

これが「ギターの一番古い形」と言えます。そして、ウクレレの元ですね!
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ビウエラ音楽についてもしっかりと説明しました。ビエウラ音楽のなかにある「ルネッサンス音楽」の要素について丁寧に説明。そしてそれがバロック音楽の演奏美学と作曲美学にもつながってくることを説明しました。西洋音楽のベースメントの知識とも言えますね。

…わからない人…たくさんいるんですけどね。是非わかっておいてくださいねー。西洋音楽の美学と言えることは地道に勉強しないと簡単には理解できません。

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坂場くん担当の和声は前年度に引き続き「和声と楽式のアナリーゼ」を読むという形で進んでいくようです。
この教科書ですね。

和声と楽式のアナリーゼ
島岡 譲
音楽之友社
1964-09-15


良い教科書を丁寧に読んでいく…実はこの形式の勉強法はオールドスタイルですが、正攻法であると思います。ギター史は残念ながら、日本語で良い教科書がないので、僕がオリジナルで教材を作っていますが、和声はたくさんの良いテキストがありますからねー。

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という感じでワークショップはスタートしました!次回は11月です。まだ期日未確定ですので、ギター連盟のホームページでご確認ください!

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あと、ビウエラ伴奏歌曲、あけて今日9/28になりますが、日暮里のBar Portoのライブにてお聴きいただけます!お時間ある方は是非!普通のバーですので、ふらりとお寄りください。

Baroque music in Nippori

出演:藤沢エリカ(歌) 富川勝智(バロックギター&ビウエラ)

2016/9/28wed open19:00 20:00&21:15 2stage

MC 2000円+1drink order

場所:Bar Porto バー・ポルト (日暮里駅東口ロータリーから歩5分 東京都荒川区東日暮里5-40-8

予約:バー・ポルト 03-3891-6444 chokomoja@gmail.com(藤沢)

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ギター史と和声のワークショップ第二回終了。

9月6日(日)に、(公社)日本ギター連盟主催の「ギター史と和声のワークショップ」(詳細)が行なわれました。

毎回、和声とギター史の二本立てで行っております。前半は坂場圭介氏による和声学の講義。今回は形式について。
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ギターは私、富川が担当。内容はルネッサンス〜バロックまで。といっても広い!…キーワードをあげて、「演奏するときになーんとなく気に留めておいてね!」という感じに講義を進めました。 

ヘミオラ、対位法、旋法、通奏低音、アルファベート、カンパネラ、バロックギターの調弦法など…クラシックギターで当時の楽曲(ビウエラ曲やバロックギターのための曲)を弾く際に、知っておくべき事を中心に講義しました。 


具体的にはたまたまビウエラを勉強中の受講生がいましたので、彼に事前に頼んでおいて、対位法的な手法を使った楽曲を弾いてもらいながら、声部を他の受講生に聞き取ってもらいました。旋法的な曲も弾いてもらいました。

上記のキーワードについて、まずは「こういう感じなんだな」と実際に音で感じてもらうことが大切だなと思って講義を進めました。

今回は私はバロックギターを持って行きました。通奏低音やバロック舞曲について理解してもらうために、何曲か演奏。

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サンスの「ラスゲアード譜」と「プンテアード譜」についても、受講生の方から貴重な意見がたくさんでました。実際に音を聴いて、イメージを広げてギター史に興味をもってもらう。いろいろな可能性を考えること!…これが今回の講義のモットーです。

バロックギターのモダンギターへのトランスクリプションにおける注意点なども、バロックギターの調律がわかっていないと理解できないかもしれませんが、音で聴くとすぐにわかります。

以上のような感じで、「ルネッサンス・バロック」のギター史は終了です。次回の「ギター史と和声のワークショップ」ではギター史のテーマは「古典」です。11月22日三田いきいきプラザにて開催です。(詳細

途中からでも参加可能ですので、ぜひ皆さん参加してください。

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ちなみに今月末、バロックギター伴奏での歌のライブがございます!興味がある方はぜひおいでください!

9/26()【ライブ】

場所:ペチコートレーン(千駄木駅)

『古くて新しい歌 17世紀の西洋音楽』

歌: 藤沢エリカ バロックギター: 富川勝智

open 19:00 /start 19:30

チャージ2,800 w/1drink

お問い合わせは chokomoja@gmail.com

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2014年のまとめパート4〜勉強編

教えながら、演奏しながら、自分の好奇心が湧いたものを研究することはできます。そして、そうしないと「脳みその中が固まってしまいます」。

自分の目の前にある「やるべきこと(クラシックギター演奏)」にばかりとらわれていると、新しい発見ができないのです。だから、いろいろなものに手をだしてしまいます。

バロックギターやビウエラ・・・。これらもやっぱり勉強していて楽しいです。

ギター史の講義をやっていますが、そのためにはルネッサンス・バロックの楽器の知識も欠かせません。案ずるよりも生むが易し…ちょうど誘われた信州EM村という古楽の講習会へ!
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高本一郎先生にバロックギターを学びました。いろいろなエッセンスを学ぶことができました。ビウエラのほうは…独学を続けています。現在生徒さんでビウエラをやっている人がいますので、その方と地道に現場で学んでいる感じです。



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来年もじわじわとビウエラとバロックギター、勉強していきたいです。

教えながら、自分で勉強を続けることもできます。教えるという現場があるのなら、予習しなくてはいけません。そして、漠然とした自分の中での知識を体系化して「外に出す」作業を強いられます。当教室の日曜ワークショップやギター連盟での「ギター史と和声のワークショップ」で、たくさんのものを勉強できました。

技術についてのまとめ…いろいろな教材も作ってみました。「生徒に教えるつもり」が自分の脳内にあるもののまとめの作業になっています。

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来年以降も日曜ワークショップやギター連盟のワークショップ、よろしくお願いします。

あと、たくさん読書もできました。さきほどだいたい今年読んだ冊数を数えてみたら、200冊ほど。自分の仕事に関連ある音楽表現関係や「教える方法」関連のものが多いのですが、来年は溜め込んだ知識を吐き出す1年にしたいと考えています。

そのほか、思いの外、いろいろな分野のすごい人に出会えた一年でした。すごい人に会うと、刺激を受けます。一番の勉強かもしれません。

来年もまた勉強続けます! 
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