なによりも教える仕事をしていて、面白いのは生徒さんとの出会いです。きちんとクラシックギターや音楽を学びたいという人が多いのにはとても助かります。
社会人としてしっかりとやれている人が多いのも当教室の特徴。打ち上げとかは圧倒的に楽しい。ちょっとした異業種交流会のような雰囲気?…でもみんな音楽好きで人間好き。よいことです。
今年は生徒さんが各種コンクールにてがんばってくれましたのも印象に残りました
た。
コンクールというものは結果が全てではありません。コンクールには多数の客観的な判断が存在します。審査員も複数います。いろいろな審美感があります。その中で絶対にこれは外せないという「共通認識」があります。ギターの音色、表現の幅、拍節感の適切な表現、安定した技術…これらの共通認識=基本的な考え方です。なので、ある程度これができればコンクールは上位入賞が可能です。そして、そういう音楽を目指していくことで、「良い音楽とは何か?」「自分の個性とは何か?」を考えていくことができます。その作業は音楽自体に深く関わることです。
だから、結果はどのようなものであっても、コンクールで上位を狙うということは普段のレッスンでは味わうことができない「思考の過程」を強制的に経験することになります。
だから、結果が全てではない…のです。
アマチュアのコンクールだろうが、プロの登竜門的なコンクールだろうが、この点は一緒です。万人受けする音楽=良い音楽、ではありませんが、ある程度の共通認識された「良い音楽」はあります。それをコンクールのために準備する過程で痛いくらい認識することができます。これが苦手な人は、悪い言い方をすれば「自分勝手な音楽」に耽溺している人であると言えます。
個性というものは共通認識された「良い音楽」にちょっと味付けする程度でよいのです。そして、その個性が素敵であるかどうかは基本的な技術や表現ができているという前提があるかどうかにかかっています。結果として、本当に素敵な演奏は個性的でありますが、そこにはしっかりとした基礎があります。
神奈川新人ギターオーディションでは鈴木文乃さんが合格。基本技術がやっと安定してきました。自然に流れる拍節感も(一般の方には気付かれにくいですが)なかなかなものです。来年の成長が楽しみです!
審査員によって「審美感」が違うのは当たり前のことです。なので、平均的な「共通認識」に基づいた結果を出すために審査員は複数いるのです。
アマチュアギターコンクールでも竹田絵美さんが二次審査をトップ通過!…本選入賞、素晴らしいです。最近、課題だったパワー不足と左手の技術の不安定さも克服されつつあります。来年以降、パワーアップした竹田さんに期待しております!
もうひとり。教室のOBですが、林祥太郎君がバルセロナで開催されたミゲル・リョベート国際ギターコンクールにて第2位。
バルセロナ音楽学校(ESMUC)も今年で卒業。最優秀以上の賞primer premio de honorを獲得し、見事卒業決定!(バルセロナ大学卒業の資格も同時に取得)。
来年から日本にてプロ活動をするとのこと。
勉強大変だったようですが、なんとか乗り越えたようです。コンクール本選を聴きましたが、パワフルで繊細、そして室内楽の他メンバーをひっぱっていくカリスマ性がありました。ソロはもちろんですが、室内楽などの分野でも才能を発揮してくれることでしょう。
さて…
生徒さんたちでやっているアンサンブル「リオリコ・ギターアンサンブル」の活動も順調です。毎月定期的に練習。最近は定期演奏会に向けて、自主練習もスタート。がんばっております。今年はダラスでの演奏や、来年は北海道のギターフェスティバルのゲストとしても招聘されています。ますます活動の場を広げていってほしいです。
…という感じに、生徒さんひとりひとり、みーんな頑張ってくれた一年でした!
来年も、よい出会いがありますことを!楽しくギター弾きたい方は是非富川ギター教室へ〜(また宣伝してしまった 苦笑)。