ギターレッスンと演奏の日記 from 富川ギター教室

クラシックギターの「伝道師」富川勝智のギター教室でのレッスン活動と演奏活動の記録です。

基礎技術

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基礎練習講座テキスト完成!〜あづみ野ギターアカデミーのために準備中!

さて、来週の木曜から安曇野にいきます。
8月14日〜16日にかけて行われる「あづみ野ギターアカデミー」を行うためです。今回はスペインからルベン・パレホ氏が来ていますので、彼に特別講師を頼みました。

あとは池田慎司氏も個人レッスンを担当。

私は今年はひたすら「基礎練習講座」を行います。…ということで、いろいろとまとめて、テキスト完成!
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10ページのテキストになっています。
右手編、左手編、全身編…右手は基本のフォームから消音のテクニックや爪の形、タッチなど。左手はポジショニングやスラーなど、左手各指の独立などなど。

さて、全身編は?…これは右手と全身のバランス、左手と全身のバランス、右手左手と全身のバランス…これらのバランスを養っていくための基礎練習です。身体感覚をどのように奏法にとりいれていくかというトレー二ングの要素が強いです。

とにかく実践的な内容になっています。先日、日曜ワークショップで「7つの基礎練習」というものをテーマに行いました。ひたすらクラシックギターを弾くための「かた」を身につけていくという講座でしたら、終わり間際には、みなさんとても「手の形が綺麗になっている」ということに気づきました。

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綺麗=自然…ということです。基礎練習の「かた」を身につけることによって、非常にナチュラルな指の形になっていくものです。

あづみ野ギターアカデミーでの「基礎講座」は、この「かた」をもう少しだけ理論面からも説明して、実践してもらうという形になっています。だから、テキストの内容も充実したものになっています。

さて、あづみ野ギターアカデミーですが、申し込みは8月5日まででしたが、まだ定員に至っていないので、8月10日まで申し込みを延長しました。

もし、まだ迷っているかたなどいれば、是非。ホームページからお申し込みいただけます。

あづみ野ギターアカデミーホームページ


 

日曜ワークショップを振り返って その1〜消音と技術

さて、忘れる前に日曜日に行われた日曜ワークショップについてレポートしておきます。私の雑感も交えて・・・。

坂場圭介さんによる「消音法」のレクチャーは実に実践的にして、理論的、そして体系がしっかりとしたものでした。

消音とはなにか?・・・消音法の重要性を表現と技術との関連で説明していました。 この「表現と技術との関連において」という部分がとても重要です。

消音というものを意識して右手のフォームを作っていかなくてはいけません。それも比較的初期の段階で・・・。よくアポヤンドをべたーっと寝かせるようにフォームでしか弾けない人がいますが、それだと消音技術の中でもっとも重要なひとつである「pの背中による消音」が不可能です。

どの教本においても最初の段階で消音を意識したフォームを最初の段階では教えるようにはできていません。

私はレッスン時において、まったく初心者の段階において、できるうるかぎり「将来消音が必要になるであろう」ことを想定としたフォームを作るようにこころがけています。 

このことは初心者の段階であれば理由を説明しないことも多いです。しかしギターを初めて1ヶ月あたりの段階で、pのフォームをできるうる限り「消音が可能な」フォームに固めておくことが最重要課題でもあります。

このことに関しては坂場さんはさらっと述べるに留めていました。



さて、本題にもどります。

レクチャーはその後以下のように基本的な消音すべきケースを分類して進行しました。

  1. 順次下降音形における開放弦→左手による消音
  2. 隣接する低音開放弦
  3. 休符

 

テキストには上記3種類のケースが記載。

1に関しては、音階を用いて説明していました。音のにごりを消す、2度の不協和音程を解消するということにおいて説明していました。

2に関しては、pの技術です。直接消音と間接消音。和声の進行を明確にするために・・・ですね。

3に関しては、 楽譜に書いてある休符を意識することです。つまり「書かれてあるとおりの音価で演奏する」ということですね。


さて、私の雑感。

私個人のレッスンでは、基本的に初心者に関しては1の「左手による消音」は伝授しません。左手のフォーム、関節のコントロールがポジションを意識してしっかりとマスターできるまでは伝授しない方法となっています。

先月の私が担当したレクチャーで説明しましたが、左手各指の関節のコントロールにはかなり入念な準備が必要です。初心者や中級者の場合は、まずはポジションをしっかりと・・・そして、安定した「ベースとなる押さえ方」を習得するのが第一であると考えています。

2の右手親指のテクニックに関しては、前述しましたが、かなり早い時期にマスターさせます。これは右手のほかの指のタッチにも影響しますので、最終的には音色にも影響します。実際、私のレッスンの場合、この右手p指の直接消音、間接消音の2種類を技術的に完璧に・・・そして、音楽的に「耳で聞いて不快な音のにごり」を出さないようにできるまでは、そのほかの消音技術については教えません。

今回出席した受講生は、ほぼ全員上記のpの消音法はマスターしていたので、問題はないですが、現実問題としてギター独学の方のほとんどはこの消音法について知らない方が多いのです。

3については、私の場合、適宜教えることにしています。基本的には直接消音を用いることになります。


そのほか、坂場講師に言葉のなかで興味深かったのは「後止め」というものです。

これはたとえば、4弦のレの音のあと、6弦ミを弾かねばならないときに、「どのようにして4弦開放弦の音を消音するか?」というときに用いるものです。ミを弾いてから、レを「後から消す」ので・・・「後止め」という言葉を使っていました。

(この用語は私もレッスンで用いていく予定です!)

実際、私のレッスンでこの「後止め」はある程度のレベル以上の人にしか教えません。もしくは上記2の「隣接する開放弦の消音」が完璧にマスターできた人で、且つ『和声の進行を聞き取れる耳ができてきた』人に教えることにしています。

逆にいうと『和声の進行を聞き取る耳ができれくれば、上記のような4弦開放と6弦開放の混じりは不快に聴こえてくる!』ということです!!


すこし、敷衍して考えていくと、この「後止め」というものがあるのであれば、「先止め」(もしくは「前止め」?」というものもありはずです。

たとえば、低音にスタッカートの指示があるとき・・・とか・・・。用いていけばいいはずです。

あと、「後止め」には、声部をレガートにつないでいく効果もあります。「同時止め」であれば、不思議にレガートに聞こえにくいものなのです。音と音は若干重なりがあったほうが「連結されて聴こえてくるもの」なのです。


というふうに、消音法というものは、実に音楽技術に直結したものです。

坂場さんの講義は、この「消音法」をみごとに分類していました。すばらしい講義であったと思います。ギターを教える仕事をしている人であれば、今回の講義で「ものすごいネタ」を仕入れることができたでしょう!

すべて知っていることと、「整理してあること」は別ものです。


ギターを学ぶ人、ギターを教える人が、このことをしっかりと理解するまでこの「日曜ワークショップ」は続けていくと思います。


もうちょい書きたいことがあるので、続きはまた別記事で!


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テクニックは「コントロール力」〜慣れと癖

左手について最近ブログに書いていることが多いです。

レッスンをしていて、最近、思うこと。

人間だれしも、それまでに築いてきた手や指の動きの癖や傾向があるということです。

「この方向の動きには慣れている」というのがある、ということ(1)。

そして、もう一つ悪癖もあるということです(2)。これは体感覚の問題です。からだのことを理解していないと身体にとって本来苦痛である動きを「正しい動き」であると誤って認識してしまう。これは身体機能をオーバーロードしてしまうので、体のどこかに過度な負担がかかります。

もうひとつ。「慣れていない動きがある」ということ(3)。自分の身体でありながら、それまで意識して動かしていなかったため、コントロールがうまく利かなかったり、無意識のうちに使わなくなってしまった動きがあるということです。

(1)に関して。例えば、左手についていえば、初心者の人は1ポジションを人差し指1フレット、小指4フレットというポジション対応をとることは難しく感じるでしょう。斜めにし人差し指1フレット、小指3フレット・・・という対応で、斜めに「手を握る感じ」で押さえるほうが居心地がいいと感じると思います。これはこれで「正しい感覚」です。いわばカントリーグリップで押さえたほうが安定すると感じるわけです。

但し、この感覚は「慣れているから」なのです。このフォームや感覚を「唯一正解である」と感じるのは間違いです。

(2)に関して。悪癖(身体の機能に関して不合理な動き)は排除していかなくてはいけません。このあたりは説明がむずかしいです。各自、身体の理解度を高めていかなくてはいけません。武道でも、ヨガでも、アレクサンダーテクニックでも・・・究極的に求められているのは「身体の理解」です。各自「正しい身体感覚」を身につけてもらうように研究していただくしかありません(もちろん、普段私が行なっているレッスンでは生徒さん各自にこの正しい身体感覚を得られるように導いてはいきます)。

それは解剖学的な知識であったりします。指の構造や腕の構造・・・明確に認識できることから「悪癖」を理解して処理することが可能です。

(3)に関して。上記(1)に関して・・・で書いたことについて述べれば、いわゆるクラシックグリップは誰にでも身体的負担なく押さえることが可能である!と断言できます。

しかし、そのためには普段使っていない感覚を研ぎ澄ます必要があります。1フレットひとさしゆび、4フレット小指のいわゆるお手本フォームは、「慣れさえすれば」誰にでも楽にできるというのが自論です(もちろん、極端に指が短い人は例外ですが・・・)。しかし、その動きや感覚は普段「使われない傾向」があるものです。

なので、慣れなくてはいけません。しっかりと脳みそをつかってコントロールしていくことによって、「使用可能なもの」になっていきます。


以上のことを踏まえて、12月20日の日曜ワークショップは「ギターの基礎技術」に関して講義をしていこうと思っています。

(下記の本をご用意ください)

ホセルイスゴンサレス ギターテクニックノート/手塚健旨・訳
著者:ホセ・ルイス・ゴンサレス
販売元:現代ギター社

2009年12月20日(日) 午後1時30分〜5時

講師:富川勝智

講座名:「ホセ・ルイス・ゴンサレス ギター・テクニック・ノート」完全活用法

内容:世界的ギター奏者であるマリア・エステル・グスマンをして「全てのギター奏法に必要な基礎練習が書かれている」といわしめたホセ・ルイス・ゴンサレス著のテクニックノート(現代ギター社刊)に基づいて基礎練習の仕方を解説します。練習のポイントを理解しなくては、この本の価値は半減します。是非この機会にこの本の正しい活用法を学んで、基礎テクニックのベースメントを確かなものにしましょう。

費用:参加費 2,000

準備物:『ホセ・ルイス・ゴンサレス ギター・テクニック・ノート』(手塚健旨訳:現代ギター社)、ギター及び足台

申し込み:事前申し込み必要なし。当日会場へ直接お越しください。

 ※会場などの詳細は富川ギター教室日曜ワークショップページをご覧下さい。

すでに幾人か問い合わせをいただいておりますが、まったくの初心者(一回もギターを弾いたことない)以外であれば、誰でも参加可能です。





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