ギターレッスンと演奏の日記 from 富川ギター教室

クラシックギターの「伝道師」富川勝智のギター教室でのレッスン活動と演奏活動の記録です。

かた

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「かた」ができてくる〜ホセ・ルイス・ゴンサレス ギターテクニックノートの効果

今日は日曜ワークショップでした。
テーマはホセ・ルイス・ゴンサレス ギターテクニックノート。

GG431 ホセルイスゴンサレス ギターテクニックノート
ホセ・ルイス・ゴンザレス
現代ギター社
2008-08-26

 
今月から、連続で4ヶ月、月一回ずつ日曜ワークショップでこの本の内容をみんなで制覇していこうという企画です。
全体で11章ありますが、最後の2章はおまけのようなものなので、毎回3章+αくらいで進めていけば、ほぼ全部通すことができます。
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今日は序章〜第3章まで。
序章に時間を割きました。右手の基本の「入れ換え動作」+「左手のポジショニング」を徹底てきに説明。受講生のかたの指の動きやポジション移動などの癖を指摘していき修正。右手と左手のタイミング練習のとこで、ほぼ全受講生が左手のポジショニングの大切さを実感した様子でした。

このあたりから、受講生の左右両手のかたちが「綺麗に」なっていきました。

1章のスケールのところではリズムトレーニングもしてみました。リズムをつけてみるとわかるのですが、より右手と左手のバランスの良さが要求されます。アクセントをアポヤンドでいれていく練習もやってみました。

右手のバランスがじょじょによくなっていきました。

2章では、アルペジオを。順次プランティングを中心に練習していきました。アルアイレとアポヤンドの使い分け練習もしました。

3章は、左手指の強化&独立練習。ここで、序章の内容を復習。ギター指板の特性や、左手のテクニックの大原則を確認。

…もうこのあたりまで、練習してくること、正味2時間。受講生全員の左右両手のかたちが「できあがってきます」。これは本人たちも気づいていないことかもしれません。ですが、僕のほうからは「劇的な変化」が見てとれました。

「かた」を作るということは容易いことではありません。いまでも、プロ音楽家がスケール練習や基礎練習をするのは、「かた」を維持するためにと言えます。今日は、受講生のかたとひたすら「指を動かして」いきました。微調整しながら…その結果、「かた」ができあがりました。

ですが、その「かた」は明日には型崩れを起こしてしまいます。定着するまでには時間がかかります。無意識のレベルにまで落とし込む=目が覚めた時から「かた」ができている、、、というところまで持っていくためには毎日の練習が必要です。

いちど「かた」ができてしまえば、あとは定期メンテナンスで済むとは思います。ですが、最初の数年はしっかりと「かた」を刷り込みたい。

今日はとりあえずは受講生の方の暫定的な「かた」ができあがりました。あとは家に帰っても、それをキープしていけるようにしてほしいなあと思います。

しかし、たった2時間で、あそこまで受講生のみなさんの指のかたちがよくなるとは!…ちょっとびっくりでした。

ということで、10月と11月で、テクニックノートの全章を徹底的に練習して、12月のまとめ講座を行おうと思っています。ギターテクニックをブラッシュアップしたい方、いままでのまとめを行いたいかた、ほんとうに強靭なテクニックを習得したいかた…是非おいでください。10月から参加でも効果が実感できると思います。今回出たかたは、また引き続きご参加ください!

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次回は10/9です。詳細は日曜ワークショップブログで!



 

基礎練習講座テキスト完成!〜あづみ野ギターアカデミーのために準備中!

さて、来週の木曜から安曇野にいきます。
8月14日〜16日にかけて行われる「あづみ野ギターアカデミー」を行うためです。今回はスペインからルベン・パレホ氏が来ていますので、彼に特別講師を頼みました。

あとは池田慎司氏も個人レッスンを担当。

私は今年はひたすら「基礎練習講座」を行います。…ということで、いろいろとまとめて、テキスト完成!
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10ページのテキストになっています。
右手編、左手編、全身編…右手は基本のフォームから消音のテクニックや爪の形、タッチなど。左手はポジショニングやスラーなど、左手各指の独立などなど。

さて、全身編は?…これは右手と全身のバランス、左手と全身のバランス、右手左手と全身のバランス…これらのバランスを養っていくための基礎練習です。身体感覚をどのように奏法にとりいれていくかというトレー二ングの要素が強いです。

とにかく実践的な内容になっています。先日、日曜ワークショップで「7つの基礎練習」というものをテーマに行いました。ひたすらクラシックギターを弾くための「かた」を身につけていくという講座でしたら、終わり間際には、みなさんとても「手の形が綺麗になっている」ということに気づきました。

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綺麗=自然…ということです。基礎練習の「かた」を身につけることによって、非常にナチュラルな指の形になっていくものです。

あづみ野ギターアカデミーでの「基礎講座」は、この「かた」をもう少しだけ理論面からも説明して、実践してもらうという形になっています。だから、テキストの内容も充実したものになっています。

さて、あづみ野ギターアカデミーですが、申し込みは8月5日まででしたが、まだ定員に至っていないので、8月10日まで申し込みを延長しました。

もし、まだ迷っているかたなどいれば、是非。ホームページからお申し込みいただけます。

あづみ野ギターアカデミーホームページ


 

練習法について〜「かた(型)」と「抽象化」

日曜日はワークショップを行いました。
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遠くは名古屋から参加された方も。アマチュアからプロで活動されている方まで、10数名が参加してくれました。

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参加された中のひとり、道祖尾ギター教室を主宰されている道祖尾さんがブログにワークショップで「考えたこと」をまとめています。

「ひとりでも上手くなる練習法〜練習の仕方を練習しよう」ワークショップ受講してきました!

今回伝えたかったことのひとつが、「言語化」と「抽象化」でした。自分の言葉で経験したことを書いてみる。言語化するうちに「まとめること=抽象化」することができる。そういうことをレクチャーの一部として伝えました。

上記で紹介したブログ記事には、ギター講師として、そしてジャズギタリストとしての自分の経験を踏まえて、しっかりとまとめられています。すばらしい。

練習の仕方のコツはいくつかあります。細分化していけばきりがありません。音楽をやる、ギターを弾くという上で勉強しなければならないことは、たーくさんあります。

その中で自分を見失わず、自分が今「やるべきこと」を見つけていくためにはシンプルに考えることがとても大切です。「シンプルに考えること=ここに戻れば安心できる&たくさんのアイデアを得ることができる立脚点をもつこと」と言ってもよいかもしれません。

それは「かた」を探していく作業…と言っても過言ではありません。私個人の研究分野としては世阿弥研究は20年ほど行っていますが、それは自分の芸を磨く+音楽を人に伝えていく…という仕事に関わっていくからです。

自分の音楽を磨いていくこと+正しく音楽文化を伝えていくこと。

これが私の仕事であり、人生です。

そのためにはたくさんのことを勉強しなくてはいけません。ですが、たくさんのことを知れば知るほど混乱するものです。情報の多さ、伝えるべきことの多さ、やるべきことの多さには圧倒されます。圧倒されないためには、ひとつずつのことについて整理していくしかありません。

そして、シンプルなものにまとめていくしかないのです。そういう作業を行っていくうちに「かた」が見つかってきます。クラシックギターでいえば、右手左手の技術で注意することの「かた」はある程度見つかってきました。学び方の「かた」もある程度…。もちろん、まだ完全な「かた」は見つかっていません。

「かた」というものが洗練されていくべきものですので、これから私自身で色々なものを内包しながらも、シンプルな「かた」にしていかねばなりません。

ワークショップの最後に、半分冗談で、以下のように受講生のかたに言いました。

「いい音楽にするためには”ちゃんと弾けば”いいのですよね!」

…これも実は僕の中での考え方の「かた(型)」です。もちろんレッスンの中では、生徒さんの現時点での状況にふさわしいアドバイスをします。「ちゃんと弾く」という私の「かた」の中にはいろいろなものは内包されているというわけです。

ワークショップのなかで、より具体的な練習法は提示しましたが、最終的には各自が練習のなかで「自分のかたを見つけていく」しかないわけです。

だれそれさんはこんな練習をやっている=正しいにちがいない…と人の真似をする段階も大切なのですが、アマチュアであろうがプロであろうが「自分の方法論」を探していくことが最終目標です。

そしてその「かた」が普遍性をもつことが大切です。

細部までこだわって学ぶ→それを言語化する→抽象化する=「かた」がつくられていく。そして「かた」を応用してみる→修正する…という段階を作っていくしかありません。

いずれにしても受講生のみなさんの感想や意見から、とても良いワークショップとなりました!本当に感謝です。みなさんのフィードバックのおかげで、私自身もたくさんのことを勉強することができましたし、あらたに「抽象化」できました。



 


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基礎は緩やかにして変幻自在なものですよ〜

よくギターを始めたばかりの生徒さんに「自分も基礎練習をしたほうがいいのでしょうか?」という質問を受けます。

いつも生徒さんには「基礎の大切さは、ある程度いろいろな曲をやらないとわからないですよ〜」と言っています。レッスンの最初のほうでやるもの=基礎ではないのです。

おそらく、前述の質問をしてくる生徒さんは「基礎=元になるもの」と考えているのでしょう。

基礎っていうのは…例えば建築物の土台になるものがイメージできますね。地面を掘って、地盤を安定させて、そこに建物を作っていく…というイメージが多くの人の中にあるのでしょうね。
「基礎」という語感の中に、まさにそのイメージがあります。私は基礎というよりは「かた(型)」と言ったほうが定義としてはいいのかなあ?…とは思います。とはいっても、ちょっと世阿弥っぽくて堅苦しいですし、抽象的。一般のかたにはなかなか理解しずらいでしょう。

なので、しょうがないので「基礎」と言ってしまうしかない。でも、私が伝えたい内容はちょっとみなさんが考えているニュアンスとは違うのです。


基礎練習についてのこちらのブログに以下のように書きました。

毎日基礎練習をやっていると、その時々の音楽的欲求に応じて、基礎練習に意義を感じてくるものなのです。 

シンプルな基礎練習(型)の中に、初心者〜上級者まで音楽演奏のための要素を見出してほしいなと思います。それは各自が「やりたい音楽」がないとなかなか見つかりません。だから、「音楽的欲求」に応じて、基礎は変幻自在に意味を変えてきます。

ギターの奏法にはいろいろなコツがあります。「こういうことを守れば、こういうことができる」という奏者の意思があれば、実は基礎練習なんてまったく必要ないのです。

では、基礎練習はなんで必要なのか?

それは噺家さんのネタのようなものです。ネタの語源は「種(タネ)」と聞いた事があります。ネタをどのように膨らませていくか?…どのように深みをもたせていくかは噺家さん次第。

でも、ネタがないとなかなか面白い芸、奥深い話芸はできないのですよね。だから、ギタリストにとって基礎練習は、ネタみたいなものなのです。美しい音楽をやるためにどのようなことを守ればいいのか?…それを毎日認識するためのリマインダーであるという面もありますが、そのときの奏者のレベルに応じて、変幻自在に変化するものでもあります。

基礎練習についてはシンプルに7つの項目に分けて、夏の講習会やワークショップでも紹介しましたが(こちらの記事参照)、これは私が長年の演奏活動や教授活動から、これが練習のネタ(=種)だなあと思ったものをまとめたものになっています。

技術上弾けないもののヒントはこの「7つの基礎練習」に全て含まれています。そして、音楽表現面での要求が高まっていけば、各自がオリジナルの基礎練習に膨らませていく余地があるシンプルな練習となっているのです。

最近はワンレッスンなどで、この基礎練習から学んだものをベースに、いかに技術上の課題を克服していくかというテーマでレッスンを行うことが多いのです。そして、技術上の問題がクリアされれば、それをいかに音楽表現に結びつけていくか?ということに視点が移行します。

その際も基礎練習は「余地」のあるものでなければなりません。私のワンレッスンを受けた人にはもちろんそれがわかるのでしょうし、通常の方のレッスンでも常に「基礎」の大切さを強調しています。

「基礎練習=何か決まったことをやる」と考えたり、基礎練習=反復練習と考えると、大きく間違うことになります。基礎というものは「かた(型)」であって、それは初心者〜上級者まで全ての人にとって意味のあるものでなければなりません。

基礎練習=変幻自在なもの…と考える事で、練習の質もよくなります。



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