- アラビア風奇想曲。イメージはしっかりありそうな生徒さんなので、あとはそのイメージの若干の修正+そのイメージを実現するための技術の安定を目指す。どちらにしても、ある程度のイメージがあるのは望ましい。それがないと技術上の問題点をクリアーしようという意欲がなくなっていくからだ。
- セゴビア編ソル20の1。とりあえずセゴビアのダイナミクス記号を遵守。どのようなイメージをもってセゴビアがアゴーギグをつけているのか、そのあたりをチェック。意外に正攻法な表現をつけている。
- アランブラ。左手の運指はメロディーを残す方向で常に考えること。この場合運指というよりは、指を動かすタイミングでしょうね。三連符も「詰まって」聴こえないようにする。
- コスト25のエチュードの2。スケルツァンドのニュアンスを出すためにはアーティキュレーションをしっかりと。スラーの位置をしっかりと確認して、3+3のグループなのか、2+4のグループなのかを見極める。このあたりは、フルート奏者などと共演すると体で理解できるところが多い。
- 発表会で弾いた曲を全部覚えている生徒さん。友人が家に訪ねてくるたびに演奏を聞かせているらしい。素晴らしいことである。
- ロマン派的な強拍の扱い、古典派的な強拍の扱い…これらの違いのニュアンスは経験などから学ぶしかないのかもしれない。
- サティ、クレンジャンス編。この手のものは、サティ本人がどのような生理的感覚でピアノを弾いていたか…作曲の手順はどのようなものであったか…ということを探っていくところから、作品解釈へのアプローチが始まる。聞き耳はとっつきやすそうな曲ではあるが、実はこのように考えると容易にとりくめる曲ではない。
- 爪の手入れを教える。結局は道具の説明から入ることになる。鉄やすり、紙やすり…この使い分けを教える。女性の生徒さんだと「安上がりネイルケア」だと思って結構真剣に聞いてくれるので、こちらもやる気がでる。無駄にピカピカに磨いてあげたりして。
- 後ノリと前ノリの違いに敏感になるためには、結構ポピュラー音楽を聞き込むしかないかもしれない。と、ふと感じた。
アゴーギグ
- 禁じられた遊び。しっかりとフレーズを整理してアナクルーズ、デジナンスを明確にする。ポジション移動後は無意識にアクセントがつくのでそれを避ける。右手のタッチに注意。
- 本当の音色はCDなどでは学べない。自分の手元で鳴っている音と第三者が聴く音は違うということに常に意識すべし。
- 峠の我が家。この手のポピュラーソングこそ、各フレーズ間に緩急をつけてキャラクターをはっきりとさせることが大切。アゴーギク、ブレスなどをうまく使って全体のイメージをしっかりとつくっていくことが重要。
- Pのタッチの基本は腕の動きを伴わないこと。とはいってもP指のバランスは腕によって保たれている。アクティブな緊張感とパッシブな緊張感の違いをしっかりと意識することが大切。
- バリオス、ワルツ3番。大きく2小節を一拍で捉える…1小節を一拍で捉える…いろいろ試すべし。一拍目へタイミングを合わせていく感じが大切。
- 大人っぽい演奏、子供っぽい演奏…これは年齢とは関係ない。大人っぽい演奏には「ささやき」や「ため息」がある。
- ある曲にいくつかのポイントがあったとする。曲に初挑戦のころはそれらのポイントひとつひとつをクリアーしていくのに若干の時間が必要だ。それはクリアーするためのプロセスを考えなければならないから。再挑戦する場合はそれらのポイントをまずは思い出すことから始める。初挑戦の頃よりも、ポイントをクリアーする時間は短縮していることは確実である。このことを念頭に置きながら昔やった曲を復習することが大切。
- 音価を維持するのには、左指への意思が大切。オルガンの鍵盤を押しているような感覚?…で押弦すること。右手のアポヤンドは音価を意識するためにも重要なテクニック。
- なんだかんだいって、左指の独立練習は大切。これだけは「日常生活で使っている動作」という次元では済まない。
- 中級者以上の人は「本番」に目的意識を持つことが大切。闇雲に人前で弾いていれば上手くなる…と考えていては駄目。確かに「100回の練習よりも1回の本番」ではあるが、目標、目的をはっきりと定めなくては意味がない。教室発表会は教師とともに目標や目指すべきポイントを定めて行うので有意義。
- 体の不注意な動きが旋律の横の流れへの意識を途切れさせることがある。
- バッハ演奏は設計図をしっかりと組み立てる。同時に分析、フーガであれば声部の把握を徹底的に行う。
- ある音の意味を決めるのは後続する音である。2音あると、意味をなす。
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