ギターレッスンと演奏の日記 from 富川ギター教室

クラシックギターの「伝道師」富川勝智のギター教室でのレッスン活動と演奏活動の記録です。

エチュード

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お仕事論(反応編)〜古典を学ぶ

先日書いた「お仕事論」に対して、多くの反応がありました。

自分でも、そんなに本腰を入れて書いたわけではないのに、びっくりです。

お仕事論ぱーと1

お仕事論ぱーと2

 

メールもたくさんいただきました。

(あと、「拍手」のところのひとことコメントにも)

「よくぞ、言ってくれた!」というものから、「やはり古典は大事だと実感しました」というものまで…。

古典において、基本的な和声進行をしっかりと把握しながら、それを明確に第三者に伝える技術(表現法)を学ぶことはとても大事です。

上記のことは、クラシックギターにおいては、ソルやカルッリ、カルカッシ、ジュリアーニなどで学ぶことができます。

ロマン派、近現代の音楽は、やはり古典に対して「継承」「アンチ」「発展」などの立場をとっています。いずれにしても、古典がベースメントとなっていることは否定できません。

一般的に、ロマン派の音楽になれば、その和声や旋律は古典よりも複雑化、複合的な要素が多くなるものです。

最初からロマン派や近現代のものをやるよりも、徹底的に古典作品を研究したほうが実は「近道」です。

最初は簡単なエチュードでしっかりと分析し、古典の表現法のルールをしっかりと積み上げていくことが大事です。同時にギターでのテクニックの「ルール」(消音法など)も構築していくことです。そして、曲中で学んだことを、(その曲だけのものだと思わず)以後も必ず応用していくこと!…これがとても大事です。

曲中で学んだことを、以後も必ず応用していくこと!…実は、このことがもっとも難しいことなのです。

人間、誰しも忘れっぽいですから…。「ルール」を何度も応用し、その効果を検討し…という反復でしか、記憶には定着しません。

フレーズを見極める方法(音のグルーピングなども含め)や歌いまわしのルールなどは、最初は分析するのに時間がかかるかもしれません。しかし、何度も同傾向の楽曲をやっていけば、いずれ「勘」が養われます。それまでは徹底的に同傾向の曲で、「今まで学んだことを全部応用できるように」意識しつづけるしかありません。

 

例えば、ある生徒さんがソルやカルッリの簡単なエチュードの学習を続けているとします。小品のエチュードで丁寧に古典的な和声のルールを学び、フレージングの方法や非和声音などの表現法を分析している…という状態です。

さて、発表会の時期が近づいてきたとします。先生のほうでは、今学んでいる「古典の小品」で発表会にでることを勧めるはずです(少なくとも、まともな先生ならね)。

しかし、大概の生徒さんが「もっと格好いい曲が弾きたいです!…だって友達とかも聴きにくるし…」とか言います。で、「サンバースト」とか「11月のある日」とか「タンゴ・アン・スカイ」を“死に物狂い”で数ヶ月さらうわけです。

もちろん、発表会に「自分のレベル以上の曲」を弾いても問題ありません。問題となるのは、発表会の曲に全力投球して、古典のエチュードの学習を忘れてしまうことです。たとえ発表会が近づいてきたとしても、通常の学習を忘れてしまってはいけません。

大概の生徒さんが「発表会で披露したい自分の実力以上の曲」の読譜や技術上の難所に時間と集中力を奪われてしまいます。

そして、発表会が終わったとき、それまで学んだはずの古典の「ルール」(いいかえれば、「音楽のルール」)を完全に忘却していることも多いのです。

…で、ゼロからやり直し(学びなおし)…というパターン。

ですので、発表会は、そのときレッスンで学んでいるものをしっかりと(正しく且つ美しく)弾く、というのがベストです。

 

とはいっても、モチベーションの問題があります。そのとき、どうしても弾きたい曲があれば、(たとえ、自分の実力以上でも)チャレンジするのは悪くはありません。ただし、その場合でも普段の(積み上げ式の)勉強を続けることを忘れてはなりません。

普段の学び方…どの分野においても、「学び方」を知っているか、知っていないかは非常に重要です。

 

そして、「学び方」を知っている方は、着実に「良い音楽」ができる体質になっていきます。

 

ということで、「お仕事論〜反応編」でした。

 

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セゴビアの誕生日に…アポヤンドの重要性

先週の土曜日に、生徒さんがセゴビア編の20のエチュード、第6番を持ってきた。

私は大好きなエチュードです。曲も美しいですし、音楽上のセゴビアのアイデアにはいつも感動すら覚えます。

一見すると、右手の運指が不規則…だが、セゴビアならではのルールがあるわけです。

そして、基本的にはメロディーはアポヤンドで練習すること…これは、音色の問題であると同時に、そのアクションも大事なのです。

アポヤンド後の指をできるだけ隣の弦に留めておくこと…これはホセ・ルイス・ゴンサレス先生から習った教えです。「まるでブザーを押すように」…弦がもたれかかっている間は音が持続している…という感覚が非常に大事なのです。

そうするためには右手各指の独立が非常に重要です。

そのためのエチュードでもあるわけです。

 

…以上のようなことを、延々と熱く語った後、その生徒さんからメールをいただきました。そうしたら、先週の土曜日は2月21日はセゴビアの誕生日だったそうです。

天国のセゴビアが「俺が楽譜に遺した意図をしっかり汲み取れよ〜」と伝えてくれたのかもしれませんね。

 

アポヤンドというのは音色の問題でも当然ありますが、音の維持を意識するための奏法なのです。

このあたりを忘れてしまっている奏者が多いのは非常に困ったものです。

物理上ありえないことを求めるのが音楽家ってものですから。それを「アポヤンド後に弦の上に指をキープしたって、物理上の音のサスティーンが変化することはないだろう?」と一蹴してはいけません。

(音楽家はいい意味で「ファンタジー」の世界の住人でなくてはいけません。同時にきちんと現実の理屈の世界でもいきていかねばなりませんが・・・)

そういったら、ピアニストが長く伸ばしたい和音を鍵盤で弾いた後、その指を鍵盤に置いたままにするのは「愚」だということになります。

これとまったく同じこと。

音の伸びを「耳」で感じるのか、「指の感触」で感じるのか…それだけの違いです。

それが、アポヤンドの最大の効能であると私は思っています。ターレガを始めとする近代ギター奏法の教本においてアポヤンドをメロディー弾きの基本タッチとしているのも、その点も考えにあるのではないか?…と思っているわけです。

 

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レッスン覚書ミニ〜2007年9月18日

  1. 音階練習。左手を見る余裕がでるまで練習するとよい。
  2. アグアドのワルツは付点のリズムに注意
  3. ソル、メヌエット。メヌエット集を全部やってみて、共通の語法を確認・・・が理想。全部やらなくても、他に数曲やってみると「メヌエット」の感じがつかめる。
  4. バッハの単旋律のメロディーを充分に研究してみると、音程感、エネルギーの推移の勉強になる。
  5. アルベニス、マジョルカ。セゴビア編の指示はなかなか良い。最後に最後の「マリンコニコ」(メランコリックに)の指示は、記憶の奥底にある思い出が遠くから呼び起こされる・・・という感じで解釈。自然にテンポなどが理解されるであろう。
  6. メロディー&伴奏型の練習は、とりあえずインテンポ&ゆっくり、でメロディーをはっきり、伴奏を極力小さい音量で。右手タッチの分離を見直す。表現はあとからで充分。
  7. セゴビア編ソルエチュード1番。ハーモニーのリズムと声部のリズムが違う点に注意。これをどのようなバランスで弾くかは奏者のセンス。とりあえずはばらばらに弾いて理解。途中で3声に分かれるところも注意深く。

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レッスン覚書2006年12月1日〜5日

さて、昨日に引き続き、まだ終わらない2006年覚書。

今回は長いです。

2006年12月1日〜5日までのレッスン覚書です。どうぞ。

ギターを弾くときは常に視界を確保!!姿勢に気をつける・・・というよりも、指盤全体を見渡せることが大切。

左手の押弦の感覚を養うには、ゆっくりした動作で行うことがよい。スローモーションで。弦に指が接近、接触、指盤に弦が置かれる・・・というのをできるだけ遅く行うことができれば、指先の感覚が鋭敏になる。

ジュリアーニ「大序曲」。piの動作のバランスが重要だ。これはソル20のエチュードの2番などを事前に練習しておくと、スムーズにできる。

左手が安定しない、力む部分では、右手のタッチを軽めに。そうすると、左手の余分な力が抜けることもある。

ソル、20のエチュード3番。伴奏にシンコペートしていく感覚を与えると、進行感がでる。左手の訓練にも最適。

リョベート編の「アメリアの遺言」。もちろんリョベートの演奏を聴くことが勉強になる。しかし、ハーモニクス時のニュアンスなどは、「自分ができてから」録音を聴かないと聞き取れないほどに微妙なニュアンスである。このあたりは、レッスン時にスローモーションで見せて&聞かせて分かってもらうしかない。

巨匠の演奏からは多くのものを学ぶことができるが、実際自分がギターでできることは聞き取りやすい。しかし、自分ができないことは聞き取りにくいという事実がある。演奏技術や表現力がある人は、巨匠の演奏からより多くのニュアンスを学ぶことが出来る。

カルレバーロのアルペジオ練習。いっぱいある。指の運動をとにかく意識して、いっぽんずつ確実にコントロールできるようにするのが目的であり、あの量もそれを、ある一定期間徹底的に意識し続けることが目的であるというふうにも考えることができる。だから、ジュリアーニなどのアルペジオも抜粋ではなく、順番に、毎日練習することで、右手のタッチを毎日見直すことをしなければ無意味ということになる。

エチュードして考えれば、一般にpimを使用する部分でも、imaで演奏することも可能であるし、有益。

ターレガのアデリータ。マズルカのリズムは馴染みにくい。2拍目を“捨てる”という感覚とでもいうのだろうか?

アクセント。常に強くばかりとは限らない。服装を選ぶ際のブローチのようなもの。男性ならネクタイピン?。派手であればアクセントになるとは限らない。

ベルナベの特性。押し込んで、確実にリリース。どちらかといえば、弱い音がかすれがちであるので、音色の印象で強弱を感じさせる奏法が向いているのかもしれない。つまり表現法は楽器によって変化してくるし、個体差も大きい。本当に、表現を煮込みたい場合は、常に自分の楽器でレッスンを受けるほうが良い。

右手タッチは弓矢の原理。引っ張りすぎても無駄な力が入る。かといって、ある程度引っ張らないとしっかり矢が飛ばない。そして、そのリリースのタイミングを指の動きとどのようにリンクさせるかが最重要問題。

左手を押さえてから右手を弾弦。この当たり前の前提を、中級者以上の人に限って忘れがち。たまにチェックしないと、右手だけ先行している人がまれにいる。

マイヤーズのカバティーナ。自分の獲得している基礎技術以上のことをやろうとするのは危険である。独学で長くやっていた人にこの傾向が強い。右手のタッチがコントロールされていない段階で、「ヴィブラートをかけたい」といわれても、虻蜂取らず・・・である。まずはノンヴィブラートで全ての音をクリアーに出すことを目標に。それからメロディーと伴奏のバランスを整えるのが先決。

CDなどの録音を頼りに独学してきた人に、とても多い傾向。基本的な押弦、弾弦が出来る前に、自分勝手が表現をつけたいという欲求はわからないではないが、遠回りなだけである。

カルカッシ18番。音のグループを考え、それぞれがどのような役割を果たしているか?・・・よく考えること。そして音のグループをどのようにつなぐかを、次の段階で考える。

コストのエチュード。piのフィゲタパターンを習得するのに最適なエチュード。フィゲタは腕全体との連動がものをいう。どの弦をターゲットにするかを腕全体でコントロールしないと、安定しない。

 

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エチュードと生徒の関連

久々のブログです。またサボりそうになっていました。

私の生徒には、同じエチュードをある一定期間をおいてから、復習させることが多いですが、本人がそのエチュードを練習したことを忘れていることが多いのです。

例えば、一年前にやっていたカルカッシをソルを終了したあとに復習・・・というときに、「え?この曲本当に練習しましたっけ?」という生徒が多いということ。

不思議なことに『指は覚えていて』以前よりはスムーズに弾けることが多いのですが。

何故か、私のほうは、その生徒さんと一緒に勉強したエチュードのことが覚えていて、そういえばこの音は切らないように・・・って言ってよな〜、とか左手の運指を決めるように言ったよな〜、とか覚えているわけです。

おそらく、あるエチュードをやるたびに、そのエチュードをやった生徒のことを思い出しているわけで、あ!このエチュードはあの生徒さんに先週レッスンしたな〜とか思い出しながらレッスンしているわけですね。

そういう意味で、この生徒さんはこのエチュードをやった・・・というよりは、このエチュードはあの生徒さんが弾いていたな〜という発想なのです。

あるエチュードに対してのケーススタディの例がたくさんある・・・という状態。それを生徒さんとのレッスンで記憶の奥から引き出すという過程があるので、生徒さんよりも覚えているというわけですね。

自分でこれに気づいたとき、結構な発見でした。

 

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