6月1日、日曜日はひたちなか市アコラさんの主催で、「レヒーノ&エドゥアルド・サインス・デ・ラ・マーサのギター作品について」というテーマでレクチャー&コンサート。

お話を頂いたとき、「面白そう!」と思って、いろいろと調べてみました。楽譜などの資料は今までライフワーク的に集めてきたのですが、バイオグラフィー的なものがなかなか少ないです。それでも、資料の断片などから、じょじょにレヒーノとエドゥアルドの実像が見えてきました。

この資料が少ない…という点が、やはり彼らの作品が普及していない理由であると思います。また技術的にもかなり難しい部類に入る作品が多いですね。ざっと弾いてみると、左指の拡張、和声の扱いにおいて両者とも独特なものがあります。

あと、もうひとつ楽譜の出版が安定していないこと…これが一番の問題点なのかもしれません。最近はウニオン・ムシカルなどもやる気を出していて、両者の選集を出しているので、楽譜は入手しやすくなったかもしれません。それまでは「ロートレック讃歌」や「盗賊の歌(エドゥアルド編)」などですら幻の作品…といった風情でしたから。

エドゥアルドの作品においては、いまだに「コンフィデンシア」や「グリーンスリーブス」などは絶版状態でしょうね。とても良い作品なのに残念ですね。

レヒーノのロンデーニャあたりも、「アンダルシア寸描」「アンダルーサ」を組み合わせないと“使い物にならない”…という状態。昔ホセ・ルイス・ゴンサレスの録音を聞いて、あまりにも楽譜と違うので、探っていったら上記のようないろいろなバージョンがあって、レヒーノ本人はさらに違うバージョンで弾いていた…ということでした。私は師匠である手塚健旨先生(レヒーノの直弟子)から、いろいろ教えていただき、今演奏しているバージョンになっているわけです。

レヒーノという人は自作を結構出版後もいろいろいじくっていたようです。「あ、これはいらないや」とか「これはくどい!」とか「これ付け加えよう!」とか演奏会のたびに改編していったのでしょうね。それを弟子は口伝という形で継承しているようです。

他人の作品も結構改編していますね。ヴィラ=ロボスのショーロス1番などもレヒーノ編というのがあります。低音の扱いなど、けっこう格好いいので、私はこのバージョンで演奏することにしています。

エドゥアルドの「暁の鐘」も、レヒーノのアドバイスでコーダ部分が出版譜と違います。これになれると出版譜のままでは“ちょっと物足りない”感じがしてきますね。

アコラでのレクチャーでは27年世代との関連、スペイン市民戦争、セゴビアとの関わりも交えて進行しました。このあたりも面白いのですね。実に。

…というふうに予定よりもオーバーして講演してしまいました。

その後、両者の作品の演奏だったわけですが、なかなか脳みその切り替えが難しかったです!…このあたりは演奏家としての研究課題ですかね。

2008年6月1日のプログラムは以下です。

ロートレック讃歌(エドゥアルド)

ドロール(ドノスティア〜レヒーノ編)

プラテーロ、死、散歩、狂人(エドゥアルド)

ペテネーラ(レヒーノ)

ロンデーニャ(レヒーノ)

暁の鐘(エドゥアルド)

ハバネラ(エドゥアルド)

 

以下はおまけ。

バムケースを探せ、勝田駅編です!

バムケースを探せ!勝田駅編
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上記クリックすれば、拡大するので、すぐに分かると思います。ひとりだったので、なかなか撮影が難しかったです…。

 

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