ギターレッスンと演奏の日記 from 富川ギター教室

クラシックギターの「伝道師」富川勝智のギター教室でのレッスン活動と演奏活動の記録です。

エドゥアルド・フェルナンデス

2019.8 新サイトOPEN!
https://tomikawaguitar.com

富川ギター教室(東京渋谷) https://tomikawaguitar.com
https://tomikawaguitar.sakura.ne.jp/wp/lesson/
※他に池袋現代ギター社でもレッスンしています

お仕事依頼&お問い合わせは下記メールへお気軽に!
tomikawaguitar@gmail.com

左手の筋感覚を極める!(8月3日ワークショップ)

8月の日曜ワークショップは「左手のスムーズな押弦」について行います。
和音の押さえがうまくいかない…ポジション移動後の和音がうまく押さえられない…といった悩みを解決するための講座です。

やっと当日のレジュメも完成!

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アイデアはエドゥアルド・フェルナンデスの方法に基づいていますが、それよりも更にブラッシュアップ+シンプルにした形で皆さんにお伝えしたいと思っています。


エドゥアルド・フェルナンデスの本についてはこのブログでも紹介したことがあります。ご参考にお読みください。こちら

左手のスムーズは和音連結は基本的なポジショニングと縮小と拡張の組み合わせと綿密な分析ができれば誰でもできます。

その場その場で和音の指の形を考え、その都度瞬発的に押さえて行く方法では限界があります。もちろん、この方法で何百回も繰り返せば、「指自体」が「次に何をするか」「どのような動作をすればよいのか」覚えて行くということは事実です。従来はこういう方法で何回も弾き、指に覚え込ませて行くという練習法がスタンダードでした。

ですが、数をこなすことによって、指に覚え込ませて行くという方法は指への過度の疲労を与えます。もっと効率よく、先を予測して指や腕が「次に向かう指板上の場所へ向かう」感覚を持つことができれば!…それを精緻に分析したのがエドゥアルド・フェルナンデスの方法論です。

居心地のよい場所=ホーム。ここに居たくない場所=アウェイ。

この考え方を指板上の指や腕の動きに応用します。ある和音から次の和音に向かおうとするときに、先の和音を押さえている段階で、「アウェイ」の感覚に持って行きます。次の和音に早く行きたい!…という感覚へ指や腕(もしくは全身)をもっていくわけです。次の和音がホーム。なので、はやくそこへ行きたいという筋感覚を作ってしまえば、先の和音を弾き終わった後、スムーズに次の和音に移ることが可能です。

参考書はこちらです。



8月3日のワークショップでは実際にこの本の考えに基づいて講義を行いますが、よりシンプルに、そしてタブ譜を用いて分かりやすい方法で説明します。初心者でも基本的な考え方が実際の演奏に応用できるようになるように説明いたしますので、ご心配なく。中上級者の方はこの本を講義後にでも読んでいただければ、本の内容がスムーズに入ってきて、更にケーススタディを積み重ねることができます。

あと、左手の準備を分かりやすくするため(分析のため)にギターTAB譜スタンプを使います。関連記事はこちら。(当日はみなさんへ印刷したTAB譜スタンプを配布しますので準備しなくても結構です。)


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こちらのビデオを見ると、より今回のワークショップの内容がわかるかもしれません。もっともっと具体的に&もう一歩先の内容にはなるとは思いますが、ご参考に。



左手の押弦、和音のスムーズな連結を目指す方、是非ご参加ください。
会場、時間などはこちらのブログをご覧下さい!



 


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指板上の指の動きを整理する!〜エドゥアルド・フェルナンデスの方法論

昨日、ワンレッスンにてこの本を参考書として勧めました。実際のレッスンでは私が口頭で難所克服の解決方法として、実際にその方が取り組んでいる楽曲で「決まっていないところ」を取り出して説明しました。












出版されたのは2000年ちょっと後。海外から取り寄せて読みました。左手の指の動き、 準備について、ポジション移動について…参考になる方法がたくさん書かれています。
指盤上の指の動きを指盤の垂直位置、水平位置でしっかりとわけて整理をする。そして、ポジション内での指の縮小と拡大を整理する。

筋感覚をしっかりと感じて、縮小と拡大を事前に予測すること…

非常にロジカルな本であり、順を追って読んで行けば、非常に分かりやすいです。トローバやソルの曲で実例が示されていますので、音に出しながら研究していけば、かなりの理解を得られます。

ただし、以上のように説明すると、難しそうな本ですね〜!という方が多い。

レッスンで生徒さんに教えると、それほど難しい話ではないです。「なるほどね〜」って誰もがなります。決まらなかった和音の押さえが、大概は解決します。そしてミスがなくなります。生徒さんが持って来た楽曲のなかで「なかなか決まらないんですよね〜」という和音の押さえなどを取り出して、私がこういう風に処理するんだよ〜って実例を示すとほとんど解決してしまいます。

レッスンを受けた方は、これは凄い!…と言ってくれます。

もちろん、これは魔法ではありません。事前に適切な運指をふる事&その後、もっと効率のよい運指に変更できる柔軟性、考え方を整理できる知力と時間…丁寧に練習しなくてはいけません。また、無意識になりがちは「筋感覚」を研ぎすます作業も必要となってきます。

ただし、正しい練習方法が分かってくると思います。このような方法論を知らないと、ミスを呼ぶ練習をずっと続けて来ている可能性もあります。

伝統的なメソッドでは、「左指の準備」というふうに呼ばれて来た方法論ではありますが、ここに指の縮小と拡大と筋感覚をプラスしたところに、このエドゥアルド・フェルナンデスのメソッドの素晴らしさがあります。

是非、購入の上読んでみてください。もしくは私のところにワンレッスンに来ていただければ、あなたのやっている楽曲の中でこの考え方を体感していただけると思います。

考えてみれば、年始に「教材研究」したときも再読していた本ですね。
こちらのブログ記事

…レッスンの中で教材で学んだ事を吐き出して、また教材を読んで整理。レッスンをしていくことは、常に学ぶことでもあります!



 


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ペペ・ロメロの教本 再刊!

巨匠ペペ・ロメロが1981年に出していて、ギタリストのあいだで「幻の教本」になりつつあった「La Guitarra」がやっと復刊されました。

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(ロメロ教本は一番左です)

ギターテクニックと演奏法についてペペ・ロメロが説明した本です。身体の動作の基本から、右手のタッチについて、左手の押弦について…細かく説明されています。奏法理論の本であると言っていいでしょう。

そのベースメントは彼の父であるセレドニオ・ロメロから伝授されたものです。そして、その奏法はタレガ派の流れを汲むものです。

このロメロ教本の中では、弾弦法や左手の機能などについて実に理論的に書かれています。『とりあえず音を出してみよう!』というノリの初心者用教材ではないですし、実に現代的です。その語られている内容は今や現代奏法のバイブルと言えるスコット・テナント著の「パンピング・ナイロン」と矛盾はまったくありません。(テナントとペペは師弟関係というのもその理由のひとつとして考えられます)

プランティング…という言葉もすでに1981年の時点でペペは用いています。余談ですが、プランティングという言葉こそ用いていませんが、我が師匠の著作「ホセ・ルイス・ゴンサレス テクニックノート」にもプランティングの記述があります。プランティングは決して最新の奏法などではなく、タレガ自身のメソッドの中にあったのは間違いありません。テクニックノートでは「準備」というふうにさらっと書かれているので気づかない人も多いかもしれませんね。
タレガがプランティングを用いていた事は、弟子達の口伝で伝わってきています。そう考えると、タレガがきちんと体系だって書かれたメソッドを残してくれなかったのは残念でなりません。

年末年始とこのロメロ教本を熟読して、その理知的な文章からかなり脳内の整理をすることができました。伝統的な奏法が決して現代的な奏法と矛盾するものではない!…ということが確認できました。また機会があれば、その内容などはブログなどにまとめてみたいと思います。

さて、話は変わりますが、年末にある生徒さんから「カルレバーロ奏法の演奏法の原理はどこで買えるのでしょう?」と尋ねられました。現在、絶版だそうで、Amazonなどでは8000円程度のプレミア値段になっているようです。信頼できる生徒さんだったので(苦笑)、年末年始の勉強用に貸してあげました。上の写真では一番右のものですね。

昨日その生徒さんとのレッスンでした。きちんと年明けに返却してくれました。「理解できた?」と訊いたら、「先生が普段教えてくれることから類推しながら、“翻訳”を“翻訳する”感じで読んだら、だいたい分かりました」とのこと。私はスペイン語で留学時に読んで、その用語の堅苦しさに辟易したものです。とある講習会に出席したときカルレバーロ奏法に詳しい受講生がいたので(カルレバーロの弟子の弟子だったのかな?)、これはチャンスだ!と思ってあれこれ質問してだいぶすっきりした記憶があります。分かってしまえば、あ!なるほど、そのコツね!…という感じで、右手も左手も非常にオーソドックスなギター奏法に則っていることがわかりました。

もちろん、既存の奏法を体系づけたのはカルレバーロの功績であるといえます。

つまり、カルレバーロ奏法とはいっても、巨匠達が口伝で伝えてきたコツを体系化し、理論づけただけなのです。

そこで思い出したのは、カルレバーロ理論をもうちょっと一歩先に進めたもの。エドゥアルド・フェルナンデスの教本です(上記中央)。この本は右手のテクニックについて、カルレバーロとは違ったアプローチをしていますね。関節の固定化についてはより体験的なアプローチで実感できるように編まれています。

左手に関しても、『ゼロ・バージョン』理論を見事に実践しています。指板の垂直方向と水平方向の動きを分化して最終的に組み合わせて行くという理論です。この理論(というよりは考え方)は、ギタリストによっては「セット」(左手の準備)という言い方をされることが多いです。左手の平行ポジションを基本として、そのバリエーションを考えるのが基本ですね。いずれにしても、ここまで理論化し、具体的に説明できるのは実に素晴らしいです。実際に楽曲を用いて解説してあるので、英語の原本でも理解しやすいと思います。

Eduardo Fernandez: Technique, Mechanism, Learning (Guitar Heritage (Mel Bay))
Eduardo Fernandez: Technique, Mechanism, Learning (Guitar Heritage (Mel Bay))

…という感じで、年末のロメロ教本をきっかけにギター奏法本を紹介してみました。…そう考えると、いずれ僕も教本をまとめてみたいなあとは思っています(実はこそこそと書き進めてはいます)。

富川勝智

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