ギターレッスンと演奏の日記 from 富川ギター教室

クラシックギターの「伝道師」富川勝智のギター教室でのレッスン活動と演奏活動の記録です。

コゲット

2019.8 新サイトOPEN!
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富川ギター教室(東京渋谷) https://tomikawaguitar.com
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※他に池袋現代ギター社でもレッスンしています

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19世紀ギターという楽器〜当時の音を楽しむ

さて、今週末ですが、19世紀オリジナル楽器を用いたギターデュオコンサートを行います。

僕が使う楽器は以下の二台。
 

コゲット:製作年1820年ごろ? 弦長630mm

プラッテン為書きラベル テルツギター:製作年1880(ロンドン) 弦長510mm


コゲットは通常の19世紀ギターです。弦も6本、調弦も音域もほぼ現代のクラシックギターと一緒です。弦長がちょっと短めで、内部構造も現代のギターに比べればシンプルです。

写真でご紹介。向かって左がコゲット。右がテルツギターです。
コゲット&テルツ
 

















テルツギターは「3カポをつけた調弦」になっています。

つまり、1弦から、ソーレーシ♭ーファードーソとなっています。つまりフレット三つ分だけ普通のギターより音高いよーってことで「テルツTerz」、英語でいう「THIRD」ということですね。このテルツギターは19世紀半ばに特にウィーンにて流行した楽器です。弦長をみてもわかるように大きめのテナーウクレレといった感じですね。

ウィーン派の19世紀古典音楽にはたくさんのギターデュオがありますが、「テルツギター&通常ギター」のアンサンブル曲がたくさんあります。ジュリアーニやディアベッリなどもたくさんテルツ&通常ギターのための作品を書いています。ウィーン派とはいえないですが、メルツのギターデュオのほとんどはテルツギター&通常ギターのために書かれています。


現在でも特注すればテルツギターは作ってもらうことができますが、まず楽器店などで見かけることはないです。もちろん通常ギターにカポタストをつけて演奏することは可能ですが、響きやプレイアビリティが変化します。テルツギターのために書かれた曲は12フレットを用いることが多いという点も注意すべき点です。これはカポをつけると15フレットになります。ジョイントがあるので、これはとても弾きにくい!…なのでテルツギターを使う理由にはプレイアビリティの点があげられるわけです。


2/27と28のコンサートは、19世紀のオリジナル楽器+ガット弦で行います。つまり「当時聴かれていた感じにとても近い」わけです。といっても、共演者の長谷川郁夫さんも僕も「再現性」を重視しているわけではありません。ふたりとも、「当時の音楽はどんな感じだったんだろう?」と好奇心で動いていったらこうなっちゃった…という感じです。学術的にどーのこーのというわけではありません。


でも、当時の響きや、いまは忘れさられてしまった「音楽の楽しみ」を感じることができると思います。
 

是非、コンサートにおいでください。
20150227-28表


















20150227-28裏

明日はライブです!(19世紀ギターの夕べ)

2009年9月天真庵ライブチラシ

やっと明日の19世紀ギターライブのための楽曲を決めました。

これで「ぱーと3」です。1回目と2回目と重複する曲もありますが、新曲もあります。マティエカ、ジュリアーニなども弾いてみたいと思います。

あとは(みんなが嫌いな)カルカッシの25のエチュードからも抜粋に弾いてみたいと思います。これは教材としてやると「キライだなあ!」と思う人も多いはずですが、実に魅力的な曲集だと思います。カルカッシのイタリアンな魅力が分かってくると、美しい作品が多いことに気づくはずです。

毎回、プログラムは悩みます。

初めて聴いた人でも、楽しめる…そして、すこしでもギターの歴史や当時の雰囲気が感じ取れるようにと考えます。

ああ、江戸時代くらいにこんな音楽が西洋では聴かれていたんだなあ…と思ってくれればいいのです。そして、その当時の情景を思い浮かべてくれればいいなあ、と。

使用楽器は1830年(推定)頃に作られたコゲットです。

いろいろとメンテナンスが必要ですが、素晴らしい楽器です。最近、音にまた変化がでてきて、弾いていて飽きない楽器です。オリジナル楽器というのは実に奥深い。

19世紀ギター

色もいいでしょう?

170年以上の色味です。


場所は押上の天真庵

定員15名ですが、昨日の時点ではまだ若干残席があるようです。予約した方しか入れませんので、お早目にどうぞ。(お店へ電話してくださいね)


詳細は上記のチラシをクリックしてください。

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19世紀ギターの醍醐味

090910_2345~01

今月25日は天真庵でのライブです。19世紀ギターを使います。

もちろん普段は普通のギターを使用しています。

ひさびさに2台ならべて写真を撮ってみました。

左が19世紀ギターのコゲット君、そして右が1929年生まれのサントス君です。コゲット君の詳しい生年は分かりませんが、その作りなどから推測すると1830年前後だと思います。

私のライブなどを聴いてくれた若手ギタリストのなかにも、影響をうけてこの世界に「手を染めつつある」人が増えています。

という感じで、現在19世紀ギターは人気となってきましたので、オリジナルを入手することは現在は難しくなってきました。
なので、レプリカを使用する人も多いのですが、やはりいかに精巧につくられたレプリカでも「何かが違う」と感じます。それがなんなのか分かりませんが、とにかく「音を引き出す」感覚が違うというか…。

オリジナルはやはり面倒な部分も多いです。やはり不調になることも多いです。でもレプリカにはない「不思議な音色」がする瞬間があります。これがあるともう病みつきです。

同様のことを古楽奏者である竹内太郎さんも仰っていました。「眠っていた音がぽんと出てくる瞬間がオールド楽器の醍醐味」であるということでした。

藤井眞吾さんもブッフェルというオーストリアの19世紀ギターを持っていますが、この点で共通した考えを持っています。藤井先生のブッフェルを弾かせてもらったときは「爽やかな風のような音」がしました。まさにオーストリア!(勝手なイメージですが…)というサウンド。

私のはちょっとフランス風の「もったり」だけど「すかん」という感じももっている楽器です。

ということで、そのあたりを感じたい人は是非ライブへどうぞ!

みなさんが普段練習しているソルやカルッリなども「ちょっと違う感じ」に聴こえてくるはずです。

場所は押上の天真庵。御予約はお早めに!


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19世紀ギターライブ満員御礼!!

2月27日(金)は押上にある天真庵でのライブでした。

19世紀ギターオリジナル「コゲット」を用いてのライブです。食事付です(とってもナチュラル&美味しい!!!)。

会場へ向かう途中、ああコーヒーを焙煎するいい匂いがするなあ…と思っていたら、天真庵でした。

あいにく雨の日でしたが、こういう日に街中に香るコーヒー豆の匂い…いいですね。さっそくリハーサル中にそのコーヒーとパンをいただきました。はあ、美味しいです。普通ですが、美味しいです。

築60年の長屋を改装したという店内。情緒あります。

天真庵ライブ

立奏です。なんだかんだいって、立奏は楽です。呼吸が。足も自由に使えますし、音楽の流れを体全体で感じることができます。

天真庵ライブ2009年2月27日 4

お客さんとの距離は近いです。ご来場いただいた方は、ちょっと料理をつまみながら…お酒を飲みながら演奏を聴くことができます。こういう雰囲気で19世紀ギター…いいでしょう?

天真庵ライブ2009年2月27日 6

レパートリーは、ド・カル、ディアベリ、ソル、コスト、ボッシュ、フェレール…という感じ。おそらく19世紀ギターにはあまり縁のない方が多いでしょうから、簡単にクラシックギター史を説明しながら、演奏を進めました。

聴いている方は、大まかなスタイルの変化、作曲家毎の個性の違いが感じられたのではないでしょうか?

天真庵ライブ2009年2月27日 2

店の奥のほうにカウンター席が10席弱。厨房の中で腕組んで聴いているのが、天真庵庵主の野村さん。しっかりと人間そのものを愛してくれる…そんなナチュラルさを感じさせる方です。この「普通さ」がこの店を居心地のよいものにしているのでしょう。

天真庵ライブ2009年2月27日 1

終演後ですが、店の一番奥のほうにいたお客さんのために、ちょこっと簡単な曲を弾いています。距離がある場合と近距離の場合…音色の違いを聴いていただきました。サービスです。

 

予約満席…ということでしたが、当日はあいにくの雨。しかも寒い。

ちゃんとお客さん、来てくれるかなあ…と心配でしたが、きちんと全員そろいました。嬉しかったです。

今回、予約満席後も多くの問い合わせを頂いたようです。なので、また同じ場所で、また違った趣向でやってみたいと思います。とにかく、このお店は雰囲気が好きです。それでここでやるなら、19世紀ギターでやってみたいと思ったのです。

で、ずばり「はまりました」。

演奏している側としても、とても素敵な時間を頂けました。

普段はカフェとしても営業しています。お近くの方は(近くじゃなくても)行ってみる価値がある場所です。みなさん、是非行ってみてくださいね!

 

長屋茶房 天真庵 (てんしんあん)
東京都墨田区文花1-6-5
営団地下鉄半蔵門線 都営地下鉄浅草線 押上駅 徒歩10分

03-3611-1821
http://www.tenshinan.jp/cafe/


 

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メルツのギターデュオ作品コンサート終了!!

昨日のコンサートのレポートです。

うーん、楽しかったです。テルツギターと19世紀ギターのデュオ曲、しかもすべてメルツ!というマニアックなコンサートでしたが、ご来場の方も楽しんでくれたようでなによりです。

写真をどうぞ。

テルツギターデュオ1

共演の尾野桂子はコゲットを使用。

メンテナンスしたばかりで、実に調子よかったです。

 

 

テルツ&富川1

 

小型なので、ちょっと前傾気味になるのが、結構問題とはいえば、問題。

ストラップも試しましたが、やはり楽器のアングルなどを考えると足台という結論でした。

 

 

 

テルツギター&富川2

ハーモニクスも使います。

こういう写真をみると、本当にテルツ君、かわいいですね。

抱きしめたい…そんな気持ちになってしまう音色と大きさです。

 

 

 

テルツギターデュオ客席から

客席から。

ほどよい人数だったので、アットホームな感じで進行しました。

 

 

テルツコンサートMC中

途中、MCをはさみながら…

裏板を見せているところ。19世紀ギターは材料の雰囲気も魅力のひとつ。

 

 

トータルで1時間ちょっとのコンサートでした。途中MCをいれてレクチャー風に進行しました。

終演後、興味のある方にテルツと19世紀ギターを触っていただきました。みな触ると嬉しそうな顔になります。やはりその形と音色にひきこまれているようでした。

やはり19世紀ギターの魅力はコンサートを行わないとわからないかもしれないなあ、と実感しました。またやってみたいと思います。

(演奏曲目)

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セレナーデ

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3つのエレジー〜愛する人の墓で、あなたを想う、葬送行進曲

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