ギターレッスンと演奏の日記 from 富川ギター教室

クラシックギターの「伝道師」富川勝智のギター教室でのレッスン活動と演奏活動の記録です。

セーハ

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セーハ克服のポイント〜忘れがちなポイントをいくつか…

「セーハ」(バレー)を教えるときのコツを「教えて欲しい」というリクエストが地方に住んでいるお弟子さんからあったので、メール返信しました。せっかくですので、このブログを読んでいる方にも役立つかなあということで、そのメールの内容を再編集して、まとめてみました。

セーハについては以下のことを意識して練習してください。この三つの点に関しては無意識な方がとても多いです。セーハは筋力でも慣れでもないのです!

1:腕の重さをしっかりと使っているか?
2:左手人差し指の「そり」具合がきちんと調整されているか?
3:左手のポジショニングがしっかりと意識されているか?

1に関して。以前このブログに腕の重さを用いたセーハの克服法を書きました。それを参照してください。

2に関して。例えば、セーハといっても、1弦と6弦だけを鳴らす必要しかない場合は、人差し指の「そり」はほとんど必要ありません。ですが、コードでいえばFm7のように5弦の3フレットだけ押さえればよい場合のものの場合は、「そり」がしっかりとしていないと「びりつきます」。

ほとんどのギタリストが知らない練習法ですが、指の「そり」=「弦へ密着する指の形」を獲得する練習はあります。かつて僕が「極楽クラシックギター」というヤマハミュージックメディアからでたムック本でも紹介しました。現在非売であり、この練習方法を紹介した本は国内でみたことがありません。なので、ちらっとご紹介いたします。
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3に関して。セーハという技術を1の指(左手人差し指)だけの問題だと思っている人が多いです。実は1指から4指までの「独立」と正しいポジショニングができていないと、セーハが関わってくる和音を押さえることができません。

セーハが苦手が方はポジショニングと指の独立(例:ホセ・ルイス・ゴンサレス ギターテクニックノートの第5章にあるような練習)ができていない場合が多いです。

なので、このテクニックノートの「セーハ」の項目には以下のようにセーハを押さえながらスケールを弾くという練習が提唱されているのです。こういった左手各指の独立ができていることがセーハを楽曲の中で使うための前提となるのです。
IMG_0134


















以上のことに関しては、12/24に行われる「ホセ・ルイス・ゴンサレス ギターテクニックノート講座〜左手編」でもふれてみたいと思っています。具体的にどういった練習をするんだろう?と疑問に思った方は是非、参加してみてください(詳細はこちら)。




 


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セーハについてのご質問

最近はブログの更新も滞っております。その合間にコメント欄にギターの奏法に関するご質問がありました。コメントのところで回答するのもなんですし、記事の内容とは無関係ですので、別枠で回答いたします。

これを機会にいいますが、今後このような記事に無関係な質問はメールにて送っていただければと思います。教室電話はコンサートのチケット申し込みや教室入会の問い合わせだけにしか対応しておりません。

またメールを頂いたからといって、全てに回答するわけではないことを予めご了承ください。できるだけの回答をしたいとは思いますが、教室に在籍している生徒さんとの対応を一番に考えております。

しかし、ギターを学んでいる皆さんのためになるだろうと思ったネタはこちらのブログで取り上げていこうと思います。

どちらにしても、個別の対応は「個人レッスン」で行なうのが私の考えだということです。

さて、ブログコメントの質問です。
 

1番気になっているのはセーハ時にガチガチに力が入ってしまうことです。現状は右腕でギター本体を押さえつけ、左腕に力こぶができるくらい引っ張るようなやり方をしてます。イメージとしては弓のようにギターをしならせるといった状態です。

そもそもセーハというのは右腕でギターを固定していない状態でもできていないとダメなのでしょうか?

実際に富川先生のレッスンを受けてアドバイスを頂けたら最高なのですが、住まいが遠方のためそれも難しい状況ですので、この場をお借りして質問させて頂いた次第です。

ちょっとしたことでもアドバイスを頂けたら幸いです。


簡単な回答・・・まず「右腕でギターを固定していないとセーハができない!」というのはまずいです。
何故まずいかというと、右腕は独立していなくてはならず、「腕の自然な重みでギターのボディのところに“一時的に”置いてある」という状態でなければならないからです。

右腕とギターのボディとの接点を一点にして、前腕部分だけを振り子のようにして、高音弦側と低音弦側をフォローするという弾弦法もあります(従来のスパニッシュスタイルですね。タレガなどのスタイルです)。しかし、これは右手タッチのアングルが一定しないので、音色のコントロールが難しくなります。

現代的な奏法では、ギターと右腕の接点はフリーにすることがポイントとなってきます。そのことによって、高音弦であろうが、低音弦であろうが、均質なタッチで弾弦動作を行なうことができます。

これは勘違いしないでくださいね。一時的には腕の自然な重みでギターのボディと右腕は接しています。上記の「フリーな状態」というのは、「自由に位置を変化できる」ということです。

ということで、右腕全体でギターのボディを「常時押し付ける」のは避けるべきアクションということになります。

さて、上記を踏まえたうえで、セーハのポイントは以下3点。

1:左手の重みだけでも、セーハをかけられること。
2:そして、そのためにはギターの指盤を床面に対して垂直にするのではなく、若干上を向けることです。
3:楽器の弦高などをチェックする。

1に関しては、左手の親指をネック裏から外したとしてもセーハをかけられるバランスを見つけることです。

2に関しては、上記に関連しています。1指を伸ばして、指盤の状態が床面に対して垂直であれば、腕の重みを用いて人差し指を「ひっかける」ことができません。

ギター表面板を床面に対して垂直にするというギターの配置の仕方はお勧めできません。これは音響上においても良い効果はありません。楽器はいわばスピーカーです。サウンドホールが若干天井方向を向いているほうが音の抜けはいいのです。

セーハできない人は、ギターの表面板を地面と垂直に(つまり90度に)していることが多いです。そうすると、セーハをかけようとするときに、腕を引くようにして自分の後方向にネックをひっぱることでしかセーハをかけることができないようになります。

言葉だけだとわかりずらいので、絵を描いてみました。

100128_2308~01














(悲しい絵です・・・それはさておき・・・)

上記のようにすると後方に引くことでしかセーハをかけることができません。もしくは人差し指の力で弦を指盤に押し付けるしかないでしょう。腕の重みを使いたいとしても、「指がひっかからない」ので、不可能です。

また上記☆印のところが曲がってしまって、指を動かすための筋の動きを阻害して腱鞘炎にもなりやすいのです。

さて、私がお勧めするのは、以下のアングル。(次の絵も悲しいです・・・)

100128_2309~01














絵をみれば一目瞭然です。腕の重みを床方向に向ければ、ひとさし指は自然に弦を指盤上に押弦することになります。つまり腕全体の重みを弦の押弦に利用できるということです。

このバランスさえとれれば、右腕でギターなんか押し付けることはしなくても、セーハは可能です。

以上です。

いかがでしたでしょうか?

セーハのコツ・・・というかポイントですね。

みなさんも是非考えてみてください。

ギターの構え、アングル、そして右手はどうあるべきか?・・・ということもトータルに考えなくては実はセーハはできないということも、考えてみるとよいです。

質問者さんのようなセーハのかけ方をしていると、右手の自由度が失われます。気をつけてくださいね。


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レッスン覚書ミニ〜2009年2月23日〜24日

  1. ジュリアーニ、アレグロ・ビバーチェ。やはりアレグロ感を出すには、原語のニュアンスを感じるようにしよう。テンポ感、歯切れの良さ…きちんと考えてやらなりと短調なので、あまりにも暗くなる。暗く聴こえたらアレグロではないかもしれない。
  2. ソル、Op.35−4。旋律の始まる要素をはっきりと認識。4分の3拍子であるがメロディーが2拍子系のところが多い。2拍目裏からメロディーが開始(再開)されるときには、「?」という感じが欲しい。旋律の扱いが難しい曲である。特に和声構成音でつくられたメロディーの場合は伴奏声部に埋もれないような工夫も必要。
  3. セゴビア編ソルエチュード。2番。メロディーをすべてアポヤンドで。タッチに気をつける。特にa指の関節の状態をチェック。棒状の伸ばしすぎたり、ひっかきあげたりしないこと。腕はあくまでも指のバランスをとるための「支え」として機能すること。指は第一関節から可動させること。そしてそのアポヤンドでの音質を記憶にメモリー。できるだけ同じ音圧でアルアイレで弾けること。これがとっても重要。その後アポヤンドとアルアイレの差異は各自て研究していけばよいが、原則としてアポヤンドとアルアイレで同じ音色がでるタッチを基本と考えるべし。その後アポヤンドらしい音色、アルアイレらいい音色…2種の差異を取り入れていくことが初心者にとっては重要なことである。
  4. メロディーに簡単なハーモニーをつける。ドとミでCコード。シとファでG7。これだけでも音楽を楽しめるようになることが初心者にとっては大切。
  5. カルカッシ、ウェーバーの主題による変奏。非和声音を学ぶのに最適な曲。なんだかんだカルカッシの曲は非和声音が効果的に使用されている。あの(悪名高き)カルカッシ25のエチュードであっても、そのことに留意すれば音楽的にかなりレベルの高いレッスンは可能である。
  6. ターレガ編「アベ・マリア」シンプルであるが、効果的なアレンジ。中級者のレパートリーとしていいかも。
  7. セーハ。どの音がでればいいのか常に考える。1弦と6弦だけ押さえる必要があるのであれば、2弦〜5弦はミュートするだけでよいのである。
  8. 全音版コスト43のエチュード。おわりのほうにドロップDの曲がたくさんある。この調弦の練習には最適である。
  9. タッチ。腕全体で場所を定めてから弾弦行為を行なう。2弦から1弦にいくときにも、そのことに気をつける。近い弦を連続して弾くときほど、指だけで次の弦に向かってしまい腕のバランスを忘れてしまう。的確なタッチの持ち主はどのような場合でも腕とのリンクを保っているものである(一見そうはみえなくても)。
  10. ギターの銘器をもっている生徒さん。何故か教室のギターで弾いても、似た感じの音がでる。このあたりは「そういう音」を求めているから…なのだろうなあと思うしかない。良い楽器はやはり早めに入手しておくべきである。

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レッスン覚書ミニ〜2009年1月10日〜13日

  1. サグレラス「マリアルイサ」。初心者脱出の定番曲。出版譜の「C」の記号はセーハであるが、校訂者によって全セーハの場合と半セーハの場合が区別されていないことがある。これに注意。最近の出版であれば、半セーハの場合はCに縦線の場合が多いが、昔のものは全セーハも半セーハもすべて「C」で済ましていることが多いということ。上記の曲、ギタルラ社青本と現代ギター発表会用ギター曲集を比較してみるとよく分かる。
  2. アルペジオは「分散和音」。では「和音」とは何か?…初心者の生徒さんはこのことをしっかり意識して、どの音をどこまで伸ばすか考えることが大切。
  3. 爪が割れた!…しかし「怪我の功名」で右手の爪の形がしっくりとはまることもある。グロンドーナも似たようなことを言っていました。
  4. 全音カルッリ45の16番。低音のつなぎ方。複数の弦にまたがる場合、前の音を残しながら次の音を発音が原則。
  5. デラマーサ。プラテーロと私の「散歩」。テンポ指定をよくみること。四分音符が基本の「歩み」となっていることが分かる。新発見!(ほとんどの録音がこのテンポを無視しているかも…)
  6. 音階練習。右手タッチを安定させるためには、Pをどこかの弦においておくこと。弾弦すべき弦の隣の弦が基本。慣れてきたら外す。
  7. アルペジオのリズムが整わないときは、最小音価にメトロノームのクリックを合わせ、じょじょにテンポをあげてリズムをまとめていく。八分→四分→二分というふうに。
  8. フィゲタの練習。Pのiだけでなく、p-m、p-aでも行なうこと。そのとき上記3種のフォームが一定であること。手の甲がぶれないことにも注意。
  9. ポジション把握のために「指を残すルール」は実際の演奏では無視されることもあるが、初歩の段階の生徒の場合は厳守でいくことにしている。腕のバランスをマスターするまでは、指をポジション上に残すルールは徹底されるべきである。
  10. 基礎練習、エチュード、楽曲…私のレッスンの基本セットであるが、そのいずれの練習においても「美音」を目指すこと。その「美音」の定義は各自で考えることが前提。そしてその美音を目指して右手の爪の形状を、上記3種類の練習時にチェックしつづけることが重要だ。家での練習時に毎回爪の形を自主研究できるようでないと「美音」のマスターは不可能だ。
  11. 楽器によって養われる「耳」があることを忘れないように。
  12. 基礎練習、エチュードなどで注意されたことを、できるだけ楽曲(レパートリー)で応用できるかが上達のポイントである。今まで学んできたことを全て応用するつもりで楽曲にとりくみましょう。
  13. ソルの羊歯。左手のおおまかなフォーム2種。区別しておくと和音が連続する楽曲に有効。指が斜めになるもの&お手本的なフォーム。これらのフォームを流れのなかで、できるだけ統一していくことがミスを減らすポイント。要は左手のアングルをできるだけ一定させることである。
  14. aのタッチ。しっかりと弦の「向こう側から」動かすように。aに苦手意識をもっているひとは、弾くべき弦に「届かせようと」指を伸ばしていることが多い。
  15. セゴビア編ソル19番。イエペス編ソルエチュード1番。同じ曲。セーハのための筋力トレーニング(&脱力ポイントチェック)であれば、前者。効率のいいセーハのためには後者。イエペス編は何弦までセーハを押さえるか、どこで押さえるか…ということが明記されている。イエペス編のアイデアを借用してセゴビア編をやっても良い。
  16. アグアド、序奏とロンド。早いパッセージはパーツに分ける。初期の段階から各パーツを「インテンポ」で弾けるようにチェックしておくこと。あとは左手の親指を軸として残すようにポジション移動を練習していく。直感的に起動する運指を選択することが大切。

 

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「神の前にて」〜レヒーノとその作品

今年はなんとなくレヒーノ・サインス・デ・ラ・マーサの作品にはまっています。

今年6月にひたちなか市のアコラさん主催で「レヒーノ&エドゥアルド兄弟のギター作品について」というレクチャー付コンサートをしました。それがきっかけで、それ以降もはまっているわけです。

なんだかんだいってロンデーニャ…傑作ですね。演奏会で弾くたびに、そのテクニック上の難しさと音楽の深さ、そしてスペイン音楽の真髄を感じることができます。そのほかにもサパテアード、ペテネーラ…名曲ぞろいです。

で、その延長線上で、最近気になる作品。「神の前にて」というレヒーノが映画のために書いた作品があるのです。この中の「イディリオ(牧歌)」というのは、ホセ・ルイス・ゴンサレステクニックノートのセーハの項目に註として“お勧め練習曲”として取り上げられています。

(※シャープ5つという変り種…でも、とても美しい曲!…小品として単独で練習しても価値あります!)

その練習曲を生徒とともに弾いているうちに、ああこれはやはりいい曲だなあと思ったわけです。それで、最近、そのほかの曲もぼちぼち練習しているのです。

なんとなく「歌とカスティーリャ舞曲」に似たものもあり、あれこれはソルのエチュードに似たのなかったかなあ?と思わせるものもあり・・・意外に楽しく練習しています。しかし音数が少ないのが、逆に難しく、レヒーノ作品に共通の左指の拡張にも苦戦中…。

そして、たんたんとした感じが全体の曲調を掴みにくくしています。昔から、弾いてみたい曲ではあるのですが、なんとなく地味…それでいて細かい部分においては技術的難所が多い…。コンサートピースとしては華やかさがない…。

労多くして益少なし…なのかなあ?と思いつつ地道に練習中。

一体、人前でこの曲は演奏する機会はあるのだろうか?…と思いつつ、「神の前にて」というタイトルは格好いいなあ!…と思って、練習を続けているのです。

 

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