ギターレッスンと演奏の日記 from 富川ギター教室

クラシックギターの「伝道師」富川勝智のギター教室でのレッスン活動と演奏活動の記録です。

マスタークラス

2019.8 新サイトOPEN!
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富川ギター教室(東京渋谷) https://tomikawaguitar.com
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※他に池袋現代ギター社でもレッスンしています

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神成理さんのマスタークラス&演奏会・・・素晴らしかったです!

昨日はスペイン在住のギタリスト神成理(かんなりとおる)さんのマスタークラスと演奏会を当教室主催にて行いました。

マスタークラスは4名が受講。受講曲はエストレリータ、タレガのプレリュード、椿姫幻想曲、エンデチャ・オレムス、アランブラ宮殿の思い出。4名のレッスンを午後2時〜午後5時30分まで、休憩なく丁寧に行ってくれました。

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テクニック面に関しては、基本に忠実です。とはいっても、その基本のレベルは現在のギター界が忘れがちな「基本」かもしれません。だから、受講生に対する要求レベルはとても高かったと言えます。丁寧な話しぶりでレッスンを進めていましたが、受講生の方は「基本」の大切さを再認識したはずです。

例えば・・・基本はアポヤンド。アルアイレであっても、アポヤンドに極めて近い音色と音量をもとめること。このことは本当に現在のギター界では忘れられがちです。(これは僕もホセ・ルイス・ゴンサレス先生にしつこーく言われました)

左手のテクニックも左手各指の強靭さを要求していました。スラーやポジション移動、アラストレ・・・いずれのテクニックもしっかりとした指と腕の安定が必要となってきます。ある程度のトレーニングが必要になってきます。

音楽表現面に関しては、「ブレス」「コントラスト」「アゴーギク」を重視したレッスンでした。このあたりは流石、数多くの演奏会をこなしてきた神成氏ならではです。テンポの緩急のつけ方と「聴き手の印象に残る曲想」にしていく方法論が提示されました。これは僕もとても参考になりました。


さて、演奏会。これはマスタークラスの会場と同じ場所で行いました。定員30名でちょうどいい感じのサロンコンサート風の演奏会となりました。
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演奏会の感想は・・・「ギターって凄い」・・・これに尽きます。もちろん、練り上げられたリズムやフレージングにより音楽の流れ、構成感も素晴らしいのですが、クラシックギターの音色の凄さが感じられました。

それはまさに「巨匠ホセ・ルイス・ゴンサレス」を彷彿とさせるものでした。音圧が凄いのです。ギターという楽器の中から音が「ぼこっ!」と出てくる感じ。それでいて、遠達性がある音色。音圧と音色・・・これら二つの要素があって、抜けのよい音になるのですが、まさにそういう音でした。

そういう音があるから、立体感のある演奏表現が可能になるのだなあ、と思いました。

今回演奏されたなかで、エスタニスラオ・マルコの作品がお客様には好評だったようです。日本ではまだまったく知られていない作曲家です。かつてイエペスが「グアヒーラ」というマルコの曲を録音していましたが、その一曲でのみ知られていましたが、最近ホルヘ・オロスコ氏によって楽譜が再発見されて、piles社から楽譜集がでています。

楽譜はこんな感じ。

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オロスコ氏の録音も素晴らしいのですが、また違った切り口の神成氏の演奏を聴いて、ますます好きになりました。いずれ弾いてみたい〜!

・・・という、新しい楽曲への興味も湧いた今回の演奏会でしたが、やっぱり全体の印象は最初に「ギターって凄い」に尽きます。

今回、演奏会に来た方はクラシックギターの本当の音色を感じてもらえたと思います。チラシにも「ギターの本当の音色を!」と書いたのですが、まさにそのままの演奏会だったなあ、と。

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また、来日してほしいなあ!

マスタークラスから何を学ぶのか?

言葉の響き…人によっても違います。国によっても。


最近、言葉の響きのバリエーションが音楽のイメージを掴むのにとても大切であると感じています。
簡単に言えば、あるフレーズを歌おうとするときに、ガガガ(gagaga)と歌うのか、タタタ(tatata)と歌うのか、パパパ(papapa)と歌うのか?…元々持っているイメージがどのような「子音+母音」なのかを考えて弾くことが、ギターの音色感や音の立ち上がり感に影響してくるのだなあ、と思うわけです。

そして、その子音と母音の感覚は国毎に違うのかな?…と考えます。フランス人だったフランス人流の好みや嗜好があります。スペイン人も同様です。ドイツ人も。

極端な話、その嗜好が分からなければ、スペイン音楽に相応しい「歌い回し方」はまったく分からないとさえ言えます。


では、それをどのように身につけていけばよいのか?
 

各音楽家がどのようにフレーズを「歌うのか?」を少しずつ消化していくしかないような気がします。

ああ、この音は「パリラリターヤ!」と歌うのか!…と分かれば、その奏者のイメージが掴めます。そして、それが具体的に楽器の音色としてどう実現されているか?…優れた奏者であれば、その具体的な音から彼が心の中にもっている歌、つまりイメージが還元できるのです。


スペイン音楽であれば、優れたスペイン音楽の奏者の「歌い方」をよく観察することで、スペイン音楽の共通の歌い方と正しいイメージが形成されてきます。


海外に行って留学することも、そういう意味ではとても良いのだと言えます。海外現地の人々の言語感覚や音の響き…それを感じることで、その国の音楽をやる上でのイメージが湧いてくるのだと思います。例えばイタリアの街でオジさんが歌っている鼻歌にだって、イタリア人的な歌い回しが宿っているのです。


私は4年間スペインに留学しましたが、その点を意識し始めたのは2年経ったくらいの頃(遅かった…)。でも、最初の2年間習ったホセ・ルイス・ゴンサレス先生の歌い回し(実際のギターでの歌い回しも含めて)は、まさにスペイン音楽そのもの!…だったと思います。


その後、バルセロナでアレックス・ガロベー先生に習いましたが、ひたすら歌わされました。スラーをどのように歌うか?…フレーズの盛り上がりはどうなっているか?…いろいろなことを学ぶ良い機会でした。ああ音楽のイメージって(当たり前ですが)先に自分の中になければいけないんだなあ!…と実感したわけです。
 

この時期から、器楽奏者の人がどのようなイメージを持っているんだろう?と興味が湧きました。マスタークラスなどにいっても、あるフレーズの歌い方を説明するときの先生の歌い回し(実際の歌です)に注意を払うようになりました。
 

例えば、先生が「ここをお前は”ダダダダダターダ!”と弾いてるけど、もうちょっとしなやかに”タリラリティヤーーーア”と弾けないかな?」と要求したとしましょう。そうしたら、その場でその先生の言葉のニュアンスを復唱します。真似すれば良いのです。”タリラリティヤーーーア”ですね?…と。そうすれば、少しはその先生のイメージが自分の中に取り込むことができます。


私はスペイン留学中にたくさんのマスタークラスを受講しました。技術的にはもちろんですが、そういう「お国柄」を学ぶ良い機会であったと思っています。ドイツ、イギリス、スペイン、北欧、南米…いろいろな国の先生に学びましたが、それぞれにお国柄があります(もちろん個人差もあります)。いずれにしても「日本人にはない歌い回し」があったのです。


4月8日に当教室にてフランシスコ・クエンカ氏のマスタークラスを開講します。彼の具体的な音を聴けば「ああ、スペイン!」と思う筈です。マスタークラスでは言葉での説明もあります。そういう部分があれば、そこに注意を払ってください。音楽のイメージがその言葉にもあるはずです。どのように歌うのか?…どのようなニュアンスの言葉をセレクトしているのか?…そこに注意を払うことにより、音楽のイメージの源泉が掴めるはずです。

前回のフランシスコ・クエンカ氏のマスタークラスの様子はこちらのブログ記事でご覧頂けます。 


ここは通訳の腕の見せどころでもあるわけですが、そのあたりは受講生及び聴講生の方も意識してレッスンの場を楽しんでいただければと思います。


フランシスコ・クエンカ 公開マスタークラス
期日:2014年4月8日(火曜) 

会場:渋谷区文化総合センター大和田 大練習室

時間:午後1時15分〜午後5時
聴講料:2000円(当日お支払いください)
申し込み:tomikawaguitar@gmail.com 

受講曲:アランブラ宮殿の想い出(タレガ)、ファンダンギーリョ(トゥリーナ)、月光(ソル)などを予定

※午後6時〜 渋谷にある当教室にてプライベート(非公開)でのレッスンも予定しております。もう一名ほど可能ですので、ご希望の方はご連絡ください。

 

マリア・エステル・グスマン マスタークラス(ギターの基礎とは?)

スペインから「ギターの女王」マリア・エステル・グスマン女史が来日していました。クラシックギターの王道的な奏者です。当教室で、彼女のマスタークラスを主催しました。そして、青葉台井桁ギター教室主催のマスタークラスでも通訳を依頼されたので行って参りました。

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彼女との最初の出会いは私が大学生だったときです。1992年ですかね…私が大学入学した直後、師匠の手塚先生に「レッスン受けてみたら?」と言われて、ひとりホテルの部屋に尋ねて行った記憶があります。大学の学部での専攻がスペイン語でしたので、ちょっとは言葉はできましたが、挨拶程度…しどろもどろでレッスンを切り抜けた記憶があります。その後も来日の度にレッスンを受けました。正直、当時は彼女の凄さがわかりませんでした。

大学卒業後、留学して、彼女の講習会に参加して大きな刺激を受けました。10日前後の講習会でしたが、そこで「ギターの基礎の大切さ」と「基礎の凄さ」が理解できました。細かい技術的な精度が音楽を形作って行くのだ!…と実感したわけです。

私が日本から帰国した直後も、スペインで会ったり、日本で会ったり…会う度に刺激になります。彼女の演奏そのものから刺激を大きく受けます。それに付け加えて、マスタークラスなどの通訳を引き受け、間近に彼女のテクニックや考えにふれると、「やはり凄いなあ」と思うわけです。

とにかく基礎に忠実です。受講生への要求は実は「過酷」なものです。何故ならば、その基礎が簡単に身に付くものではないからです。それをレッスンでは「どうしてそんな面倒くさい弾き方をしているの?」と生徒さんに要求します。

音楽的な基礎に関しても、ものすごい直感力を有しています。本人が無意識で弾き流しているところを一発で見抜きます。ある意味受講生にとってもは、痛いところをつかれるわけです。

記憶力も凄いのです。私の生徒さんで毎回レッスンを受けている方がいます。「前回はこんなこと指摘したけど覚えている?」と言っていました。受講生のほうがそういうことは忘れているものですね 苦笑。

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音色についても、多くの示唆を与えていました。受講生の何人かに「あなたは自分のその音、好きですか?」と質問していました。この質問には深い意味があります。そもそも、ギターで「良い音」ってなんですか?という問いでもあるからです。このあたりもしっかりと探求していかなければなりません。マスタークラスという短い時間の中で、それを掘り下げることは不可能ですが、この質問を受けた受講生はしっかりと今後の人生でギターの音を探求していかなければならないでしょう。

今回のブログタイトルに「ギターの基礎とは?」と書きましたが、彼女のレッスンはまさにそれを考えさせるものでした。もうちょっと付け加えれば、ギター演奏のための基礎的な考え方(哲学)を考えさせるレッスンとも言えます。

10月31日に行った当教室主催のマスタークラスでは、7名の受講生がいましたが、その7名を通じて、様々な観点からギターの基礎技術の大切さ、音楽表現を考えるための基本が伝授されました。そして、「基礎技術講座」を40分程度やってもらいました。シンプルなパターンから、複雑なものまで…これは実に面白かったです!聴講生も交えて、全員でギターを弾きながら行いましたが、最後やり遂げたときには、全員…「ものすごい指がしなやかになった!」という実感をもてたようです。

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また近いうち会いたいなあ!…とも思います。多くのことを学べますから。来年あたりセビリアに来たら?…と言ってくれたので行くかもしれません。

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受講しませんか?…マリア・エステル・グスマン マスタークラス(10月31日)

2013年10月31日(木)にマリア・エステル・グスマンさんのマスタークラスを開講します。

当教室では2011年にもマリア・エステル・グスマンさんのマスタークラスを主催いたしました。その様子はこちらでご覧頂けます。
マリア・エステル・グスマン マスタークラス 

世界的に活躍するギタリストであり、若い頃にその才能をアンドレス・セゴビアから賞賛された人物です。私も大学生のとき(かれこれ20年前)から彼女のことを知っていますし、演奏もたくさん聴いてきました。そしてレッスンも受けた事があります。

どのようなレッスンなのですか?…と訊かれることが多いのですが、ひと言でいうならば「とにかく基本に忠実」ということです。そして、なによりも「耳が良い」と思います。この耳の良さは受講生の技術不足によるリズムの乱れ、音色の乱れを聴き取ります。その耳の良さは私が今まで出会って来た数多くのプロギタリストの比ではありません。

なので、レッスンも非常に緻密なものになります。そして受講生の問題点をずばりと言い当てる…その意味では、初心者であろうが上級者であろうが、的確なレッスンをする先生なのです。

毎回思うのは、是非多くの若い方に「本物のギターテクニック」と「本物のギターの音色」を身近で感じてもらいたいということです。コンクールを受けている方、プロとして活動して行きたい方…是非受講していただきたいレッスンです。

受講生・聴講生とも現在募集中です。

期日:10月31日(木)
時間:午後2時〜午後8時(※受講生の数によって前後します)
場所:東京渋谷 リフレッシュ氷川多目的室C
通訳:富川勝智

受講生:5名〜6名ほどを予定しています。
受講料:15000円(40分)
聴講料:3000円
お申し込み&お問い合わせ:富川 tomikawaguitar@gmail.com


内容:
1:クラシックギター演奏における技術&音楽表現のレッスン
2:ミニコンサート(20分前後)を予定しています
3:ギター基礎テクニックについて途中30分前後お話を伺う予定です



 

子音と母音(先日のワークショップの補足)

先日の尾野桂子さんによる日曜ワークショップ「歌で掴む音楽表現」のビデオを公開しました。

前半
 

後半


さて、この講座の(後半の)最後に僕がちょっとだけ喋りました。補足の説明ですね。 ビデオでいうと45分過ぎのあたりからです。

ふたつのことを参加者に勧めました。
1:オーケストラなどのリハーサルで指揮者の歌い方を観察すること
2:マスタークラスなどで先生の歌い方を観察すること

同じ曲でも、指揮者や演奏者によって扱う子音や母音はずいぶん変化してきます。このあたりを自分でよーく観察してみると、ボキャブラリーが増えます。そして、各音楽家に共通のルールのようなものも見えてくるでしょう。

このあたりは各自研究すると、音色作りやアーティキュレーションなどの処理に対してボキャブラリーが増えます。是非研究してみてください。

富川勝智

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