ギターレッスンと演奏の日記 from 富川ギター教室

クラシックギターの「伝道師」富川勝智のギター教室でのレッスン活動と演奏活動の記録です。

マリア・エステル・グスマン

2019.8 新サイトOPEN!
http://tomikawaguitar.com

富川ギター教室(東京渋谷) http://tomikawaguitar.com
https://tomikawaguitar.sakura.ne.jp/wp/lesson/
※他に池袋、横浜青葉台でもレッスンしています。

富川勝智の演奏会チラシはこちらでご覧頂けます。

お仕事依頼&お問い合わせは下記メールへお気軽に!
tomikawaguitar@gmail.com

マリア・エステル・グスマン マスタークラス(ギターの基礎とは?)

スペインから「ギターの女王」マリア・エステル・グスマン女史が来日していました。クラシックギターの王道的な奏者です。当教室で、彼女のマスタークラスを主催しました。そして、青葉台井桁ギター教室主催のマスタークラスでも通訳を依頼されたので行って参りました。

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彼女との最初の出会いは私が大学生だったときです。1992年ですかね…私が大学入学した直後、師匠の手塚先生に「レッスン受けてみたら?」と言われて、ひとりホテルの部屋に尋ねて行った記憶があります。大学の学部での専攻がスペイン語でしたので、ちょっとは言葉はできましたが、挨拶程度…しどろもどろでレッスンを切り抜けた記憶があります。その後も来日の度にレッスンを受けました。正直、当時は彼女の凄さがわかりませんでした。

大学卒業後、留学して、彼女の講習会に参加して大きな刺激を受けました。10日前後の講習会でしたが、そこで「ギターの基礎の大切さ」と「基礎の凄さ」が理解できました。細かい技術的な精度が音楽を形作って行くのだ!…と実感したわけです。

私が日本から帰国した直後も、スペインで会ったり、日本で会ったり…会う度に刺激になります。彼女の演奏そのものから刺激を大きく受けます。それに付け加えて、マスタークラスなどの通訳を引き受け、間近に彼女のテクニックや考えにふれると、「やはり凄いなあ」と思うわけです。

とにかく基礎に忠実です。受講生への要求は実は「過酷」なものです。何故ならば、その基礎が簡単に身に付くものではないからです。それをレッスンでは「どうしてそんな面倒くさい弾き方をしているの?」と生徒さんに要求します。

音楽的な基礎に関しても、ものすごい直感力を有しています。本人が無意識で弾き流しているところを一発で見抜きます。ある意味受講生にとってもは、痛いところをつかれるわけです。

記憶力も凄いのです。私の生徒さんで毎回レッスンを受けている方がいます。「前回はこんなこと指摘したけど覚えている?」と言っていました。受講生のほうがそういうことは忘れているものですね 苦笑。

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音色についても、多くの示唆を与えていました。受講生の何人かに「あなたは自分のその音、好きですか?」と質問していました。この質問には深い意味があります。そもそも、ギターで「良い音」ってなんですか?という問いでもあるからです。このあたりもしっかりと探求していかなければなりません。マスタークラスという短い時間の中で、それを掘り下げることは不可能ですが、この質問を受けた受講生はしっかりと今後の人生でギターの音を探求していかなければならないでしょう。

今回のブログタイトルに「ギターの基礎とは?」と書きましたが、彼女のレッスンはまさにそれを考えさせるものでした。もうちょっと付け加えれば、ギター演奏のための基礎的な考え方(哲学)を考えさせるレッスンとも言えます。

10月31日に行った当教室主催のマスタークラスでは、7名の受講生がいましたが、その7名を通じて、様々な観点からギターの基礎技術の大切さ、音楽表現を考えるための基本が伝授されました。そして、「基礎技術講座」を40分程度やってもらいました。シンプルなパターンから、複雑なものまで…これは実に面白かったです!聴講生も交えて、全員でギターを弾きながら行いましたが、最後やり遂げたときには、全員…「ものすごい指がしなやかになった!」という実感をもてたようです。

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また近いうち会いたいなあ!…とも思います。多くのことを学べますから。来年あたりセビリアに来たら?…と言ってくれたので行くかもしれません。

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受講しませんか?…マリア・エステル・グスマン マスタークラス(10月31日)

2013年10月31日(木)にマリア・エステル・グスマンさんのマスタークラスを開講します。

当教室では2011年にもマリア・エステル・グスマンさんのマスタークラスを主催いたしました。その様子はこちらでご覧頂けます。
マリア・エステル・グスマン マスタークラス 

世界的に活躍するギタリストであり、若い頃にその才能をアンドレス・セゴビアから賞賛された人物です。私も大学生のとき(かれこれ20年前)から彼女のことを知っていますし、演奏もたくさん聴いてきました。そしてレッスンも受けた事があります。

どのようなレッスンなのですか?…と訊かれることが多いのですが、ひと言でいうならば「とにかく基本に忠実」ということです。そして、なによりも「耳が良い」と思います。この耳の良さは受講生の技術不足によるリズムの乱れ、音色の乱れを聴き取ります。その耳の良さは私が今まで出会って来た数多くのプロギタリストの比ではありません。

なので、レッスンも非常に緻密なものになります。そして受講生の問題点をずばりと言い当てる…その意味では、初心者であろうが上級者であろうが、的確なレッスンをする先生なのです。

毎回思うのは、是非多くの若い方に「本物のギターテクニック」と「本物のギターの音色」を身近で感じてもらいたいということです。コンクールを受けている方、プロとして活動して行きたい方…是非受講していただきたいレッスンです。

受講生・聴講生とも現在募集中です。

期日:10月31日(木)
時間:午後2時〜午後8時(※受講生の数によって前後します)
場所:東京渋谷 リフレッシュ氷川多目的室C
通訳:富川勝智

受講生:5名〜6名ほどを予定しています。
受講料:15000円(40分)
聴講料:3000円
お申し込み&お問い合わせ:富川 tomikawaguitar@gmail.com


内容:
1:クラシックギター演奏における技術&音楽表現のレッスン
2:ミニコンサート(20分前後)を予定しています
3:ギター基礎テクニックについて途中30分前後お話を伺う予定です



 

マリア・エステル・グスマン 公開レッスン2回目

先週に引き続き、今週もマリア・エステル・グスマンさんのマスタークラスがありました。
通訳は私。

先週の課題をクリアーできたかどうか?もポイントではあったのですが、それらの問題が解決することにより、どのように音楽に変化が起こるのか?・・・そして各自の音楽に対する姿勢に変化が起こるのか?・・・興味深いレッスンでした。

同時に長期にわたる課題も各自明確になったと思います。



以下は受講生&マリア・エステルです。



終わったのは6時前だったので、みんなでディナーに行くことにしました。スペインのピンチョスの専門店。




世界的な巨匠のレッスンは「基本に忠実」です。そして、実は本人が気づいていないかもしれない「将来的な課題」についてもずばりと指摘していました。そのあたりは非常に「教えるのが難しい」ポイントでもあるのですが、それを敢えて指摘するのは凄いなあ・・・と。感心してしまいました。

また音楽表現に関する楽曲全体を見渡した視点は見事だなあ、と。あと奏者のテクニックに関する音色や雑音に関する指摘も見事。「耳がいい」のですね。

右手のタッチなどに関しても、受講生に求めているものは「ハイレベル」です。とはいっても段階的に指導しているので、今の時点であるならば、これをやりなさい・・・という指導法。そして、次の段階ではこれをやるといいわね!・・・というものです。

あとは楽器にはうるさいですね。良い楽器はやはり奏者を育てますね。逆にいうと、いくら腕がよくても(一般的に)、楽器が悪ければ意味はないでしょうね。もちろん楽器が良くても、奏者がそれについていこうとしなくては意味がないのですが。。。

そういう意味でも自分の教授法にもフィードバックできそうな内容でした。

また次回来日した際はマスタークラス企画したいと思っています。やはり、彼女のレッスンは「シンプルながらも基本に忠実」であり「応用範囲」の広いものです。そしてスペインの伝統奏法が「型」ではなく「その音色」に存していることが理解できます。



 


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マリア・エステル マスタークラス1回目

さて、昨日は午後からマリア・エステル・グスマンのマスタークラスを開講しました。
私はその通訳で。

受講生は5名。各40分ずつのレッスンでした。
いつもながら、その指摘の明確さは舌をまきます。ひとことで言えば「耳がよい」のです。先入観にとらわれず、その生徒さんの弱点を見抜きます。

なんとなく弾けているように思えるところでも、右手と左手のコンビネーションなどができていないと「見抜かれます」。ちょっとしたノイズでもあるものなら、ずばりと指摘されます。




受講生はプロ志望からアマチュアの方、そして、中学生まで。幅広くいます。

でも、どの場合も一緒ですね。「基本に忠実」です。テクニック面から音楽表現にいたるまで、基本に忠実です。それは、ほんとうに徹底的。

そのボキャブラリーもとても「明確にして適切なもの」です。実際はスペイン語ですので、そのニュアンスは原語に含まれています。なので、とっても訳しにくい(苦笑)。

その場その場で適訳を探しながら、時には補足して通訳を行います。それはもちろんマリア・エステルだけの問題ではありません。いままでレッスン通訳をたくさんしてきましたが、どの人の場合もやはり「言葉癖」があります。そしてもちろん各自の定義があるのでしょう。

それはある程度の長い付き合いがないと理解しずらいものですし、もちろん一般的なスペイン語などにおける「語義」のニュアンスをつかんでいなくてはいけません。



ほとんど私の生徒さんでしたので、ときにはマリア・エステル自身から「これは教えていい?」という具合に訊かれることがあります。そんな感じで私も返答しながらのレッスンでした。

聴講の方にも参考になる部分は多かったと思います。



このマスタークラスは2回おこないます。同じ受講生が「一週間分の課題をどうクリアーするか」というのも面白いところ。

次回は来週27日、渋谷リフレッシュ氷川にて行います。聴講生募集しています。当日会場にて聴講料お支払いください。

5月27日(金)渋谷リフレッシュ氷川 多目的室C
14:00 石田
14:40 林
15:20 藤元
16:00 尾野
16:40−17:30 軽食休憩→渋谷富川ギター教室へ移動
18:00 鈴木

受講曲一覧(※候補曲です。講師と受講生の判断で当日セレクトされます)

林祥太郎
フリアン・アルカス:"ハバナのプント"による幻想曲(J.アルカス)
バッハ:無伴奏バイオリンパルティータ第1番BWV1002よりブーレ、ドゥーブル

尾野桂子
プジョール:3つのスペイン風小品

石田智美
カルカッシ:25のエチュードより

藤元高輝
レゴンディ:序奏とカプリス
アグアド:序奏とロンド

鈴木文乃
タレガ:アラビア風奇想曲

 

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マリア・エステル・グスマン公開レッスンレポート

今週日曜、2009年10月25日に行われたマリア・エステル・グスマン女史の公開レッスンのレポートです。

(長文になる…予定です。心してお読みください)

主催は富川ギター教室と井桁ギター教室の共催という形でした。会場は井桁ギター教室のサロンにて。

20名も入れば、きつきつです。狭いですが、名手の音、動きなど詳細に見ることができます。聴講生するにはとても良い環境です。

富川、井桁、マリア・エステル

ということで、主催者2名(富川&井桁典子先生)+マリア・エステル・グスマンです。当日の進行は井桁先生が担当。通訳は私です。

公開レッスンは、小学生1名、中学生1名、成人2名が受講いたしました。

簡潔に言うと、『基礎に忠実なレッスン』でした。彼女は「正統的なギターテクニックの継承者」であるという確信を得ました。そして、基礎テクニックの重要さに対して、実に「真剣」です。

受講生の曖昧なテクニックに対しては、それを見逃さない鋭さがあります。身体のバランスにおいても、その観察眼は鋭いです。受講生が漠然と抱えているフォームの不安定感を見事に言い当てていました。

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(↑楽譜について『ここがね〜…』って述べています)

各自30分ずつのレッスンでしたので、各自の問題点をずばりと指摘していました。そのほとんどがテクニックの不足(また認識不足)によるものでした。もしかしたら、それは聴講生にとっては「そんなこと知っているよ!」というものだったかもしれません。でも受講生にとっては「ぐさり!」と曖昧にしていた各自の弱点を指摘されるものであったことは確かです。

そして、そのテクニック上の指摘は「音楽上の目的を達成するため」に生徒に与えたものです。そして彼女の音楽表現に対する要求は(実は)非常に高いものです(※もしかしたら、このことは通訳をしている私が一番理解しているのかもしれません)。この音楽上の要求は言葉としては実に簡潔に説明するタイプの人なのです(一応、しっかり訳しましたよ!)。

聴講した方の中には、基礎テクニックばっかりで、音楽についてまったく語っていないのではないか?…と思った方もいたかもしれませんが、それは違います。上記で述べたように、「〜のために」という部分は受講生本人達にとっては「確かにそうだよなあ…」という感じで、「気づき」を促す簡潔な言葉で指摘しています。

さて、彼女の音楽上の要求の高さを理解するためには、ダイナミクスのコントロールに関してお手本として示した「半音階を用いた練習法」を例に挙げれば、充分であると思います。受講した方、聴講した方…みなさん、是非ギターを手にとって、「どんなだったかなあ?」とやってみてください。…はっきりいうと、とっても難しいです。半音階で、6弦開放弦から1弦12フレットまでクレッシェンドをかけ続ける…という練習なのですが、それをコントロールし続ける集中力(タッチに気をつけて!)は尋常ではありません。

その練習を例示したあと、受講生及び聴講生に「これを全部の指のパターンでやってね!…そして、amiの三本指のパターンも忘れないで!」と釘を刺します。

これは基礎練習のための基礎練習ではありません。「美しい音楽を作るための」基礎練習のアイデアなのです。そこで養われたコントロール力や集中力を音楽のフレージングに応用していくことが目標なのです。

それぞれの基礎テクニックが有機的につながっていけば、豊かな音楽が生まれてくるのは言うまでもありません。

そのことは彼女の演奏が語っています。彼女の声部などのコントロール力、音色のニュアンスの弾き分け方、楽曲全体の構築感は非常に繊細です。これは「やわな音楽」ということではありません。その繊細なコントロールが大きな音楽を作っていくのです。

その点を聴き取る能力がない人は、彼女の演奏を「単調」というかもしれません。しかし、本当に音楽の分かる人は、絶対に彼女の演奏表現に「想像を絶する凄さ」を見ることができるはずです。

マリア・エステルお手本実演

(↑お手本中!)


さて、話は思い出話。

1997年に留学中の私はグラナダで行なわれたマリア・エステル・グスマンの講習会に参加しました(マヌエル・デ・ファリャ音楽講習会!です)。

そこで、1週間強、毎日弾かされました。各生徒が毎日レッスンを受けられたわけです。そこでも同様に基礎テクニックが音楽表現、様式の表現のために必須であることが折にふれて解説されました。

そして、それが積みあがって来ると、凄い音楽になっていくことが受講生がもってきた楽曲の中で明らかになっていく様は、私にとって「重要な教え」として今も心の中に残っています。

つまり、先日たった一日で行われた公開レッスンですが、毎日生徒が受講できるような環境で、3日〜5日くらいのスパンで行われたならば、より彼女の音楽観とそれを導くための基礎技術の大切さが受講生にも聴講生にも実感できたのではないか?…と思っているわけです。

(とはいっても、ここは日本ですので、予算的にも日数的にもそれは無理でしょうね。)


さて、また話題をちょっとそらします。

彼女の休憩時間、いろいろと話しました。やはりスペインでも日本でも「基礎技術の低下」が気になるのだそうです。

そこで例に出てきたのが、「ホセ・ルイス・ゴンサレス・テクニックノート」(現代ギター社刊)。「あの本にはギタリストが身につけるべきメカニック、テクニックの全てが載っているわ!」と言っていました。その言葉は簡潔でした。

それがどのように音楽に使役していくか?…このことが分かっている人が非常に少ないのが、現代のギター界の問題点なのかもしれません。

ということで、やはり、彼女の演奏哲学や教授哲学の中に、セゴビアやホセ・ルイス・ゴンサレスなどと通底するものを見ました。そして、それを信念をもって教える彼女の姿勢は実に素晴らしいと思います。

なかなか、こういう人は最近いません。

「ごまかしのないレッスン」…素晴らしかったです。

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