ギターレッスンと演奏の日記 from 富川ギター教室

クラシックギターの「伝道師」富川勝智のギター教室でのレッスン活動と演奏活動の記録です。

レッスン覚書

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レッスン覚書2017年5月21日〜6月10日

1:脳のプログラミングを考えて、自分の意識を騙しながら練習する。

2:ああ無理だ…と脳味噌に思わせてしまったら、もうその時点で「ナチュラルな動作」を導くことができない。

3:ああ、これならできる!と脳に錯覚させること…脳を騙しながら動きをブラッシュアップしていくしかない。

4:歌う。歌いにくいところは実際に「歌いにくそうに」歌う。

5:半音階は色彩の微妙な変化。迷いといってもよい。

6:トローバ、特性的小品集。一度はアンドレス・セゴビアが改編したバージョンで弾いてみるとよい。その演奏効果がわかる。出版されている楽譜=正しい楽譜…という認識はトローバに関してはあてはまらない。

7:「弾けない」と思えば、脳みそが抑制をかける。そういうアクションになってしまう。できる!という段階のアクションから脳みその呪縛を解き放ってやるしかない。

8:運指。ソルの時代の楽器であれば、いまのものよりも小さい。奏者の手の大きさはどうだったのか…ソル教本の手のイラストから類推するにそれほど現代の人と大差はない。その意味で左手運指の縮小はなかなか厳しいと言える。たとえば、5弦2フレを2で押弦キープしたまま、1弦2フレを1指、3フレを4で…という運指はあまり使われなかったと思う。

9:とにかく、ソルの練習曲の運指は「当時のソルが使っていた運指」をまずは学びたい。そこからソルがどういう歌心のイメージをもち、どういうテクニックへの哲学をもっていたか…それを知ることができる。

10:カルカッシ25のエチュードは、ミゲル・リョベートがその効用を発見したことで有名。その弟子のレイ・デ・ラ・トーレ編の25のエチュードもその意味で必携。「師匠はこういう運指にしているが、それはこういう理由である。だが、私はこういう考えで、こう変えている」というのが明確に書いてある。

11:アルカーサル・デ・セゴビア。イントロ、正確に8分の6で。和音のバランスをとること。メロディーだけをとりだして歌わせてみること。

12:曲を仕上げていく段階でわすれがちなのは「声部を抜き出して、そこだけしっかりと表現を考える」こと。何回でもくりかえし表現の可能性を考えるべし。

13:カルッリ45のエチュードの最初の数曲は、上級者にこそ有効。シンプルな練習にどれだけの「意味」を与えることができるか?…そこが問われるので。

14:ブローウェルのシンプルエチュード18番。装飾音のエチュードであるが、スラーでどのくらいダイナミクスをコントロールできるかという意味では最高の「左手のコントロールエチュード」となる。

15:楽曲はエチュードにもなりうる。逆にいえば、エチュードもちゃんとした演奏会用の楽曲にもなる。

16:リズムはどんな人間にも認知されやすい。音程や音色は認知されにくい。「わかりやすい演奏」=リズムがデフォルメされたものであると言える。

レッスン覚書2017年4月18日〜4月30日

1:モチーフは伴奏部分にもある場合もある。それをどのくらい「示唆する」かは奏者のセンス。だしすぎても、ださなさすぎてもNG。

2: 簡単なハーモニーをどのように広げていくか…という技術。リハーモナイズ。ある程度簡単でよいので、自分でやってみると、さまざまなギター曲の「アレンジ法」がわかってくるものである。

3:発表会では背伸びをしないこと。その時点で「いま100パーセント力をだせる」という楽曲を選ぶべし

4:青本の最初のホ長調あたりまで、ひたすら左手のポジショニングを意識して数ヶ月練習するべし。それだけでその後のギター人生が変わる。

5:ポジションと「そこから外れている」ものを区別する。人によって、+1とか-1とか、拡張と縮小の概念で表す人もいる。運指でやはり演奏のスムーズさは変わる。きちんと整理しておくこと。

6:「ひといきで歌えるかどうか」…それが曲のテンポを決定することもある。なので、うたって確認。

7: 雨だれ。3弦の音が「メロディー」。まずはこれを丁寧に四分音符と八分音符を意識して弾く。決して「6度」の練習になってはいけない。

8:雨だれ。雨がふっている、晴れ間が見える、また大雨が降ってくる…描写の音楽。どういうことを表しているのか、しっかりと考えて表現をつけること。

9:録音をとってみること。今の時代ならば、自分の演奏をしっかりと確認をとること。ひと昔の前の人ができなくて「遠回り」していたことが、いまはできる。利用しない手はない。

10:楽器をきちんとやりたいのであれば「きちんとした先生を選ぶこと」。音楽的にきちんと考えていて、ちゃんとお弟子さんを育てている「演奏家」に習うことが大切。現場で演奏し、それをレッスンに還元できる人は極めて少ない。

11:録音から学んでいくならば、手に入る録音のすべてのバージョンを聴くこと。それが無理なら、最低でも三種類は聴くこと。若手、中堅、ベテラン。この三つと考えても良いし、現代、ちょっと昔、歴史的録音、の三つでもよい。バッハに無数の録音が残されている意味を考えてみること。それぞれに解釈が違い、いろいろなアプローチがある。クラシックギターはその意味で録音の種類が少なすぎる。なので「全部聴く」ことも可能である。やはり、やるべし。
 

レッスン覚書2017年4月3日〜17日

1:どの曲も最初にテンポをしっかりと設定してから、スタートすること。なれてくると調弦する「ふり」をしながら、テンポ設定作業をすることができる。

2:何曲かまとめて弾く場合。組み合わせによってテンポ設定しやすい場合とそうでない場合がある。 メドレー的に弾く場合は、相互の調性をしっかりと考えることもそうであるが、リズムの整合性などを考えるべし。

3:スラー。しっかりと音を出そうとすると、「はやくなる」傾向がある。それを癖にしないこと。「任意のタイミング」でコントロールするべし。

4:カーノ、ワルツ・アンダンティーノ。メロディーはアポヤンドで弾きたいなあ、と思うのであれば、低音とのバランスを整えること。

5:各調におけるポジション重視による音階と、和音のフォーム。それを最初はしっかりとわけて学ぶ。その後に両者を歩みよらせていく。それがクラシックグリップのフォーム作りでは一番重要。

6:アルベニスは実にメロディーのセンスがない作曲といえる。独創的なフレーズはなく、基本の「軸」に尾ひれはひれがつくだけのことが多い。その「おひれはひれ」をどのように感じ取っていくか…それが良い演奏かいなかの分かれ目となる。

7:同じジャンルの音楽をたくさん聴くことと、それに執着して「同じジャンルの音楽しか聴けなくなること」はまるで別物。できれば前者でいたい。

8: いろいろな音楽に無理に触れる必要はないが、そういう心構えと行動をとることだ。自分の中の縛られた価値観で暮らすのは楽である。ただし、音楽は「刺激」である。脳みそをぴりぴりと動かす音楽=本当の音楽である。

9:初心者のうちから、左手の指先は指板上を向いているように厳しくやっておかないと、あとで修正が厳しい。「指がはねあがる」がデフォルトになってしまっている人が、指板上に指先を向けようとした瞬間に「押弦してしまう」ことが多々ある。「指を意識する=動かす」という間違ったスイッチがはいってしまうのだ。実はジストニアの原因もここにある。

10: ポジショニング。最初から1弦から6弦までで行うこと。その上で左指の「はこ」の形を意識して1弦上のポジション練習を行うこと。つまり、同時に6弦のポジション練習もおこなうべし。

11:ちゃんとした譜読みができていない「現代曲」演奏はとても危険。ひたすらに作曲家がつけた細かいニュアンスを読み取っていくこと。

12:メロディーをきちんと歌わせる。それから低音をつけてみる。そして和声を分析してみる。いつも、その裏にメトリークを感じること。拍節感はいつでも存在する。一瞬裏方にまわろうとも、絶対に存在する。

13:メロディーのモチーフを常に探しつづけること。モチーフを探したあとはそれがどのように作品全体に「ちりばめられているのか」を考える。そのままの形かもしれないし、すこし変形していたり、別の要素が付け加えられているかもしれない。シェーンベルクの「作曲の基礎技法」は必読である。 

レッスン覚書2017年3月16日〜4月2日

1:その作品に惹かれた初期衝動に忠実であること。その正体を明らかにするために勉強すること。

2:消音という基本的な事項ができていないのは大問題。その大問題を放置して小問題にあたろうとするのはおろかである。

3:カルッリの45のエチュード。進んでいくうちの調性の配置がじつによくできているので、知らないうちにギターの機能性を把握できるようになってくる。

4:カルリ45の45番。左手の安定性。と1234指のバランスを考える。和音を弾くときと音階を弾くときのフォームを整える(近づけていく)ためのエチュードといえる。

5:ポジション移動のときは「腕をふらないこと」。腕をふってその反動でポジション移動する癖をつけるとあとでその悪癖を治すのが大変。

6:歩幅。一定の歩幅を身につける。その意味でメトロノームに合わせて練習することは大切。一定のテンポを歩き続けるイメージと技術があることが前提である。そのがあって、「つめる」「ゆるめていく」ができる。正確にひくためにメトロノームを使うこととは目的が違う。

7:ピッチ感。上行解決、下降解決。音の幅を狭めるべし。

8:ロングトーンとそれを支える伴奏。どのように支えるかは歌手の名伴奏を探して研究すること。

9:盗賊の歌のE.S.デ・ラ・マーサ編。リョベート編とどう違うかということも大切だが、偶然にできたギターの開放弦をうまくつかった和音にどう意味をつけるかを考えることが大切。

10:エチュードは「パッと弾いて」どのくらいの情報量を得られるかという観点でのトレーニングの意味もある。

11:楽譜の音符に含まれている情報を読み取り、それを指板上に視覚化していく。初見のトレーニングに近い。


 

レッスン覚書2017年2月18日〜2月22日

1:やり方を教えてもらっていないと受け身になる。他の教室で学んだ生徒さん、、、そういう受け身の方が多い。受け身は癖になる。

2:もし技術解決や表現実現のためのツールを学んだならば、自分で応用してみること。そしてそれが正しい道具の使い方なのかをレッスンで確認すること。それが「本当のレッスン」。

3: ある程度、弾きこなした曲や発表会やコンクールでかけた曲。寝かせるということは大切。寝かせることで熟成することもあるが、新鮮さを取り戻すための時間とも言える。

4:レパートリーとなった曲は毎日弾き続けることでマンネリになる場合もある。1週間に一度程度さらうことで、抜けている部分などがわかってくる。イメージがしっかりとできていないところや練習不足の点は暗譜していたとしても抜けが顕著になる。

5:グラナダ。長く伸ばす音。強く音を出すという音量のイメージよりも、「音を前に出すイメージ」。

6:ディアンスのサウダージ二番。なかなかよい曲。

7:ディアンス。他界してレッスンにもってくる生徒増えた。

8:ブローウェルのシンプルエチュード15番。珠玉の名曲。1弦2弦上でのメロディーの歌わせ方は当然だが、特筆すべきは2ページ目の3弦上でのメロディーの歌わせ方。名器シンプリシオで若き頃名ギタリストであったブローウェルらしい作曲である。ギターの「おいしい点」を熟知している。

9:シンプルな基礎練習。自分の知っている限りのことを「注意」して行う。いずれがそれが歯磨きのようになってくると、よいね!

10:カルカッシギター教本のエチュード。リズム、和声、旋律…いろいろと考える。たくさん試して、表現の可能性を感じる。そのためのエチュードともいえる。

11:基本的な和声分析ができてくるだけでも、表現に立体感がでてくる。 

12:バッハの山型音形、谷型音形。三音でつくられるこれら二つを意識するだけd音楽の構造が見えて来る

13:装飾音が置かれているところは「強調」点。そこへ向かっていく意識をもつべし。

14:音高ばかりを意識してダイナミクスをつけてはならない。

15:コンクールに通るコツ=審査員に文句をつけられない演奏をすること

16:久々に弾いたときの演奏が、その人の実力。

17: ヴィラ=ロボスのプレリュード全体になんとなくストーリーが見える。そのくらい一曲ずつのキャラクターがしっかりとしていると言える。そしてそういうキャラが見えてくると一曲ずつの表現の目処がたってくるだろう。

18:ヴィラ=ロボス、プレリュード3番。doloridoとmolto adagioのニュアンス。悲痛な感じをフォルテでスタート。この表現は「絶叫」に近いものかもしれない。ただし内的な叫び。叫んでも叶えられなかった望み=絶望。そしてadagioという「細心の注意を払う」ニュアンス。このふたつの情感やテンポ感が表現できるとよい。

19:ヴィブラートは倍音のコントロールである。基音にたいして、どういう倍音をプラスしていくか。考えるべし。

19:楽譜を見て演奏する場合(視奏)は「どこをみるか」ちゃんと決める。楽譜をみるのか手をみるのか決める。暗譜の場合も「どこをみるか」ある程度決めておくこと。 

 
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