今年はなんとなくレヒーノ・サインス・デ・ラ・マーサの作品にはまっています。
今年6月にひたちなか市のアコラさん主催で「レヒーノ&エドゥアルド兄弟のギター作品について」というレクチャー付コンサートをしました。それがきっかけで、それ以降もはまっているわけです。
なんだかんだいってロンデーニャ…傑作ですね。演奏会で弾くたびに、そのテクニック上の難しさと音楽の深さ、そしてスペイン音楽の真髄を感じることができます。そのほかにもサパテアード、ペテネーラ…名曲ぞろいです。
で、その延長線上で、最近気になる作品。「神の前にて」というレヒーノが映画のために書いた作品があるのです。この中の「イディリオ(牧歌)」というのは、ホセ・ルイス・ゴンサレステクニックノートのセーハの項目に註として“お勧め練習曲”として取り上げられています。
(※シャープ5つという変り種…でも、とても美しい曲!…小品として単独で練習しても価値あります!)
その練習曲を生徒とともに弾いているうちに、ああこれはやはりいい曲だなあと思ったわけです。それで、最近、そのほかの曲もぼちぼち練習しているのです。
なんとなく「歌とカスティーリャ舞曲」に似たものもあり、あれこれはソルのエチュードに似たのなかったかなあ?と思わせるものもあり・・・意外に楽しく練習しています。しかし音数が少ないのが、逆に難しく、レヒーノ作品に共通の左指の拡張にも苦戦中…。
そして、たんたんとした感じが全体の曲調を掴みにくくしています。昔から、弾いてみたい曲ではあるのですが、なんとなく地味…それでいて細かい部分においては技術的難所が多い…。コンサートピースとしては華やかさがない…。
労多くして益少なし…なのかなあ?と思いつつ地道に練習中。
一体、人前でこの曲は演奏する機会はあるのだろうか?…と思いつつ、「神の前にて」というタイトルは格好いいなあ!…と思って、練習を続けているのです。