ギターレッスンと演奏の日記 from 富川ギター教室

クラシックギターの「伝道師」富川勝智のギター教室でのレッスン活動と演奏活動の記録です。

ワークアウトブック

2019.8 新サイトOPEN!
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※他に池袋現代ギター社でもレッスンしています

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第二回「ギターワークアウト〜テクニックの極意!」講座、出席ありがとうございましたー

現代ギター社GGショップセミナーの「ギターワークアウト〜テクニックの極意!」講座の2回目をやってきました。今回もたくさん集まってくださり嬉しい!
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今回の内容は大まかに二つです。「アポヤンドとアルアイレの用法」と「指板和声の導入」。
裏テーマとしては「ギター史上の巨匠が使った知られざるテクニック」と「音程感」といったところ。

アポヤンドとアルアイレの関節の使い方と違いを説明しました。動きの起点となる関節は一緒です(MP関節)が、PIP関節のコントロールでアルアイレ度合い(?)が変化します。
また腕とのリンクの肝はCM関節であるということも軽く説明。

支えとしてのp指とa指のアポヤンドも説明しました。これはほとんどの人が知らないテクニックかもしれません(セゴビアやリョベートといった巨匠がうまく利用していることは自明です)。このあたりが体得できてくると、腕のバランス(特に前腕)が良くなってきます。安定したタッチが可能になってきますし、指先と腕のつながりも感じられるようになり、エネルギーロスが減ります。


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指板和声については、簡単に楽典的な知識の確認からスタート。そしてギターの調弦上の部分から導き出される「度数」の探し方を見ていきました。
クラシックギターで使用される度数はやはり3度や6度がメインとなります。指板上で3度や6度がパッと目に入るようになると良いなあと。
オクターブや5度も同様です。

押弦した音を見た時にビジュアルとして「あ、これは5度だな」とか「これは3度かな?」と気づけるようになると音楽が見えてくる。そして、この度数のキャラクターが捉えられてくると、旋律を弾く際にも、和音の響きを感じる際にも、音楽が見えやすくなります。

なので、裏テーマは「音程感」というわけ。

ギターの調弦が「4度調弦」という部分にとても意味があるわけですが、そのあたりのギターの指板のロジックが見えてくると、隣接する2弦の間での度数はすぐにわかってきます。
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最後のGコードの構成音のマジックが1番受けが良かったかもしれません。イギリスのトラディショナルフォークのギタリストが好む和音構成にはどことなく中世やルネッサンス音楽の香りがする…といった話。

おそらくギターの調弦と3度と6度の重要性を最も重視したのはF.ソルではあると思います。それは教本を読み解いていけばわかる。それ以前の音楽では割と4度や5度に重さを置いていたのかも。ギター史がわかってくると、そのあたりのギター指板上の見え方も変化してきます。

ワークアウト講座はもちろん技術の講座ですが、最終的にはギターの書法と結びついていくものでなくてはなりません。そのようにワークアウトブックは作ったので、そのあたりの説明をより詳しく講座ではやっています。

2024ワークアウト講座3回目






















次回は6/9です。左手のバランスについてじっくりやっていきます。音を繋いで行く方法。興味ある方はぜひお申し込みください。お問い合わせ&予約は現代ギター社GGショップまで!
03-3530-5342
shop@gendaiguitar.com



音楽の文法とギターの技術

先日3/3 GG学院でのセミナー「ギターワークアウト〜テクニックの極意」の一回目が終了しました。

たくさん集まってくれました。そして、真面目に皆さん取り組んでくれました。

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テキストはヤマハから出ている拙著「クラシックギターワークアウトブック」です。
【1日】に【3つ】のフレーズを【5分】ずつ弾くクラシックギターワークアウトブック
富川 勝智
ヤマハミュージックエンタテイメントホールディングス
2022-01-26



簡単な指の動きを丁寧に。バットの素振りとかボクシングのジャブの練習と一緒。
ギターって実は簡単に音出ます。引っ叩いても、ぶん殴っても。でも、それを続けていると効率が悪い。狙い所が悪いと怪我しますしね!

ということで、シンプルな動作を徹底的にワークアウトしていく内容です。

今回は実際に「なぜこの動作が実際の演奏で必要なのか?」ということを具体例とともに見せました。

良い演奏と悪い演奏的な感じで。結果として正確なタイミングで発音できないので、音楽がもたつきます。そういう例をたくさん見せました。だから基本動作って大切だよねーと。そういう感じでセミナーを進めて行きました。

自分が思うタイミングで発音できること=音楽表現がうまくできるということ。こう考えてみると、そうだ!久々に読み返してみるかーと思った本があります。

Thurmond「Note Grouping」です。かれこれ15年くらい前くらいかな?…買いました。そして、徹底的に読み込みました。英語だったので大変でしたが、音楽の「アルシスーテーシス」理論をしっかりと学ぶことができました。この本で学んだことはその後に「音楽表現について教えること」の基本の一つとなっています。旋律が持っているリズムについてこれほどまで丁寧に細かく理論づけている本は他にないかもしれません。


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まあ、やっぱりこの本を読むと「適切なタイミングで発音する」ということって単純だけど大切なことなのだなあーと思うわけです。だから基礎技術って音楽表現をするためのツールなんですよね。


さてさて、久々にノートグルーピングの本を再読してあれこれ発見があったのですが、Amazonを彷徨っていたらなんと邦訳本がコロナ禍のちょい前に出ていたのですね。ああ…。

豊かな音楽表現のためのノート・グルーピング入門
ジェームズ・モーガン・サーモンド
アルテスパブリッシング
2018-05-21



英語で必死に読んだ本が邦訳が出た時のガッカリ具合と言ったら…とはいえ、こういう名著が邦訳で読めるっていうのは良いことだなあ。皆さんがっちり読んでみてください。最低限、この本に書いてあることが理解できないと多分西洋音楽のオーソドックスな表現はできないと思うので。

さて、ワークアウト講座はまだ残り5回あります。音楽表現のために必要な技術をテーマを分けて行なって行きます。

詳細な日程はこちらを参照。




たぶん…きちんとしたバットの素振りができないと実戦でも限界が来ますし、きちんとジャブが打てないと、ひと試合体力持たないかもしれません。学びに来てください。

申し込みは現代ギター社GGショップまで!






技術に飲み込まれないために〜慌てず急げ

ギターの演奏技術ってなんなんだろうかーと最近よく考えている。

最終的に「技術に縛られない」ことが良いのだろうなとは思う。
優れた技術は目に見えない。そして巨匠たちのテクニックもすでに本人の目にすら見えなくなっている(動きが自動化されている)ので、言葉で説明するのが苦手な人が多い。

僕はその辺りが歯がゆくて、自分のテクニックを一生懸命分析して、自分の演奏や生徒さんへのレッスンで確認して、整理してきたような気がする。

おかげさまでギター奏法に関してはテキストを出版させていただいたり、セミナーやワークショップの依頼をいただいたり。ありがたい。

で、最近よく質問されるのは「先生って演奏の時も技術のこととか考えているんですか?」と。答えは「考えてない」。

自分の本番の時に「手のアングルは〜」とか「左手の押弦アクションは〜」なんて考えている暇はない。(考えている人っているのかしら?)
練習している時もそうですね。うまく弾けないなーってところがあればもちろん分析します。分析して、こうやれば弾けるなっていうのを見つける作業をして、定着しちゃえば忘れてしまうもんです。

ギター曲の難しい部分って基礎的な技術があればクリアできちゃうもんです。左手のポジションがしっかりと安定していること、左手の押弦と離弦のアクションが正確にできていること、右手のフォームが安定していること、などなど。

それなりに意識して「かた」を作っているプロセスは大切ですし、折に触れてその技術という「ツール」をより良い道具にしていくことは大切です。

こう書くと「結局、基礎技術がないとダメなんじゃないかー」と思う方も多いですよねー。そして、実際基礎練習ばかりに時間を割いてしまう人や、曲を弾いていても右手や左手の不正確なアクションが生み出すミスにばかり気を取られて楽しくない・・・って人が出てくるのです。

だから、生徒さんにはとりあえず弾いてみたい曲を弾いてみたらいいよ!ということにしてます。そこから「ああ、ここがもっと音楽的にスムーズに聞こえたらなあー」という欲が出てきたら、その解決法を探すのが良いのです。

基礎技術が先か、曲を弾くのが先か……というのは「卵鶏問題」みたいなものです。どっちが先ってことはない。

だから「慌てず急げ」という言葉が好きなんです。

細かい技術的な部分にこだわりすぎると前に進めなくなります。楽しくない。
かといって適当に曲を弾き流すだけでは良い音楽は作れない。楽しくない。

だから、細かい技術的な部分に拘りつつも、曲を弾く(音楽をやる)楽しみを持ち続けた方が良いのです。

理想な安定した技術ツールを持っていて、それを忘れるくらい体にシステムとしてインストールしてしまうことです。そうすると音楽に集中できます。

だから、クラシックギター演奏技術に関する動画や連載など山のようにアップしたり、セミナーをやったりしています。結論からすると「さっさと基本的な道具揃えちゃいなよ」「そして、音楽を楽しむこと、音楽を作ることに集中しましょう」ということなのです。

なので、是非、今ユーチューブにアップしている「ホセ・ルイス・ゴンサレス ギターテクニックノート」講座は見て欲しい。



ここでも「慌てず急げ」と言ってます。

そして、来年から技術ツールを徹底的に磨くためのセミナーもスタートします。

こちらです。

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現代ギター社でのシリーズセミナーです。一回ごとに完結する講座になっていますが、全部でるとむちゃくちゃ実力つきます。ツールがピカピカになります。
使用テキストはこちら。

【1日】に【3つ】のフレーズを【5分】ずつ弾くクラシックギターワークアウトブック
富川 勝智
ヤマハミュージックエンタテイメントホールディングス
2022-01-26



セミナーについての詳細はこちらで確認してください。そして是非申し込みしてください。







文で伝えることと動画で伝えること、そして、目の前で伝えること

現代ギターで連載を始めたことは先日のブログでも書きました。


そして、この連載と連動で動画もアップしました。


文章で伝えることと動画で伝えることができるものは割と別物だと感じています。
文章であると「頭でわかったふり」になりがち。ですが、ある程度文章で書いてあることを理解して自分でやってみると「ああ、なるほどな」と思えます。文章で確認しながら自分の動作を整理できるわけです。

動画だけで学ぶと「やれたふり」になりがち。なんだ同じようにできるじゃん!で終わってしまう危険性があるし、その動作が実際どのような理由で大切なの?というのもわからない。


そんなことがあるので、文章で書いたものと”同じ内容”を動画で扱ってみたかったのです。

とは言え、なんか自分で足枷かけちゃったなーという感じです 苦笑。

通常のギター教本にしても、今回扱っている「テクニックノート」にしても、学ぶためには全部通してみるしかないわけです。特にこのテクニックノートは全部通してみて、そして、また細部を学んでいって、また全部を通してやってみて、やっと”意味”がわかる。

結構辛い。なので、その辺りをうまく導いていければいいのかなというアプローチで連載を考えています。少しずつ丁寧に、そして各エクササイズの正しい練習法と意図を頭に入れながらやっていき、別項目との連動も少しずつ組み合わせていく。そんな感じで書いております。

よく楽器を学んでいる人で「その練習なんの意味あるんですか?」みたいなことを言う人がいます。そしてそういう人に限って「ユーチューブで学んだほうが早い」とか馬鹿なことをいう。自分の経験の浅いレベルで検索してたどり着いたYouTubeの動画なんて、やはりその人のレベルを越えるものではない。

そのことがわかった人だけが楽器って上達できるんです。

なので、今回の動画も手を抜きません。一体それどんな意味あるのー?って思うかもしれませんが、お付き合いください。1年後ぐらいにはうっすらと意味がつかめてくるでしょう。そして、意味を掴みやすいようにこちらも説明していきます。ヒントたくさん出しておきます。自分で考えてください。

そういう意味では対面での通常のレッスンはとても楽。その人が理解しているのかどうかが確認できるので。ある練習への応用もその場で伝えることできるので、無駄はないです。通常のレッスンでの弱点は受け身になりがちのことかもしれません。先生が生徒さんの確認をしてくれるのですから、自分で「できているのか」「理解しているのか」の判断をしなくても良い。そこが弱点。

だから、僕はレッスンでたまーに「放置」することあります。自分で考えて判断を下して欲しいから。

文章で学ぶ、動画で学ぶ、レッスンで学ぶ・・・この三つについて述べてきましたが、結局は独学って難しいよね!ということなのかもしれません。逆に言えば、どんなメディアからだって客観性を失わなければ学べます。

拙著「クラシックギターワークアウトブック」が引き続き大好評です。

【1日】に【3つ】のフレーズを【5分】ずつ弾くクラシックギターワークアウトブック
富川 勝智
ヤマハミュージックエンタテイメントホールディングス
2022-01-26


最近、なんでこの本が売れているのかわかってきました。日本人はドリルが好きなのかもなあーと。それが理由なのかもと。そして、各エクササイズにつけて動画も好評。この辺りも上記で述べたことと一致してますね。動画で”きちんと段階を追って学んでいける”のが良いのでしょう。実はこの本文章で書いていることと動画内で説明していることの内容を少し変えています。文章で伝えやすいことは文章で、やって見せたほうがわかりやすいことは動画で、としています。

この次に出た「クラシックギターの参考書」も実は大大大自信作。アマゾンのカテゴリー分類がうまくいっていないため、なんか残念な評価になっておりますが(カテゴリーが”音楽”という大きなものになっているw)、これこそ本当に僕が「音楽を伝えるテクニック」を伝授できている本です。

STEP UP クラシックギターの参考書 〜基礎から応用へ〜
富川 勝智
ヤマハミュージックエンタテイメントホールディングス
2023-03-17


実はこの本、左手の使い方(運指法)で今までどの本に書いてなかったことが入っています。そして、技術が音楽表現とどう結びついていくのかを丁寧に説明しました。じっくりと一度通して読んでみるとわかる本です。皆様、ぜひお手にとりお読みください。損はさせません。




わあ、2022年だ!(クラシックギターワークアウトブック)

とりあえず、今年初の投稿です。今年もよろしくお願いします。

昨年から書いていた著作がやっと発売となります。

こちらです。

【1日】に【3つ】のフレーズを【5分】ずつ弾くクラシックギターワークアウトブック
ヤマハミュージックエンタテイメントホールディングス
2022-01-26



細かーいエクササイズを山ほど詰め込みました。タイトル通りに1日に3つのフレーズを5分ずつ弾く!という内容となっております。

90日分あります。ということは270個のエクササイズがあるということ。そして5日で1テーマとなっており、まとめの練習曲もつけています。トータルで288個の練習ができます。

基礎をとにかく丁寧に磨いていく内容となっております。是非やってみてください。

1/26発売です。現在予約受付中。

・・・ということで、このサボり続けているブログも今年はマメに更新していきますねー。
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