ギターレッスンと演奏の日記 from 富川ギター教室

クラシックギターの「伝道師」富川勝智のギター教室でのレッスン活動と演奏活動の記録です。

弟子

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弟子達のブログ

私が教えている生徒たちで、ブログを立ち上げている人が増えています。

一部には一般非公開でやっている生徒さんもいて、それはそれで本人と私とのネット上での「レッスン内容チェック」という趣もあって、お互いに勉強にはなります。

あと、私にはアドレスを教えないで、こっそりブログやってレッスンのこととかメモ書きしている生徒さんもいるようです。

(隠してないでアドレス教えなさい!!)

さて、最近も私の弟子2人がブログを始めました。

ひとりは現在私のところで習っている生徒の中で、1番の古株であります尾野桂子さん。すでにプロとして活躍中です。教えたり、演奏したり…。とってもがんばっています。まだ私のところで勉強してくれています。

http://blog.livedoor.jp/ono_guitar/

 

もうひとり、ブログ始めたばっかりです。

プロを目指して修行中の宮島幸太郎君。みなさんで応援してやってください。(噂によると)教室会報で連載中の「悩むコータロー」が読めるそうです。

http://blog.livedoor.jp/xxxfana_lunaxxx/

 

文章というものは、普段と違う生徒さんの姿が見えて非常に参考になるのです。レッスンの覚書をつけるにしろ、発表会の感想を綴るにせよ、文章にはやはり各人のフィルターを通しての世界が広がっているわけですから。絶対に私が見過ごしている何かがあると思うのです。

生徒さんにはレッスンのことなどをメモ書き程度でもいいので、ブログなどに書くことを勧めます。頭の整理にもいいですし、自分が思っている以上に過去のレッスンでいわれたことなどは忘れやすいものです。簡単でいいから文章化することで、記憶が定着します。

そして、更にそれは自分のアーカイブとして機能します。コンピューター上の利点としては、キーワードなどで検索も可能です。なんでもメモ書きとして残しておけば、あとで自分の脳内を検索することが可能となってくる…のですね。

実は私もときどき自分のブログに書いたことを「検索」します。

「あ、何か右手のテクニックについて書いたことあったなあ…」とか「モンポウについて何かまとめたことあったなあ…」とか…。

そうすると、忘れていた思考の断片がちゃんとブログに記録されているわけです。

かれこれ、このブログも2005年2月から書いていますので、過去を読みかえすと「新しい発見」とか「未解決事項」とかが発見できるのですね。そして、それを参考にすることも多いのです。

生徒のみなさんには、ブログを始めることをお勧めします。

アドレスは教えてもらえれば嬉しいです。

ちゃんとチェックしてあげます(余計なお世話?)。

 

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「継承」するということ

なんだか、固いタイトルですね…。

「継承する」ということ。

最近、レッスンなどで「大切だなあ」と思うことなのです。例えば、今自分が「自分のもの」として教えていることも、ほとんど全部が先輩ギタリストや巨匠たち、そして偉大な音楽家たちが与えてくれたものなのではないか?…ということです。

あたりまえっていえば当たり前なのですが…。

で、何を私が継承しているか…と自問してみるとします。そうするとたくさんのものが浮かびますが…。

直接なもの、もっともダイレクトなものとして「師匠からの教え」があります。直接レッスンなどで学んだものですね。

たまにこのブログでもネタにしますが、やはり私の中に今まで学んだ師匠達のアイデアが多数存在します。

“マエストロ”ホセ・ルイスや井上幸治さん…そしてアレックス・ガロベー…

私自身が自分の生徒とのレッスン時に言っていることの中に「師匠が自分に言った言葉」が生きているわけです。

そこにはレギュラーで師事していた先生だけの言葉だけではなく、マスタークラスなどで受講した先生たちの言葉もあるわけです。

そして、私が習った先生たちの言葉のなかに、さらにその先生たちの師匠達の言葉が確実に存在する…つまり、今の私の中には先達たちの言葉がたくさん蠢いているわけですね。

ホセ・ルイス先生でいえば、「セゴビアの教え」とか…。井上さんも、レッスン時に『そこはホセ・ルイスみたいにやっちゃえば?』とかよく言っていました。アレックス先生はそういう「誰それみたいに・・・」という言葉使いは全くしませんでしたが、おそらく彼の中にもホセ・トマスを始めとする彼の先生からの教えが生きているはずなのです(とはいっても、彼の親友で素晴らしいギタリストであるマルコ・ソシアスなどを例に出して「あ、これはマルコが言っていたことだけどね…」という感じでちらっとは言っていました)。

そう考えると、今私が教えていることのほとんど全てが「先達の教え」であるともいえるわけです。

そして、レッスンのときにその「先達の教え」の“パワー”を借りることも(たまに)あるのです。例えば、『そこはホセ・ルイスだったら、こうやるよ』とか、『だってセゴビアがそう弾いているじゃん!』とか…。

もちろん、それだけだとなんだか「誰それ派」とか「〜流」のようで、嫌味になる可能性もあるのですが…レッスンをしていて、どうしてもそれしか思いつかないこともあるのです。そういうときは、もうそれで貫きとおすしかありませんね(苦笑)。

だってセゴビアがそう弾いているじゃん!…そう言われて、文句をいえる生徒はいませんから…。

去年、九州のギタリスト池田慎司君に会ったときも、似たような話題になりました。彼があるフルート奏者の教えを受けたとき、普段は冷静で理知的な分析をしてくれるその先生が、ある部分の表現に触れたとき「モイーズがそうやっているから…」という言葉を使ったということです。

理屈では分からないんだけど、その言葉には抵抗しようがない“力”があったようです。

モイーズに関して言えば、フルート奏者の山下兼司氏と出会った頃、ラヴェルの「ハバネラ形式の小品」のリズム感について煮詰まったとき、リハーサル時に「まあ、これでも聴いてみたらいいよ」と言われて、モイーズの演奏を聴かされた記憶があります(勿論これは伴奏部分を参考にせよ…ということだったかもしれませんが)。

なんとなくなのですが、この録音を聴くことによって、ラヴェルの“匂い”というか、“雰囲気”が分かったような気がして、その後すんなり弾けました。

…そう考えてみると、共演する人から学ぶことの中にも先人の智慧が生きているわけですね。その人が習った先生の影響を知らず知らずのうちに学んでいるわけなのです。

そう考えてみると、今自分が教えているときに使っている論理やアイデア、言葉使いなどは全て、過去からの「借り物」なのです。

つまり、教えを継承しているということなのです。

その「教え」にはダイレクトなものから間接的なものまで、いっぱい詰まっているのでそこが面白いところですし、それが教えている本人の意識の底に沈められていて、臨機応変にでてくる場が「レッスンの場」なのですね。

たまに勘違いをして「自分が言っていることが一番正しい!」というアプローチで教えている先生もいるのかもしれませんが、冷静に考えれば、先生という存在は先人の教えを継承しているだけに過ぎないのです。ですから、ある先生がたった一人で音楽的な技術や表現などについて発想したのだと断言しているのであれば、それは大いなる勘違い…としかいいようがありません。

もし、それが“完全に”自分だけのアイデアで生み出したのだとしたら、その先生は“巨匠”でしかありえないはずです。

ちょっと話が脱線しましたが、教える立場としては、「先人の力を借りている」という謙虚な姿勢が大切なのです。

教えるのが上手い人…というのは、そういう立場を理解している人なのだなあ、と最近思います。そして、そういう人はよく勉強しています。様々な音楽を聴き、たくさん本を読み、いろいろな奏者の意見を聞き、貪欲に自分のなかに取り込もうとします。そしてそれを取り込んで整理整頓していく能力に優れているのです。

ですので、名教授といわれる人の内部にあるものを「プロフィール的な」誰それに師事…という表層だけでは推し量れないということです。

様々な経験を、素直に自分のなかにとりこんで、それを整理する能力…それが教える側に必要な能力です。そして、たまに先人たちの言葉を借りること…これが意外に大切なことなのかもしれません。

 

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