ずっと前から好きな言葉で「慌てず急げ!」というのがあります。

この言葉に出会ったのは、実際に使っている現場にたちあったからです。数年前のこと、友人ギタリストと焼き肉を食べにいきました。店内はすごい混み合っていました。人気のある店でしたので。さて、食べ終えてお勘定をしようかなというときも、店内は大忙し。とある店員さんがお勘定をしたらいいのか、後片付けをしたらいいのか?…大慌てな感じでした。

そこで、店長らしき人がそのじたばたしている店員さんにひと言。

「慌てず急げ〜」と。

そのときは、なんだその変な言葉は!…そもそも、慌てないで、急いでやれ!って矛盾しているよな、なんて思いました。そして、ちょっと可笑しかったので、その友人と「あの言葉、おもしろかったね!」と話していました。

さて…

普段、レッスンをしていてたくさんの生徒さんを教えていますが、大まかにいうと楽観的なタイプと悲観的なタイプがいます。どちらにもいい点と悪い点があります。

楽観的なタイプのいい点。のんびりマイペースで学習を続けてくれます。多少できなくても気にしませんので、落ち込みません。悪い点は、なんとか弾けない部分を解決してやろう!という意気込みに欠けます。

悲観的なタイプのいい点。悲観的なタイプは、ある意味で完璧主義者です。完全な準備ができないと舞台に上がれない。なので、しっかりと準備してくれます。練習やレッスンにも真剣です。自分の課題としっかりと取り組んでくれます。悪い点は、完璧主義者なので、失敗すると精神的に落ち込みます。完璧主義を貫き通そうと思うあまり、身体的にも精神的にも張りつめてしまって、場合によってはレッスンに通うのすら、ぱたっと止めてしまいます。

生徒さんにはいつも「ポジティブとネガティブが混在する人が上達するんだよね」と言っていますが、もっと具体的に言えば、とにかく自分の演奏をよく分析することです。

できている点と出来ていない点をしっかりと分けること。前者に関しては自分を褒める。褒めすぎるくらい褒めて、楽観主義になってしまいましょう!…後者に関しては、徹底的に悲観主義になりましょう。弾けていない点などはしっかりと解決法を見つける作業をしましょう。これが解決できなければ、命が危ない!…というくらいに。

とはいっても、できていない点…いくら練習してもダメ、正しい解決法は分かっているのにできない…ということはよくあることです。ある一定期間、徹底的に分析して練習したら、保留して別の勉強をスタートしましょう。
もしかしたら、他の技術面が上達したら解決する問題かもしれませんので。これは表現面に関しても同じ事が言えます。たとえば、セーハが苦手と悩んでいる人は多いと思います。しかし、セーハは左腕全体の重さのバランスが通常時の押弦時にしっかりと出来ていない人には難しいですし、実は左指各指の独立ができていないと難しいのです。基本的な事項が完璧にできるようになるとセーハも実は安定します。表現面は技術不足によって実現できないことが多いように思います。技術が安定してくると表現面でもできるようになってくるものが多いですよね。

なので、「慌てず急げ!」です。

のんびりしすぎるのもダメです。問題は解決しません。完璧主義者すぎて「自分は下手だ…」と落ち込みすぎてもダメ。自分の長所を見失って、心がぽきんと折れてしまいます。

とにかく自分の演奏を分析してください。分析すれば、すっきりすることが多いです。


すべての物事に通じることかもしれませんね。

富川勝智

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