ギターレッスンと演奏の日記 from 富川ギター教室

クラシックギターの「伝道師」富川勝智のギター教室でのレッスン活動と演奏活動の記録です。

拍節感

2019.8 新サイトOPEN!
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富川ギター教室(東京渋谷) https://tomikawaguitar.com
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※他に池袋現代ギター社でもレッスンしています

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tomikawaguitar@gmail.com

リズム・パルス・拍節を整理するために(いろいろな資料紹介!)

日曜日に拍節とリズムについてのワークショップを行います。
詳細はこちら

ワークショップをする前には、もう一度資料を整理して知識の整理をします。拍節とリズムに関連するレクチャーやワークショップはもう数年前から行っていますし、普段のレッスンでも生徒さんにリズムや拍節についてはしつこーく言っています。現場で実践してもらって、そこからフィードバックをたくさんもらっていますので、もう一度関連する資料を読み直すことで「新しいアプローチ」を得ることもできますし、見過ごしている知識を得ることも可能なのです。

なので、資料はワークショップ前に読み直すわけです。

せっかくなので、読み直した資料をご紹介します。そして、次のワークショップで受講生の方とともに「演奏してみたい!」と思う曲も紹介します。

まずは定番「リズムはゆらぐ」です。

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自然リズム…この言葉は藤原義章さんが提唱している言葉です。フィボナッチ数列や黄金比にその根拠を求めていますので、本の中にはこんな図が載っています。
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(一時期流行った)「ゆらぎ理論」の分野でも、同様の考え方が提唱されている…とのことで、その例としてなんと我々クラシックギタリストの定番曲である「禁じられた遊び」も譜例として載っています!

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禁じられた遊びの録音を研究し、拍毎のプロポーションがどのようになっているか…を扱った論文があるということなのです。これもワークショップで皆様にご紹介します。

拍子のプロポーションについて、指揮法の観点から見事に説明した隠れ名著があります。こちらです。増田宏三さんの「指揮法&ウィンナーワルツ」です。

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通常の三拍子についても詳細にふれられていますが、特に興味深いのはウィンナーワルツについての説明です。一小節を一周期としてとるという原則から導かれる独特の拍のプロポーションを見事に説明しています。

今回のワークショップではウィンナーワルツは扱いませんが、逆にウィンナーワルツを研究することで得られる「通常の三拍子感」とでも言える拍感があります。

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 通常の三拍子感を徹底して感じてもらうことで、拍節とリズム、そしてパルスについて実体験していただきたいと思っています。

ワークショップでメインで扱う楽曲は以下の二曲です。
フェルナンド・ソル作曲の月光
フランシスコ・タレガ作曲のアランブラ宮殿の想い出

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上記二曲を声部分けして弾く事で、「三拍子」の感覚を掴んでいただければと思っています。メロディーと伴奏部分のリズムとパルスの違いを学んでいただければ十分であると考えていますので、特に独奏で弾けなくても初心者の方でも十分に参加していただける内容にしたいと思っています。

また1月に行ったpart1の内容についても、軽くおさらいをします。
1月の内容についてはこちらのブログ記事を参照してください。また1月の講義を行うにあたって読み直した資料に関するブログ記事もありますので、参考資料など気になる方はご覧ください。

では、みなさまの参加をお待ちしております!
詳細




三拍子のレッスン(拍のプロポーションとは?)

次の日曜日に日曜ワークショップにて「三拍子」を講義いたします。
日曜ワークショップ 拍とは何か part2 三拍子を極める

このワークショップでは「拍節とリズム」の基本を説明してから、クラシックギターの名曲である月光とアランブラ宮殿の想い出を扱おうと思っています(禁じられた遊びもちょっとだけ扱います)。

これらの曲の共通点は?…三拍子であることです。

三拍子を学ぶことで、拍節(メトリーク)について基本的な理解と実感が得られるはずです。

昨日のレッスンにおいて、ちょうど生徒さんがフェルナンド・ソルの「月光」をレッスンにもってきました。

生徒さんのレッスンでは動画を撮影しながら、本人に「何が自分の演奏に足りないのか?」を発見してもらいながら、指導することが多いです。今回はたまたまレッスンのテーマが三拍子でしたので、「三拍子らしさ」を気づいてもらうのが主眼のレッスンとなりました。

レッスン生はKMD君です。本人の了解も得られたので、どのようにして演奏が「三拍子らしくなっていくか」をレッスン中にとった動画から解説していこうと思います。

まずは1回目の演奏です。レッスンがスタートしたばかり。まずは私は何も言わずに弾いてもらいます。


 
三拍子の曲ですが、全体として三拍目が短くなってしまっていますね。和音の変わり目ですので、左手が焦っているのか…三拍目をはしょっていますね。

短くなりがちだった三拍目(アウフタクト)の感じ方を変えてもらいます。三拍目から一拍目までの繋がりを意識。こんな感じになりました。



ちょっと意識しすぎてミスも散見されますが、重さと「持ち上げ感」のある三拍目から一拍目への着地感は表現できています。

「三拍子の指導2」で三拍目から一拍目までの繋がりはできてきましたが、二拍目の意識が希薄でした。なので、二拍目をジャストまたはちょっと詰める感じで弾いてみます。そうすると一拍目から二拍目まで緊張感を持って進むことができます。

こんな感じになりました。



三拍子の「前進感」は二拍目のタイミングがポイントとなってきます。アウフタクトから開放された一拍目から、緊張感をもって二拍目に向かうこと!…これが大切です。

「三拍子の指導3」において、二拍目のタイミングと三拍目(アウフタクト)から一拍目までの繋がりを意識してもらい、「三拍子」としてのバランスはとれました。しかし、三拍目の八分音符の意識が希薄なために一拍目までの繋がりのタイミングがとれていませんでした。

なので、全体として八分音符の打点を意識して弾いてもらいました。

二回目の演奏では、これまで学んだ「二拍目と三拍目」の意識を強くして弾いてもらいました。八分音符のパルスを感じることにまだ馴染んでいないために、まだたどたどしいですが、全体としては「すっきりとした拍感」の演奏になっていると思います。 

こんな感じです。

 

まだまだ馴染んでいない感じですが、三拍子の自然なプロポーションを感じられたでしょうか?

日曜日のワークショップでは、もう少し詳しく「拍節とリズム」についてみんなで考えて行こうと思っています。

日曜ワークショップ 拍とは何か part2 三拍子を極める

 

リズム&パルス&拍&拍節(音楽の基本事項)

次の日曜日(1月26日)に『拍とは何か〜拍節感と自然なリズム』と題したワークショップを行います。
詳細はこちら

そのワークショップでやる内容、テキストを作成するために資料を読み直ししています。音楽のリズムとは何か?…パルスとは何か?…拍とは何か?…拍節ってなに?…これらを知ることで何が得られるのか?…結局、これらのことを知ることで何が得られるのか?

音楽の生命力となるもの…たくさんの要素がありますが、音楽の基礎として、これらの用語を整理し、実際に演奏に応用できるようになることがとても大切であることはいうまでもありません。

ワークショップで行う内容を整理するために、重要な資料を書棚からひっぱりだして、再研究中です。

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せっかくなので、自分の知識の整理も兼ねてみなさんに資料紹介しておきます。



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音楽学全般の概論です。マイヤーの認知心理学的なリズムやパターンへのアプローチなど基本事項が丁寧に整理されています。



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認知心理学的に音楽のリズムパターンをどうとらえるか…拍節とパルスなどの関連について各研究者の研究を簡明に紹介。ゲシュタルト認知によるリズム把握、グルーピング、クロージャー認知による問題点…これは必読です。マイヤー理論の欠落点も指摘しており、音楽のリズムに関する理論がまた未確立であることを示唆しています。


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上記2冊で扱われているマイヤー理論の基本書。音楽家なら一度は目を通しておきたい必読書…ではあるのですが、内容が若干分かりにくい。上記2冊で軽く「概要」をいれておくと読破しやすいかもしれません。



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第4章「リズムとは何か」で、中世から現代までの拍子や拍節、リズムとの関連を哲学方面、音楽理論方面からしっかりとまとめています。時代毎の変化や音楽理論面での変化など、整理することが可能です。


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シンプルにして深いリズムに関する本。リズムというよりも音楽解釈全般を扱っているのですが、多くのアイデアを与えてくれます。特に20世紀初頭の音楽家たちのリズム感を学びたい方、アクセント感覚を学びたい方には最高の参考書。実践的な著作であり、たくさんのヒントを得ることができます。西洋クラシック音楽解釈の根本思想をそこに見ることができます。


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藤原義章さんのふたつの著作。「リズムはゆらぐ」のほうが、実践的。
「自然リズム」を提唱し、2拍子、3拍子、4拍子…それぞれのプロポーションを知ることができます。黄金比を用いた拍のプロポーションの説明は実際の演奏にすぐ応用することができます。拍における「アウフタクト、解放拍、頂上拍、上昇拍、下降拍」の区別を知る事で、音楽の「拍子感覚」が理論的に体感できます。


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いろいろな音楽分野、専門家の方が「リズム」について書いています。拍節とリズムについては田村和紀夫さんの文章がとても分かりやすいです。小節線の意味を理解することができます。
有賀誠門さんの文章は、西洋人と日本人の拍感、ビート感の感じ方の違いを身体動作を絡めて説明しています。西洋人の身体感覚を理解する事で、リズムの「立ち方」が分かります。強拍、弱拍でのアクセントの置き方もこの身体感覚の違いが理解できないと、日本人的な訛りのあるアクセントになってしまいます。



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上記の本で「拍子とリズム」について書いていた田村和紀夫さんの考えがより具体的に分かる本です。「拍子とリズム」と小節線の意味について更に詳しく知ることができます。


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私の愛読書です。とにかく科学的に検証しているデータ集。直感で「こういうことじゃないかなあ?」と思っていたものが、統計的にまとめられています。理論を構築する際やアイデアをまとめていくときによく参考にします。


…上記資料を読み込み中です。上記全ての資料の内容をワークショップの限られた時間内に盛り込むことが不可能ですので、エッセンスだけを取り出し、誰にでも分かるように説明していく予定です。
実際に演奏にどのように用いて行くか…実際にギターを使って演奏してもらいながら体感していただけます。シンプルな譜例で「拍節とリズム」について学んでいただけます。参加をお待ちしております。詳細は下記リンクをご覧下さい。

日曜ワークショップ:拍とは何か?




 


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足首がスムーズに動きますか?(テンポをとる)

無意識な身体の動作は音楽のテンポを崩す危険性があります。このことはかつてブログで書きました。

あなたの身体はそれほど器用に動いていない!

最近、数名の生徒さんと「足でテンポをとる」という練習を続けています。そのいずれの方も、テンポが急いでしまう…とか、裏を感じることができない…という共通の悩みを抱えていました。レッスンをしていると、なんだか曲の途中で突っ込んでしまったり。拍にしっかりとのっかって演奏できないのです。

足でテンポをとる…これがなかなか皆さん器用にできないのですね。かっくんかっくん動いてしまったり…なかなか滑らかに動かないのです。

滑らかに動かない場合には、拍の周期が感じられません。拍というのは連続した運動ですので、動きの断絶があってはいけないのです。

足首が固い人が多く見られます。これは歳をとった方に多く見られます。誰でも年齢がいくと足首が固くなりますね。転びやすくなったりして怪我をする方も増える。そういう方にはいくつかアドバイスをあげることにしています。以下ふたつです。

1:お風呂にはいったときにマッサージをする(足首を回したり、動かしたりして筋肉の動きを感じながらやるとより効果的!)
2:普段、歩くときに足首の動きをちょっと意識してみる

上記2点を守るだけで、だいぶスムーズに足首が動くようになってきます。

そして、足首でテンポをとろうとすれば、誰でも「足の接地」の仕方にも注意を払うようになってきます。後方に足をひいていたり、内側に傾いていたりするともちろん地面をふむことができにくくなります。

相乗効果として、ギターの構えが安定します。足台の上でもテンポをとれるようになるとよりベターです。足で自由にカウントとれるようになると、下半身の安定度が上がります。是非やってみてください。逆に言うと、足裏がしっかりと床に接地していないと、カウントをとってみてもうまくいきません。無理矢理それで拍をとろうとすれば、不自然なテンポ感が身についてしまうでしょう。

ギターを構えて、拍の周期を感じようとすれば、やはり左足でとるしかありません。両腕はギターの演奏で塞がっていますし、左足で拍をとると楽器がぐらぐらしますから。もちろん、楽譜を見ながら(歌いながら)拍を指揮者のようにとってみるのもお勧めの練習ですよ!

いずれにしても右足で拍をとれるようになると、とっても便利です。でも、しっかりと考えて、スムーズに拍の周期を感じ取れるようになりましょう!



 


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最近のレッスンのネタ

最近、レッスンやワークショップなどで「考えたこと」を書いておきます。

3月4日に日曜ワークショップで「音階を究める 左手編」をおこないました。

結論をいうと、ギターの指板上の音程関係を視覚化するための基礎講座であったと言えます。

クラシックギタリストの弱点というのは、音を点として捉えてしまうことかもしれません。この音の長三度上はフレットのことあたりだろうなあ?…という「かんどころ」のような感覚が非常に希薄です。たとえば、イ長調で3弦の2フレットの音を押さえた場合、2弦の2フレットを長3度上であるとすぐに認識できるか…というのがハーモニーを認識するためには大切です。でもクラシックギターをやっている人はAの音とC♯の音をそれぞれの点として楽譜から読み取り配置しておしまい!という人が多いのかもしれません。

なので、普段から(相対音感的に)(つまり移動ド式で)指板上の音を把握する癖を音階練習をしながら身につけていくべきだと思います。まずは長音階からテトラコードを意識してドレミファソラシド…でひたすら練習を重ねて行けばかなりの「音程感」がやしなわれると思います。

この「音程感」と指板感覚(?)の連携は五線譜に書いてしまうと、やはり「楽譜を読んでしまう」ため 希薄になりますね。

今後もこのあたりは普段のレッスンのときやワークショップなどで扱って行きたい分野です。音程感の意識は旋律の理解のためにも必要不可欠ですから、大切ですし。

さて、もうひとつ。拍節感。これはやっぱり教えるのが難しい分野ですね。なんのために小節線があるのか?…このことについて考えている人はなかなか少ないですね。小節線をまたいで、一拍目をどのように表現するか、どのようなバウンド感にするか?…は時代によっても傾向がありますし、舞曲などの場合はその種類によっても変わります。

最近、私のレッスンのアドバンスコースには実際にプロで活動している若手演奏家やコンクールを目指している若者が多数来ています。
じっくりとその扱いについて教えることが多いですが、杓子定規に考えてしまっていたり(一拍目は強く弾けばよい!と考えていたり、または逆にそっと着地すればよい!とだけ考えていたり)、そもそもその意識がまったくない!…という人までいます。 ボールのバウンドなどの物理運動を例にだしてイメージさせるしかないですが、これがなかなか骨が折れる作業です(だから、たっぷり時間をとってレッスンしているのですが)。

とはいっても、この拍節感だけでは音楽にはなりません。絵の「下塗り」といっていい作業かもしれませんね。ほかにリズムやパセティックなアクセントが上塗りされて初めて完成品になります。だけど、下塗りがはっきりとしていないと立体感のある絵にはなりません。・・・うーん、この次元になると「いい音楽になったときにしかこのバランスは理解できない」ということになります。だから、教えるのが難しい分野です。

・・・最近はそんなことを考えながら、生徒さんとのレッスンしています。

日々、勉強と「整理整頓」ですね。



富川勝智

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