さて、「あづみ野ギターアカデミー」無事終了しました。レポート&感想は後日に。ところで、昨日久しぶりに銀座のヤマハへ行ってきました。ちょっとしたリサーチと買い物があったのですが、そこで発見した本がこれです。

どうして弾けなくなるの?: <音楽家のジストニア>の正しい知識のために
どうして弾けなくなるの?: <音楽家のジストニア>の正しい知識のために
クチコミを見る

演奏障害において「ジストニア」と呼ばれる症状を解説した本です。腱鞘炎とは別のものです。最近までは腱鞘炎と混同されることも多かったですが、最近ははっきりと区別されるようになってきました。マッサージをしても針をうっても腱鞘炎ではないので治らないのです。それがジストニアです。

私個人としても、周囲に「ジストニア」で演奏不能になったプロやプロ志望者も多く、実は生徒さんにも数人、「あ、そういう症状かな?」という方もいます。なので、自分なりに研究をしてきました。

それでも、やはりしっかりと体系的にジストニアの症状を分類したり、要因を書いた者は少ない…そういう状況だったわけです。

そして、とうとう翻訳が出版されたわけです!

今日はレッスンだったので、空き時間にさくっと通読しただけですが、かなりのことがわかりました。

教える立場として「基本的には間違った方法で教えてはいないかな?」ということだけは確認できました。自分なりに「身体構造の理に適った演奏法」を研究し、修正と実践を行ってきましたし、生徒へ教授する際にも応用をしてきましたが、(ゼロから教えた生徒さんに関しては)方向性は間違っていない事が確認できました。

普段から伝統的な奏法と現代的な奏法の中間点(?)で教えたり、自分の演奏への応用を考えたりしているわけですが、「鍛えられる部分」と「鍛えられない部分」があります。とても抽象的な言葉遣いをしてしまっていますが、このあたりが伝統的な奏法と現代的な奏法の長所であり弱点でもあります。

もう少し時間のあるときに上記の本を解読してみたいですが、このあたりをしっかりと既存の奏法(&練習法)を共存させていく作業には必須の本であると確信しています。

さらっと読むだけでも、クラシックギターの奏法の修正、練習法の是正に役にたつ本であると思います。理由は以下です。とにかく「クラシックギタリストの症例」が多いということです!(それだけ、クラシックギタリストが複雑な指の動きを要求されている…ということかもしれませんね)

あと、著者の方のファミリーネーム…ジャウメ・ロセー・イ・リョベー…この「リョベー」はllobetです。そうです、ミゲル・リョベートと同じ姓です。

なにか因果を感じませんか?まあ、リョベー(リョベート)はカタルーニャには珍しくない苗字ではありますが。。。

いずれにしても、もうすこしこの本を研究してみたいと思っています。そして、よりよいレッスンをしていこうと思っています!