ギターレッスンと演奏の日記 from 富川ギター教室

クラシックギターの「伝道師」富川勝智のギター教室でのレッスン活動と演奏活動の記録です。

発表会

2019.8 新サイトOPEN!
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アンサンブルの呼吸(重奏の会終了)

重奏の会、2/18に終わりました。これで57回目の教室としての発表会となります。

リハ風景はこんな感じ。新大久保のスタジオ・ヴィルトゥオージ。良い響きのサロンになってきました(使われていくとサロンって良い響きになってくるものです)。

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4部構成で行いました。

part1:古典っていいねー!コーナー


part2:古今東西いろんなデュオ曲コーナー


part3:古典曲をばらして合奏するのも良いねコーナー


part4:”スペインもの”も今の曲も悪くないぜコーナー

パート1では古典のデュオをカルッリ0p.27「ギター完全教本」の最後についている24のデュオから抜粋で。生徒さん各自に曲を選んでもらう形で行いました。
その他のパートでは生徒さん同士のデュオ、講師陣と生徒さんのデュオなどなど。佐藤弘和さんの作品からアルベニスなどのアレンジものまで。幅広く。

生徒さんとデュオをすると毎回面白いことに気づきます。それは呼吸。
合図出しは基本的に全員に教えるのですが、それが上手い人とうまくない人がいます。アンサンブルでの合図出しも「技術」なのです。そこにはある程度の知識や技術が必要なのですが、同じ技術を教えたとしても各自個性があるのです。

基本的に合図出しは指揮者と一緒なのです。一緒に舞台に登り、そこで「ここからこういう音楽が始まるんだよー!」というアンビエンスを作り、出来るだけ少ない拍数でこれから弾く曲のテンポ感や冒頭のイメージを先行して伝えます。

僕個人の話をすれば、今まで山のようにフルートやヴァイオリン、歌などと共演してきましたが、うまく合図出しをしてくれる人との演奏は無茶苦茶気持ちがいいのです。究極の形になるとお互い合図なしでも(同時に合図を出している感じ?)うまく行くから不思議。

そこまでの境地は生徒さんには求めませんが、オーソドックスな合図出しの方法は生徒さんに伝えます。それでも個性が出るから人間の性格って面白いなあーと思うのです。このパート1ではカルッリの指定で「生徒さんはファースト」になっているので、生徒さんに合図出しをしてもらうことにしました。次回は僕が合図出ししてみようかなー? 

合図出し以外でもrit.する感覚やdim.になる印象を伝える場合でも、そのひとの癖があるものです。長い間在籍していて今までアンサンブルをたくさんやっている生徒さんとのデュオは僕個人としてとてもやりやすい。こちらの意図も汲み取ってくれるし、相手の意図もわかるのです。呼吸や仕草で。

なので、常設のデュオになれば、その辺りがすごく理解されてくるのです。あ、この人こうやりたいんだなとか。そういうのがわかってくるようになる。だから常設デュオはオススメ。
と同時に色々な人とデュオをやること、経験を積んだ奏者とデュオをやることもオススメ。合図出しや指示出しのバリエーションが増えますし、経験者とのデュオは「あー!音楽に心地よく身を委ねていいんだ!」という感覚も得られます。

引っ張ったり引っ張られたりがアンサンブルの醍醐味です。そしてアンサンブルを通じて、その人の性格もわかる。気を遣ってくれる人だなあーとか、あんまり気を遣ってくれない人だなあーとか 苦笑。

とはいえ、このどちらかが正解というわけでもありません。

気を遣いすぎると、その本人のやりたいことが不明になります。気を遣わずに「ここはこうやりたい!」と突っ走るのもあり。最終的にはお互いがやりたい音楽がピタッとハマれば最高なのですよね。

そんなことを重奏の会をやっていて、自分が演奏していても、生徒さん同士のデュオを聴いていても感じました。ああ、面白い。演奏にはその人の性格が出るんだなあーと。


発表会で感じること〜うまいと下手

この前の日曜日に「第56回富川ギター教室」終わりました。

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もう56回も発表会やっていると、生徒さんの反応ってあれこれわかってきます。そして、その反応と普段のレッスンでの関連も。

発表会に出ている人というのは自分を客観視する癖が付いてくるということです。客観視できる癖がついてくれば、自ずとレッスンでの気持ちも変化してきます。

発表会に出たがらない人は、基本的にどこか勘違いしていることが多い。

「うまくなってから出ます」とか「まだまだ人前に出せるレベルじゃありません」とか。もうこのことは兼好法師の時代から問題になっております。興味ある人は150段、読んでくださいませ。

演奏というものに実は「うまい」とか「下手」とかいう区別はありません。

上手な演奏って一体なんなんでしょうね? みんな小さい頃からピアノの発表会とかで「上手だったねー」とか抽象的に褒められすぎたため、変な心の癖がついちゃったのでしょう。発表会に出るからには「上手じゃなきゃいけない」という強迫観念に襲われている。

音楽の勉強というのは段階的でなければいけません。まずは最初はきちっと発音されているか、ギターであれば押さえがしっかりとしているか…そういう基本的なところからスタートして、拍をきちっと守って楽譜通り弾けているかとか、ダイナミクスが指示通りつけられているかとか。そういう守るべきものを増やしていく。

なので、全く初心者の段階の人でも目的や目標をはっきりとさせて、発表会に出れば良いのです。スモールゴールを設定して、それをクリアすることを目指す。

緊張するから嫌だ!とか恥をかきたくない!とかいう人は、じゃあ一体何が緊張を生んでいるのかを自分で掘り起こしてみるしかありません。演奏で恥をかくってどういうことなのよ?と。自問自答してもらうしかない。ミスをして失うものは実は何もありません。実は失って怖いのは「音楽的に何もしない」ということなのです。

発表会に出る人にはとにかく目標をはっきりとさせてもらうことにしています。一定のテンポで弾くというのでも良いし、音色の変化に気をつけるでも良い。漠然と「うまく弾こう」とか思わないようにね!と事前にいうことも多い。

発表会に出る利点はもっとあって、他の人の演奏の良い部分に気づけることです。
演奏を聴いて「あの曲素敵だな!」とか「あの人の音いいなあー」とか。自分に足りないものに気づける。新しい曲にも出会える。

今回は終演後にロビーで久々に反省会をしました。

演奏を終えてみて、「反省すべき点」と「良い点」を各自あげてもらいます。思っている以上にこれが効果的なのです。この作業はもちろん家に帰って自分一人で行っても良いのですが、同じ場で演奏したそれぞれが共有することで、あんなに上手に弾けていた人でもそういうところにがっかりしているものなのかーとか思えるものです。各自に反省点や改善点があり、そして「できていた点」がある。

こういう考え方ができると、演奏には「上手」とか「下手」とかいう抽象的な判断は不必要であるとわかるでしょう。

音楽が「できている」ということが大切です。そして音楽をするための技術がしっかりとあること。この辺りをしっかりと整理していけばよい。そうしたら演奏には「ここがいいなー」というものの言い方しかできないと気づくでしょう。

で、以上のように反省会をしたら、忘れる。これも大切。

忘れるためには「打ち上げ」で、ギター仲間と雑談して、くだらないことをしゃべっていた方がいいんです。

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←打ち上げに向かう一行











というわけで、人前で弾くことがとっても大切。

10/29には試胆会もございます。

これは当教室以外の方でもオッケー。自分を客観視する場としてご利用ください。


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試胆会詳細はこちらをご覧ください!




発表会で思うこと

昨日、第55回発表会が終わりました。

参加者各自思うところはあったようですが、「上手くいった」とか「上手くいかなかった」ということよりも大切なのは「舞台上で冷静に自分ができたことと(やろうとして)できなかったことを分けること」です。

なので、発表会に出る前は生徒さんの現状を把握して、本番でどういう目標を立てるかということを中心に指導することにしています。

1番まずいのは「なんとなく上手く弾きたい」ということ。抽象的なのが1番まずい。

とりあえず暗譜で弾ききることを目標にしても良いし、ダイナミクスをしっかりつけて弾くとか、メロディーをしっかりとピックアップして弾くとか。なんでも良いので「目標」を明確にしておくことが大切なんです。

そのためには自分の現状把握が大切。このくらいはできるだろう…ということを数週間前に把握しておくことが肝心です。

今回出演した生徒さんたち、その意味では皆きちんと課題を設定して弾ききれていたようです。よかったよかった。皆さんが演奏した楽曲を挙げておきます。

第一部 13:05-

ワルツ(カルッリ)

エチュード ニ短調(コスト)

タンゴ・アン・スカイ(ディアンス)

エチュード44番(カルッリ)

月光(ソル)

Op.31-23 Op.35-22(ソル)

タンゴ3番(フェレール)

Op.31-6(ソル)

ノクターン(ヘンツェ)

緑の木陰にて(ヘンツェ)

アダージョOp.60(フェレール)


第二部 14:15-

亡き王女のためのパヴァーヌ(ラヴェル)

メランコリー(フェレール)

エボカシオン(アルベニス=リョベート編)

木洩れ陽のロマンス(吉松隆)

雨のアラベスク(吉松隆)

アメリアの遺言(リョベート)

アベ・マリス・ステラによる二声(カベソン)

プレリュード1番(タレガ)

オートゥイユの夜会(コスト)

プレリュード1番〜5番(タレガ)


第三部 15:20-

序曲(カルッリ)

Op.31より13番、11番、15番、16番、14番(ソル)

プレリュード3番(タレガ)

ギター讃歌(E.S.デ・ラ・マーサ)

ロートレック讃歌(E.S.デ・ラ・マーサ)

「もしも私が羊歯ならば」による序奏と変奏Op.26(ソル)

ラグリマ(タレガ)

アランブラ宮殿の想い出(タレガ)

グラナダの花(A.バリオス)

盗賊の歌(リョベート)

ジュラの思い出(コスト)

スペイン風セレナーデ(マラッツ=タレガ編)



あと、インスタの方にも当日の様子挙げておきましたので、是非どうぞ。

昨日は午前中は洗足学園音楽大学の方のオープンキャンパスに行って、入学予定者のレッスンをしてきました。明日から「ギター奏法演習」の授業もスタート。今、テキストを作ったところです。明日はガイダンス的な内容ですが、新年度の履修生徒さんどんな感じかなー?と楽しみではあります。

昨年度はfacebookの投稿の方に「授業の覚書」をアップしていて、割と後輩ギタリストとかにも好評でした。なので、今年度はこっちのブログの方にもあげようかなーなんて考えています。

今日は今日で、午前中からイベロリベロのリハ。この様子(リハ動画)もインスタにアップしてます。聖母マリア頌歌集って本当に楽しい。おそらくこのメンバーだからなのでしょうが、インプロ的にアレンジしていく過程がとても良いのです。



普段クラシックギターもこのくらい「その場で音楽を作っていく気持ちよさ」の中で弾くことができたらなあーなんて思うのです。

そういうわけで、明日もまあまあ忙しいのですが、朝から頑張ります。

第55回富川ギター教室発表会 4/16に行います!

第55回目の当教室の発表会が明日4/16にあります。

目黒区の中小企業センターホール。午後1時から午後5時くらいまでやっています。入場無料です。
どなたでもふらりとお越しください。目黒川沿いの気持ちの良い場所にありますので、日曜のお散歩がてら、どうぞ。

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特に当教室にご入会を考えている方は是非おいでになって教室生徒さんの雰囲気を感じ取ってみてください。

春になってきて、教室入会のお問い合わせが増えてくることですので。

渋谷の方の教室のご案内はこちらです。いつでもスタートできますし、全くの初心者でもある程度弾ける方でも、プロ志望でもどなたでも!大切なのは「クラシックギターって面白そう」という気持ちと「クラシックギターの凄さをしっかり学びたい」という気持ち。このいずれかがあればクラシックギターは誰でも始めることができますし、うちの教室なら絶対に上手くなります。

いつでもお問い合わせください。



池袋の現代ギター社GG学院でも金曜日教えています。そちらの教室案内インタビューを見ていただいても僕のレッスンポリシーがお分かりいただけると思います。

富川勝智先生





















さてさて、まずは明日の生徒さんの発表会楽しみだなー!日々の積み重ねはもちろん大切ですが、舞台上で生徒さんがどんなリアクションを取るかっていうのが僕の教師としての楽しみでもあるし、実はそれがわからないと「本当のレッスン」はできないんです。なので、発表会でどんな風に振る舞うことができるのか…それが毎回楽しみなのです。



富川勝智ホームページ
→富川勝智の演奏会情報や著作情報などを掲載

富川勝智にレッスンをご希望の方はこちらをクリック
→正しくギター奏法を学びたい方、表現法のロジックを学びたい方…「誰でも上達できる教室」富川ギター教室へ。体験レッスン随時募集中です。




第53回富川ギター教室発表会無事終了!

2022/5/14(土)富川ギター教室第53回発表会を行いました。

会場は目黒パーシモンホール。

緑豊かな環境にある素晴らしいホールです。

2020年春からコロナ禍でしたので、会場の使用条件などがなかなか難しく、参加者を分散して行ったりしておりました。そして、ゲスト演奏もなかなか実現しませんでした。日程がなかなかフィックスできない状態でしたから。

ということで数年ぶりの「普通の」発表会!

30名近くの生徒さんが参加してくれました。

毎回パンフレット作っているのですが、簡単に挨拶を書いています。毎回文章変えているので割と大変w

記念に載せておきます。

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常日頃、生徒さんに言っているのは「学び続けること」の大切さ。

スランプであろうが、仕事が忙しかろうが、学校の勉強が忙しかろうが、子育てが忙しかろうが、家の中に老人を抱えていようが、そしてコロナ禍であろうが、「学び続ける」ことが大切なんです。

大概の「忙しさ」は気持ちの問題で、なんとか時間を作れば学べるものなんです。

なんだかんだの理由をつけて、学ぶことから逃げることはたやすいことなんですよね。そんなことを戦争が起こってしまった地域の人たちのことを想像すると、考えてしまいます。

実際にコロナ禍の時も、平気でレッスンを蹴ってしまう…っていう方多かったようです。当教室は2020年2月終わりの時点で「さ!オンラインに移行するぜー!」とやりました。色々な方法で生徒さんが学びを続けられるように考えたのです。

そういう意味ではうちの教室はオンラインレッスンの先駆だったと思います。

面白いことに生徒さんの95パーセントはしっかりと趣旨に賛同してくれましたし、オンラインで新規の生徒さんも増えました。で、今は対面で続けている人もいます。(もちろんそのままオンライン継続の方も)

そういう経緯があったので、僕としても実は感無量でございました。ああ、生で生徒たちの演奏を聴けるのはいいなあ、と。

同門同士の発表会というのはまた良いものです。ある先生に就いているお弟子さん同士がいい感じで(程よい抑制のもとに)刺激を与え、与えられる。最後にケツを持つのは先生ですから(苦笑)、ある程度自由にできますしね。上手く演奏できても、失敗しても、ゆりかごの中にいるようなものです。

その気楽さと、一応先生見てるなあー!というプレッシャーもあるので、演奏上達のためには発表会参加はマストなのです。

同じ曲やこれからやってみたいなあというのを、先生以外の演奏で聴くことができるのも発表会の魅力の1つですし、教育的には効果的なのです。例えばレッスンで僕がお手本を示したのしても「いやー、先生だから上手に弾けるんですよー」となります。でも、発表会で小品やエチュードなどを他の生徒さんが引くのを聴くと、なんであの人いい感じに弾けるんだろう?…わたしも頑張らなきゃー!となるものです。

その辺りが発表会は面白んです。実際、打ち上げなどでお互いの演奏の感想などを言っている様子が見られましたが、そういうのが「上級者への道」なのだと思います。

今回のゲストは益田正洋さん。ハイドン、バッハ、素晴らしい演奏を聞かせてくれました。生徒さんたちの間でステージマナーが素敵でしたー!という声もあり、そうだよねえーと。ステージマナーというのはお客さんへの気遣いなんです。

そういうことも学べます、発表会は。

最後に益田正洋さんとデュオをしました。これは…単純に楽しかったー!

久しぶりのカルッリの「ラルゴとロンド」でしたが、ああ、古典いいじゃん!カルッリいいじゃん!って思いながらデュオしました。

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打ち上げも5時間(!)頑張りました。生徒さん、元気にギター談義してました。そういうのが一番良いのです。お互いの良い点を指摘し合えば、次に向かって進むことができます。弾き終わって帰りまーす!という人は絶対に上手くならないとさえ言えます。

打ち上げでいい感じに今日の反省をして、家に帰って、寝る。そして翌日からまたギターの勉強をする。それでワンセットみたいなもんです。

さてさて、次回の発表会日程も決まりましたー。11/23です。祝日です。ああ、楽しみ。
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