ギターレッスンと演奏の日記 from 富川ギター教室

クラシックギターの「伝道師」富川勝智のギター教室でのレッスン活動と演奏活動の記録です。

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レッスン覚書ミニ〜2010年7月12日〜14日

  1. 装飾音。音を聞いていない人が多い。非和声音と解決の概念を理解しなくてはただの指先の動きにしかならない。最後の音も大切に。次の音にしっかりと「つないで」いくように。
  2. ラモー。西洋音楽を勉強している人であれば、どのような業績をあげた人か・・・知っておいて損はない。そこから楽曲をどのように攻めていくかを考えるヒントを得ることもできる。
  3. 自分が演奏している曲の作曲家については最低限、どの時代の人か・・・どのようなスタイルの人か・・・どの国の人か・・・くらいは調べておいてほしい。
  4. 情報や知識というのは大事だ。先生が限られた時間の中で教えられる情報は限られている。そして、先生がいったことを「自分の知識を結びつける快感」をもてる生徒が伸びる。
  5. 先生に自分が抱いた疑問ばかりをぶつけてはいけない。上記で書いたように自分で調べたこと、疑問に思っていること・・・を「各自の中で結びつける」ことが学ぶことの楽しみなのだ。それを誤解して「なんでも質問してよい」と思うことは、先生が見た客観的な判断とその導きを否定することになる。「学ぶ」ということを学ぶべし。
  6. カルカッシ25の1番。スケール練習ではあるが、左手による開放弦の消音という課題も含まれている。しかし、最初は右手のタッチに集中して行うのがよい。明確な音で、輪郭のはっきりとしたタッチで行うべし。
  7. アルペジオ練習。1週間に一度でもいいので、基本的なアルペジオの型をメトロノームでスピードを測定して記録しておく。「あ!これ以上目盛りあげると、コントロールできないな!」というタイミングは毎日練習していればわかってくる。それがわかってから、数値を記録していく。2年くらいつければ、着実にテクニックが安定していくのがわかるはず。それが「基礎練習の大切さ」を実感する根拠となる。
  8. aの指は小指から先に動かすこと。これが原則。
  9. フラット系のキーの曲はできるだけ多めにやっておこう。
  10. 何度でも同じことを繰り返す。それが定着するまで。だまされたと思ってやること。定着したときに、その大切さがわかるはず。
  11. アストゥリアスの中間部。雰囲気で弾く人が多い。しっかりとカウントし、リズムのプロポーションを感じること。実に動的に感じるはず。
  12. 入り江のざわめき。右手のスタッカートを明確に。プランティングの技術がしっかりと身についていれば問題なくリズムはでてくる。
  13. 入り江のざわめき。メロディーがはいったところ。伴奏部分とメロディーをばらして弾いてみる。メロディーの伸びをしっかりと感じること。伴奏はメリハリをもって・・・。両者合わせる前にこの感覚をもっておくとよい。
  14. かならず、終わっていない課題のページを開くこと。まだOKが出ていないにもかかわらず、そのページをレッスン開始時に開かない人は多い。
  15. 消音法。坂場圭介さん式の言い方。「あとどめ」。便利。応用すれば「先止め」もある。スタッカートなどにも応用できる。消音の基本は「同時止め」であるけれど、レガートにつなぐことを考えると基本は「後止め」ということになる。
  16. プラッテン「ひな菊」。pによるアポヤンドによる消音、pの背中による消音のためには最適の練習曲。比較的早いテンポの曲であるので、バスの進行を示す(和声を示す)音の切り替えは迅速且つ正確に行われるべき。上記、「後止め」も登場するので、探すべし。
  17. コスト、「舟歌」。この曲も低音の消音に注意する。休符の位置を意識。直接消音でも間接でもよい。次の音を弾くための準備も考慮すること。6弦を消す場合でも直接でなく間接、つまりpの背中で消しておけば、次音が5弦の場合は「セット」(準備)されることになり効率が良い。
  18. ブローウェル。シンプルエチュード。13番。movidoのニュアンスを考えるべし。スラーによる「波のようなうねり」でもよい。比較して14番のallegroのニュアンスは?・・・よりメロディアスでフレーズの対比の面白さを前面に出してもよい。そして、そのことが表現できるテンポ設定を考えることである。
  19. ブローウェル上記14番。4分の3、4分の2、4分の3で構成されるフレーズ。このリズムが突っかかって聞こえるかもしれないが、それをしっかりとインテンポに収めるべし。収めたあとに感じる違和感・・・2拍子から3拍子へと乗り越えていく部分に「意識的なアクセント」を含ませていくようにする。これがグルーヴとなる。
  20. アルペジオを練習する際に、p-iとp−aの「枠」を意識するとタッチが安定する場合が多い。


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日曜ワークショップを振り返って その1〜消音と技術

さて、忘れる前に日曜日に行われた日曜ワークショップについてレポートしておきます。私の雑感も交えて・・・。

坂場圭介さんによる「消音法」のレクチャーは実に実践的にして、理論的、そして体系がしっかりとしたものでした。

消音とはなにか?・・・消音法の重要性を表現と技術との関連で説明していました。 この「表現と技術との関連において」という部分がとても重要です。

消音というものを意識して右手のフォームを作っていかなくてはいけません。それも比較的初期の段階で・・・。よくアポヤンドをべたーっと寝かせるようにフォームでしか弾けない人がいますが、それだと消音技術の中でもっとも重要なひとつである「pの背中による消音」が不可能です。

どの教本においても最初の段階で消音を意識したフォームを最初の段階では教えるようにはできていません。

私はレッスン時において、まったく初心者の段階において、できるうるかぎり「将来消音が必要になるであろう」ことを想定としたフォームを作るようにこころがけています。 

このことは初心者の段階であれば理由を説明しないことも多いです。しかしギターを初めて1ヶ月あたりの段階で、pのフォームをできるうる限り「消音が可能な」フォームに固めておくことが最重要課題でもあります。

このことに関しては坂場さんはさらっと述べるに留めていました。



さて、本題にもどります。

レクチャーはその後以下のように基本的な消音すべきケースを分類して進行しました。

  1. 順次下降音形における開放弦→左手による消音
  2. 隣接する低音開放弦
  3. 休符

 

テキストには上記3種類のケースが記載。

1に関しては、音階を用いて説明していました。音のにごりを消す、2度の不協和音程を解消するということにおいて説明していました。

2に関しては、pの技術です。直接消音と間接消音。和声の進行を明確にするために・・・ですね。

3に関しては、 楽譜に書いてある休符を意識することです。つまり「書かれてあるとおりの音価で演奏する」ということですね。


さて、私の雑感。

私個人のレッスンでは、基本的に初心者に関しては1の「左手による消音」は伝授しません。左手のフォーム、関節のコントロールがポジションを意識してしっかりとマスターできるまでは伝授しない方法となっています。

先月の私が担当したレクチャーで説明しましたが、左手各指の関節のコントロールにはかなり入念な準備が必要です。初心者や中級者の場合は、まずはポジションをしっかりと・・・そして、安定した「ベースとなる押さえ方」を習得するのが第一であると考えています。

2の右手親指のテクニックに関しては、前述しましたが、かなり早い時期にマスターさせます。これは右手のほかの指のタッチにも影響しますので、最終的には音色にも影響します。実際、私のレッスンの場合、この右手p指の直接消音、間接消音の2種類を技術的に完璧に・・・そして、音楽的に「耳で聞いて不快な音のにごり」を出さないようにできるまでは、そのほかの消音技術については教えません。

今回出席した受講生は、ほぼ全員上記のpの消音法はマスターしていたので、問題はないですが、現実問題としてギター独学の方のほとんどはこの消音法について知らない方が多いのです。

3については、私の場合、適宜教えることにしています。基本的には直接消音を用いることになります。


そのほか、坂場講師に言葉のなかで興味深かったのは「後止め」というものです。

これはたとえば、4弦のレの音のあと、6弦ミを弾かねばならないときに、「どのようにして4弦開放弦の音を消音するか?」というときに用いるものです。ミを弾いてから、レを「後から消す」ので・・・「後止め」という言葉を使っていました。

(この用語は私もレッスンで用いていく予定です!)

実際、私のレッスンでこの「後止め」はある程度のレベル以上の人にしか教えません。もしくは上記2の「隣接する開放弦の消音」が完璧にマスターできた人で、且つ『和声の進行を聞き取れる耳ができてきた』人に教えることにしています。

逆にいうと『和声の進行を聞き取る耳ができれくれば、上記のような4弦開放と6弦開放の混じりは不快に聴こえてくる!』ということです!!


すこし、敷衍して考えていくと、この「後止め」というものがあるのであれば、「先止め」(もしくは「前止め」?」というものもありはずです。

たとえば、低音にスタッカートの指示があるとき・・・とか・・・。用いていけばいいはずです。

あと、「後止め」には、声部をレガートにつないでいく効果もあります。「同時止め」であれば、不思議にレガートに聞こえにくいものなのです。音と音は若干重なりがあったほうが「連結されて聴こえてくるもの」なのです。


というふうに、消音法というものは、実に音楽技術に直結したものです。

坂場さんの講義は、この「消音法」をみごとに分類していました。すばらしい講義であったと思います。ギターを教える仕事をしている人であれば、今回の講義で「ものすごいネタ」を仕入れることができたでしょう!

すべて知っていることと、「整理してあること」は別ものです。


ギターを学ぶ人、ギターを教える人が、このことをしっかりと理解するまでこの「日曜ワークショップ」は続けていくと思います。


もうちょい書きたいことがあるので、続きはまた別記事で!


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音楽用語のニュアンス(イタリア語のニュアンスを掴むために)

レッスンをしていて、楽譜にある情報をどのように読み取っていくかということを考えます。

最近ではメルツの曲などで、「con bravura」や「con brio」などの違いを生徒に伝えるために苦心していました。

大概はイタリア語辞書とその用例でなんとかニュアンスを掴むことができるのですが・・・。

今までも音楽用語のイタリア語的なニュアンスを掴み取ろうとしている本はありました。

これです。

これで納得!よくわかる音楽用語のはなし―イタリアの日常会話から学ぶ
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最近、発見した本も素晴らしいです。こちらはより具体的。

ピアニストを対象として本ですが、実際の楽曲の譜例が満載で、実際にその音楽用語がどのように使われているがよく分かります。

そして、そのイタリア語のニュアンスを掴み取り、それをどのように表現へとつなげていくかがよく分かります。

ピアノを弾く人のための 音楽用語ハンドブック
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つねづね、生徒さんには「最低限、楽典とイタリア語辞書は音楽用語の理解のためにもっておくべし!」とは言っていますが、上記図書を読むことにより、更に音楽的なニュアンスを掴み取ることができるでしょう。

超おすすめ!



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