ギターレッスンと演奏の日記 from 富川ギター教室

クラシックギターの「伝道師」富川勝智のギター教室でのレッスン活動と演奏活動の記録です。

音楽用語

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音楽をやる人がラテン語系の言語を学ぶ意味(音楽用語感覚を養う)

新学期が近くなってきましたね!

何か新しいことをスタートしたい人も多いのではないでしょうか?

クラシックギターを始めたい人は、是非当教室にて!(←営業トーク 苦笑)

…という話をしたいわけではなく、今回は「音楽用語」についてです。そして、音楽用語のニュアンスを理解したい場合には、なんでもよいのでラテン語系の言語を学ぶのが一番!…というのが今回のブログ記事の主張です!

ラテン語系言語といえば、イタリア語、スペイン語、フランス語などです。

先日、ナポレオン・コストの楽曲をレッスンしているときに、ラレンタンドとリタルダンドの違いについて質問を受けました。

音楽用語の微妙な違い…たとえば、ラルゴとレントとアダージョ…どれが一番遅いのか…いろいろな説がありますが、遅いほうからラルゴーレントーアダージョです。丸暗記してもよいのですが、もともとのイタリア語の語感から覚えるのが一番よいです。

これについては当ブログのこの記事をご覧下さい。
音楽用語と言語の関連

レントの意味が分かれば、ラレンタンドのニュアンスが分かります。
ral+lent+and

…と分解できます。接頭辞raのあとのlentは「lento」です。andは現在進行を表します。なので「レントになっていく」という意味ですね。あとはLentoのニュアンスさえ分かれば良いわけです。このニュアンスはイタリア語の辞書をひいて、例文などでニュアンスを確かめるのが一番です。

…イタリアで生活したことがあれば、よりベターですね!

この本もその発想で書かれた本なのです。




では、ritardandoはどういうニュアンスなのでしょうか?これももちろん関先生の本にしっかりと意味が書いてあります。

私はスペイン語にも似たニュアンスの言葉にtardeというものや、動詞のtardarというのがあります。時間的に遅れている…時間がかかる…という意味が含まれています。そう考えると以下のようにまとまります。

ラレンタンド:Lentoになっていく=ゆったりとなっていく(緊張が緩和されていくニュアンスを含みますが、時間的なニュアンスは少ないです)

リタルダンド:時間がかかる。到着が遅れるというニュアンスがあります

似たような意味の言葉でもニュアンスの違いが分かることが、音楽が伝えたいことが少しずつ分かってきます。

もう一冊、音楽用語の隠れバイブルがあります。ピアノの本ですが、こちらです。



こちらのほうには以下のようにラレンタンドとリタルダンドの違いが説明されています。引用以下。

ラレンタンドとリタルダンドは共に、「次第に遅く」「だんだん緩やかに」の意味。楽語としては大きな差はないようだが、リタルダンドが単に物理的に遅くなる様子を示すのに対し、ラレンタンドは弛緩するイメージを含むようだ。

この本には沢山のイタリア語の例文があります。つまり日常生活でイタリア語の語感が感じられれば、「なんとなく違いが分かる」というわけです。なので、イタリア人は感覚的に各楽語のニュアンスの違いを分かっているのです。

なので、音楽をやる人はイタリア語、もしくはそれに近い言語であるスペイン語やフランス語を学ぶ意義が十分にあります。趣味として勉強して、音楽にも活かせます。一石二鳥です!



 


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日曜ワークショップ(カルリのエチュード)とエチュードの効能

6月19日は「ギター漬けの一日」でした。午前中は日曜ワークショップ。午後から25日に発表する合奏曲の練習。それから、チャリティコンサートのリハ。

今日は日曜ワークショップについてのレポート。

当教室主催で毎月行なっている日曜ワークショップ「カルリ45のエチュードの学び方」講座のパート2を午前中に開催。 教室内外より13名の方が受講してくださいました。全音版45のエチュードの後半部分のエチュードについて大まかに「学び方のコツ」を指導しました。

前半部分ではシャープ3つまでの調だったものが、中盤以降ではシャープ4つになり、またフラット系の調も登場します。それにつれて、ローポジションではない楽曲が出てきます。もともとのカルッリ(本来ならイタリア語の発音的にはカルリよりカルッリのほうがふさわしい)の教本には、まずはローポジションの各調を学ばせたあと、4ポジション、5ポジション、7ポジション、9ポジションで弾くべき(学ぶべき)代表的な調のスケールが登場します。

しかし、全音版だとこの部分が省略されています。つまり学習者にはあらかじめこのエチュード集以外にハイポジションでの「スケール」練習が必要であるということです。

カルッリ教本(原本)の上記のポジションについての調の当てはめ方はとってもシンプルです。

4ポジション=ホ長調
5ポジション=へ長調
7ポジション=ト長調
9ポジション=イ長調

・・・勘のいい方なら気づくと思いますが、全部平行移動して、一種類の運指のパターンで弾けるのです。

中級者以上の方なら、1ポジションでのハ長調の音階を「ゼロフレット(=つまりナット)」を意識した運指で弾けば、上記の調も全て「平行移動して」「同じ運指で弾く」ことが可能であると気づくはずです。

運指のパターンでだいたい弾けてしまう・・・これはカルッリの策略でもあったような気がします。だからこそ、当時の王侯貴族の間で「ギター教授」として凄い人気があったのでしょう。

「ああ、これはホ長調だからね、まず、この4ポジションの運指覚えちゃってください・・・ほーら、この曲なんて、それが分かれば弾けちゃうでしょ?」というギターを教えているカルッリの声が聞こえてきそうな部分です(あくまでも想像です・・・)。

そういう意味では全音版の欠如している部分はこのスケール部分でしょうね。もちろん教材としては問題ありません。教える側がそれをフォローすればいいのですから。それを補完するための他の教材(スケール本など)を用いれば問題ないからです。

あとは、フォローする面としては、ギターのポジショニングの「感覚」でしょうね。

身体面から考えると、通常の人は1ポジションには慣れています。そして、9ポジションは左手小指脇(?)の部分がギターの「肩」の部分に当たるので、目をつぶってでも(指のポジション感覚が出来てくれば)可能となってきます。(実はホセ・ルイス・ゴンサレス著ギターテクニックノートの冒頭の練習はこの指のポジション感覚を養う練習にもなっているのです)

つまり、1ポジションと9ポジションはほとんど人がギターを弾いて数箇月で「体の感覚として覚えてしまう」ものです。言い方をかえれば数箇月で「体の感覚として覚えるべき」ものであります(※だからこそ、僕はレッスンのときに上記のテクニックノートの通称”音出し”練習を徹底的に初期の段階からやらせます)。

各フレットに対して1234と押さえていくと、上記の1ポジション、9ポジションの間に「5ポジション」があります。実はこれも自分とギターの距離感が出来てくれば、ほとんど問題なく『見なくても』捉えられるものなのです。

そういう意味で考えれば、全音版のカルリ45の37番(イ長調での9ポジションの練習)は唐突ではありますが、理に適っているのです(教える人がそのことを説明しさえすれば・・・ですか)。

あとは、パート1では説明しなかったフレーズと音楽用語の理解についても説明しました。23番以降はそれなりに「音楽的に魅力的な作品」として仕上げていくべきだと思います。カルリ=初心者用のエチュードと思ってはいけません。音楽的にはフレーズをしっかりと考えて、音楽のストーリーをしっかりと作っていく「トレーニング」だとおもってくれないと困ります。

もちろん、それは8番以降の曲であれば、すべてに関して「フレーズ」を考えることが可能です。7番というシンプルなエチュードであっても、そのフレーズに対する感覚は生かされなくてはいけませんが・・・しかし、「初心者から学ぶ」という段階において、おそらく20番あたりまでは、左手の正しいポジショニングや読譜、右手のフォームなどを学ぶことのほうに比重が置かれるべきです。そして、20番前後のあたりで「左手と右手の基本フォーム」は完成されているべきです。

それを前提に考えると、23番以降ではすこしずつ「フレーズ」について考えるということが大切になってきます。そして、それは「魅力ある音楽とは何か?」ということにもつながります。比較的初期の段階で(そして、短い楽曲のなかで)そのことについて考えることは『音楽の美しさ』について考えることにもつながります。そして、音楽でメッセージを伝える「方法論」としてのフレーズの考え方を学ぶことは早いに越したことはありません。音楽という言葉でどのような世界を作るのか・・・その方法論を学ぶ意味で、このカルリのエチュードは「音楽的に素晴らしい教材」となります。

あとは音楽用語についての「正しい理解」を得るための「勉強の仕方」を伝授。勉強の仕方・・・とか偉そうなことをいいましたが、アレグロとかアンダンテとかラルゲットとか・・・その「本当の意味をしっかりと考えること」、そういう勉強の仕方をしてくださいね!・・・そして、そのための参考書はこれです!・・・というものです。

下記2冊を推薦。

イタリア語から学ぶ ひと目で納得! 音楽用語事典
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ピアノを弾く人のための 音楽用語ハンドブック
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特に初心者の方には最初のものは絶対にお薦め。もちろん、初心者だけでなく、上級者であろうがプロの人であろうが、一読をお勧めします。私がスペイン留学中に「あれ?」と思ったことを、みごとにまとめてくれた感じの本です。

つまり、カルリのエチュードに書いてある音楽用語の意味を考えて弾いてみましょうね!ということです。そのことで、音楽用語(特に速度記号ですね)の大切さと理解することの「難しさ」も初心者の段階から経験することができる。つまりアレグロのニュアンスを考えることやラルゲットのニュアンスを考えることが「音楽をイメージする」ことにつながります。それは「速く」とか「遅く」という単純な二分法で作られる世界とはまるで違うのです。そして、そういう二分法からは「音楽は生まれません」。

つまり、上記のようなことを考えて、勉強していけば(そして、勉強できる環境にいれば)カルリ45のエチュードは、素晴らしい「音楽を学ぶ教材」そして「ギター奏法の基礎を学ぶ教材」となり得ます。

これは独学の方には難しいかもしれません。(だからこそ、ギターをきちんと勉強したい人、音楽を勉強したい人はしっかりとして教師に就くことが大事なのだと思います)

そして、世の中のエチュードと呼ばれるものには、上記のような「学ぶ方法」があります。その目的なそれぞれ違いますが、有名なエチュードにはそれぞれ「学び方」があります。ソル、コスト、カルカッシ、ヴィラ=ロボス、ブローウェル・・・それをないがしろにする人は「遠回り」です。そして、学び方を間違っても「遠回り」です。

また、同様の講座はやってみたいと思っています。



 


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音楽用語と言語の関連(イタリア人、スペイン人の語感)

レッスンの合間を縫って、2月某日、関孝弘さんの「音楽用語」講座を受講してきました。

これで納得!よくわかる音楽用語のはなし―イタリアの日常会話から学ぶ
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これが数年前に出たもの。エッセイ風でイタリア語の原語のニュアンスから日本で俗に「音楽用語」と言われているものを解明するという画期的な本でした。

それからこの本が好評だったのでしょう。よりシンプルですが非常に工夫された新著がこちら。

イタリア語から学ぶ ひと目で納得! 音楽用語事典
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見開き1ページで辞書風にアルファベットで音楽用語の定義がされています。もちろん前著における「イタリア語の原語のニュアンスを感じる」という主旨は貫かれています。見開きの左側には「イラスト」がかかれています。講義では、このイラストにも最大の工夫をなされているのがわかりました。

たとえば、アダージョのニュアンス。女の子がジュースをお盆に載せて「注意深く」「ゆっくり」運んでいるイメージが描かれています。

・・・以上のように、上記2冊は「いままでの間違った音楽用語の定義」を払拭してくれるという意味で画期的でした。

かくいう私もスペインに留学していましたので、師匠たちが実に「自然に」音楽用語のニュアンスを汲み取っているのを実感していました。

なので、ホームページのほうに以下のような文章を書いたことがあります。

http://guitar.sakura.ne.jp/lesson/hyogen/hyogen2.html

私は大学でスペイン語を専攻していましたので、そのときの先生の影響でもあります。訳語を探すときに辞書のその単語の例文を全部読め!・・・といわれました。その言葉本来の「軸となるニュアンス」を汲み取れ!ということだったのでしょう。

そのことは音楽用語についても同じことが言えます。・・・という風には感じとってきましたし、レッスンでも折に触れて述べてきました。

そういう意味で、上記2冊が出版されて非常に「レッスンが楽」になりました。だって、この本を薦めてしまえばいいのですから。

講義ではテヌートとソステヌートのニュアンスの違いも実際に日常動作を交えて説明されていました。

これは私もスペイン留学時に師匠に質問したことがあります。スペイン語ではtenerとsostenerの違いだ!と答えが返ってきました。そして、そのニュアンスの違いを表現してくれました。見事に違います。このあたりは「耳で聞かないとわからない」ものだなあ、と思いました。そして、その言葉のニュアンスの違いを知らないとだめなのだなあ・・・と思ったわけです。


関孝弘さんの講義では、そのあたりをピアノを実際に弾いて説明もしてくれました。スタッカートのニュアンスです。音を「短くきる」のは誤訳ということです。そして、実際にそれは音色と実に関連があることだということを実際にピアノを弾いて説明してくださいました。

そのときに、「ホールで弾くときの音色をイメージすること」ということもおっしゃっていました。これは大事ですね。先日もギターコンペティションの審査をしましたが、「4畳半的な演奏をする人が多かった」という印象を持ちました。このことはブログでも記事にしました。

http://guitar.livedoor.biz/archives/52241407.html

別に「ひとりで楽しむだけ」であれば、4畳半的な響きでかまいません。しかし、演奏というものは聴衆の人含めて「みんなで共有」するものです。それを意識した音色作りをしておいたほうが楽しいよね!・・・という思いで書いたわけです。

関先生はそういうことを言いたかったでしょうね。そういう意味でも、非常に参考になり勉強になった講座でした。

さて、そういう意味で考えると、クラシックギターでいえば、カルッリやカルカッシなどのイタリア出身のギタリストは、おそらく原語のニュアンスで「アンダンテ」や「アジタート」などを使っていたのだと思います。そういう意味でみると、彼らの作品においてはそのニュアンスを明確に汲み取っていかないといけないのだなあと思うわけです。

そして、もしかしたらソルやアグアドなどのスペイン人は若干その感覚が薄かったのかも・・・などと想像してしまいます。(あくまでも想像ですよ)

もしかしたら、ソルはカタルーニャ出身ですので、その言語に近いフランス語で音楽表現に関する表記をするほうが感覚的に合っていたのかも・・・などと想像しています。



いずれにしても、こういう勉強は楽しいものです。自分の今までの経験や知識がいろいろとつながっていく面白さがありますね。


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音楽用語のニュアンス(イタリア語のニュアンスを掴むために)

レッスンをしていて、楽譜にある情報をどのように読み取っていくかということを考えます。

最近ではメルツの曲などで、「con bravura」や「con brio」などの違いを生徒に伝えるために苦心していました。

大概はイタリア語辞書とその用例でなんとかニュアンスを掴むことができるのですが・・・。

今までも音楽用語のイタリア語的なニュアンスを掴み取ろうとしている本はありました。

これです。

これで納得!よくわかる音楽用語のはなし―イタリアの日常会話から学ぶ
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最近、発見した本も素晴らしいです。こちらはより具体的。

ピアニストを対象として本ですが、実際の楽曲の譜例が満載で、実際にその音楽用語がどのように使われているがよく分かります。

そして、そのイタリア語のニュアンスを掴み取り、それをどのように表現へとつなげていくかがよく分かります。

ピアノを弾く人のための 音楽用語ハンドブック
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つねづね、生徒さんには「最低限、楽典とイタリア語辞書は音楽用語の理解のためにもっておくべし!」とは言っていますが、上記図書を読むことにより、更に音楽的なニュアンスを掴み取ることができるでしょう。

超おすすめ!



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