2/29からレッスンをオンライン化している。幸い、外部で教えている教室(池袋と横浜青葉台)も理解を示してくれてオンラインへとスムーズに行なっている。

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私の主宰する富川ギター教室の生徒たちも不定期の生徒さんを除いて100パーセント、2/29移行オンライン化へ賛同してくれた。最初は生徒さんがわに戸惑いもあったとは思う。「どうやったらいいいの?」「機材とか必要なんでしょ?」とか。でも、こちらとしてはメールのやりとりであろうが、教材のやりとりであろうが、何らかの形でレッスンはできるよ!・・・というスタンスで提案をした。(このあたりの詳細は「テレレのおじさん、テレレッスンのやり方を語る」をお読みください)

簡単に言ってしまえば、以下の3点に要約される。
  1. オンラインでのレッスンはオフラインのレッスンの劣化版ではない
  2. オンラインの特性を生かしたレッスンでなくてはならない
  3. 実はオフラインのレッスンも突き詰めれば「テレレッスン」である
1について。
2とも関連しているが、オンラインレッスンを他のギタリストたちが導入し始めたのはだいたい4月ごろだったと思う。そして、なぜか「音質はどのくらいのクオリティで伝えることができるか?」と機材に凝ったりしている人たちがたくさんいた。でも、その観点でオンライン上でのレッスンを進めようとすれば、オフラインには絶対に叶わない。特にクラシックギターという生楽器はオフラインのリアルさをオンラインに求めてはダメだし、各自の通信状況や機材のスペックなどを考えると「不毛な追求」なのだと思わなければならない。ある意味で音質面やタイムラグは諦めてしまわないと。
この観点からオンラインレッスンを見てしまうと、「オンラインレッスンはオフラインレッスンの劣化版」にしかならないのである。ケータイであろうがスマホであろうがパソコンであろうが(あるいはファックスであろうが、電報であろうが)生徒さんが使えるツールでレッスンを成立させる・・・ということが大切であると考えた。
もちろん、機材や通信環境を整えることはとても大切ではある。だけど、実際にその手のusbマイクやオーディオインターフェースなどは品薄状態(Amazonやサウンドハウスのサイトで確認してみると良い)。結局その辺りがハードルになると「オンラインへのレッスン移行=めんどくさい」ということになってしまう。
この辺りのハードルを当教室では避けた。LINEであろうが、YouTubeであろうが生徒さんにとってハードルが低い(普段使っている)ツールを使ってレッスンを続ける・・・ということをオンラインレッスン導入期は提案した。その後、生徒さん本人が「やっぱりwebカメラが欲しい」とか「外付けマイクが欲しい」とか「通信環境をもう少しよくしよう」と改善していく姿は見られた。でも、こちらとしてはガサガサの動画を送ってこようが、ぶちぶち断線するSkypeでレッスンしようが、十分にレッスンは成立させることができたと思っている。それは以下の2点の観点があったからだ。

2について。
オンラインの特性とは何か?・・・音がリアルに伝わらないなら、どういうレッスンをしたら良いのだろうか?・・・この観点を持つことで、生徒さんにはオフライン(対面)レッスンでは得られない切り口でレッスンを行うことができる。例えば表現法のことであったり、フレージングのタイミング感やリズムの考え方などがパッと思いつくだろう。いくつかの理論や思考のプロセスを提供し、生徒さん本人に試してもらうことで、有意義なレッスンとなっていく。また技術面も、スカイプやズームを用いたレッスンでは画面上に生徒さんの弾く姿が真正面から明確に映るので「体癖」をしっかりと分析できる(これは動画のやりとりによる「動画交換レッスン」ではよりはっきりとわかる)。
逆に言えば、普段の対面レッスンでは、その辺りの観察力や言語化が教える側にも欠けていたのでは?と思うようにもなった。
オンラインだからこそ、伝えるように努力するのだ。リアルだと「こうだよね!」とギターで弾いて教えられるところを、ちゃんとロジカルに言語化して伝えなくてはいけませんから。

3について。
実際に「オフラインのレッスンもテレレッスンである」。意味がわからん!という方もいるかもしれませんが、テレ(遠隔)という言葉がヒントである。結局、対面レッスンであっても、生徒さんの自主的な学習が良い演奏を生むのです。上達するためには「生徒さん本人が自宅で練習しなくてはならない」ということが大切なのです。レッスンにいけばなんとかなるやーというよりも、生徒さん本人が先生が与えてくれたヒントや練習法を試行錯誤しながら家で練習するというプロセスに「学び」があります。

その意味では「全てのレッスンはテレレッスン」なんです。
学ぶ人はどのような状態でも学びます。弾き終わって「うーーーーーん」と先生が唸って沈黙する・・・なんて瞬間に学べる生徒さんは「あそこが悪かったのかな?」「音が汚かったからかな?」「いや、待てよ・・・先週先生が指摘していたアクセントを全くつけなかったからかな?」と考えるものなのだ。
オンラインレッスンでこの間はタブーではあるので、流石に僕も使いませんが、こちらが言語で伝えようとしていることを一生懸命に汲み取ろうとしてくれる。そこがとても大切。学ぶ方は普段のオフラインのレッスンよりもアクティブに頭を使おうとしてくるのです。

結果、学ぶ方にも教える方にも「集中力」「想像力」が生まれてくる。

本日、午前に一人オンラインでのワンレッスンを行って、ああそうだこれでオンラインレッスン(テレレッスン)70日目なんだなーと思いました。この70日間で「学ぶ」ということ、「教える」ということをだいぶ整理できたかなーと。アフターコロナの頃にはさらにグレードアップした「教え」を授けることができる自信もつきましたし、今までも結局「教える」ってことに関しては死ぬほど考えてきたのだなあと再確認した次第です。

ということで、富川ギター教室ではオンラインのレッスン、まだまだ募集中です。ワンレッスンでも通常レッスン形式でも構いません。通常レッスン形式でオンラインでスタートしてそのまま(コロナ禍が終われば)通学して学ぶことも可能です。是非ともご検討ください。詳細はこちらから→富川ギター教室テレレッスン

さてさて。

来週からは洗足学園音楽大学大学での授業がオンラインでスタートするので、その教材づくりに励んでおります。こちらは履修生徒が90名・・・・というマスな授業なので、それをどのように進めていくか・・・いつでも課題はたくさんあるのですが、楽しみながら参ります!!!




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