ギターレッスンと演奏の日記 from 富川ギター教室

クラシックギターの「伝道師」富川勝智のギター教室でのレッスン活動と演奏活動の記録です。

2019.8 新サイトOPEN!
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※他に池袋現代ギター社でもレッスンしています

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雨男の音〜アルカンヘル2台良く鳴ってました!

3/20は春分の日。この日もやはり雨でした(ご来場のみなさま、ごめんなさい)
自分がいわゆる「雨男」なので、これはもう平常運転なのですが、この日の音楽にはよく合っていた気がします。
ギターデュオ「ラス・マノス」。久々の演奏会!

そして、久しぶりの本郷三丁目、そしてカデンツァコンサートサロン(旧名曲喫茶カデンツァ)


同じ場所、ほぼ同じ内装(確実に名曲喫茶だった頃の方が音抜けは良かったですが)、自然と気持ちが整っていく感覚があります。

たくさんのお客様が来てくださっていて、ほぼ満席に。あの空気の中で音を出せたこと、まずは本当にありがたかったです。
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この日のプログラムは、時代も様式もばらばらに見えるかもしれませんが、自分たちの中では一本の軸がありました。それは「音がどう空間になっていくか」ということ。
同じ1997年製のアルカンヘル・フェルナンデス2本。その響きをどう立ち上げるか、そこを通して全体を組み立てていました。



前半のフェレールでは、和声の重なりそのものが音楽になる感覚を大切にしました。音数が多くなくても、重音の中に密度が生まれていく。その設計の美しさが自然に立ち上がればと思いながら弾いていました。
セナモンでは一転して、音の流れがそのまま風景になるように。技巧を見せるというより、空気の質感を変えていくような方向。
ベートーヴェン(カルッリ編)では、交響的な音楽を2本のギターでどう成立させるか。拍の感覚とフレーズの呼吸、その両方を保ちながら進んでいく感覚がとても面白いところでした。そして、当時の音楽愛好家たちがギターを通して楽しんでいた「ヒットソング」なのですから、まさにこのサロンにピッタリ。


後半に入ると、音が少しずつほどけて、より自由になっていったように思います。

日本のメロディーでは、旋律そのものの強さを信じることを大前提にしながら、そこに湯川さんならではの“昭和テイスト”が自然と立ち上がってきました。どこか懐かしく、飾らないニュアンス。いわゆる郷愁という言葉だけでは収まりきらない、生活の匂いのようなものが音に乗ってくる。その感じが、この日の空気ともよく馴染んでいた気がします。
「月光」の対旋律では、同じ素材が時代ごとにどう変わっていくかを体感するような構成。それぞれの編曲の考え方の違いが、そのまま音として立ち上がるのが面白いところです。

カウフマンは、体力的にもなかなか厳しい曲ですが、和音が平行に動いていくことで生まれる独特の浮遊感をどう保つかがポイントでした。そして、そこにカウフマンの出自が「民族性」として立ち現れてくる。そこかギターの機能性というある種の野蛮さと絡み合いながらも、この作曲家の濃厚なロマンティシズムと結合。

そしてタラゴー。タレガの断片が現れては組み替えられていく中で、音楽そのものが記憶のように立ち上がってくる感覚があり、日本ではほぼ評価されていない”大作曲家”であり”名教授”であったタラゴーの才知を再確認。

アンコールは「北の国から」。
この曲に戻ってくると、やはり自分たちの原点のひとつに触れる感覚があります。この日は、会場の空気と音が自然に混ざり合っていくのを強く感じました。


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あらためて思うのは、音はやはり“空間”になるということ(コンサートタイトル通り)。

楽器、会場、そしてお客様。そのすべてが揃ったときに初めて生まれるものがある。その時間を共有できたことが、何より嬉しかったです。

ご来場くださった皆様、本当にありがとうございました。


Program

<1部>
J.フェレール/テルプシコーレ&独創的ワルツ
J.セナモン/12のファンタジアより
L.V.ベートーヴェン(F.カルッリ編)/アンダンテと変奏、ロンド

<2部>
5つの日本のメロディー
(さくらさくら/宵待草/浜辺の唄/雪の降る街を/春の海)
3つの「月光」対旋律
(D.フォルテア〜R.S.デ・ラ・マーサ〜鈴木大介)
A.カウフマン/2台のギターのための組曲
G.タラゴー/タレガの思い出

<Encore>
さだまさし(湯川賀正編曲)/「北の国から」メドレー

音の奥にある濃密な時間〜ラジオ公開収録覚書

もう4月になっちゃいそうですねー。
3月5日、駒沢 moment.base にてラジオ番組「クラシックギターと私」の公開収録を行いました。


季節はまだ冷たさを残していましたが、収録していた内容は少し先の春へ。

4月放送分(4/17・24)の2回分を収録。

今回のゲストはクラシックギタリストの坪川真理子さん。こういう場では「坪川さん」と呼んでいますが、昔からの感覚ではどうしても「つぼちゃん」という呼び方がしっくりきます。同じ時代や空気をどこかで共有してきた、そんな感覚があるのかもしれません。


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収録はいつも通り。あるポイントに触れた瞬間、ふっと深いところに入っていく時間があるものです。

印象的だったのは、音楽と日常のバランスについての話。
演奏活動、指導、そして家庭。それぞれをどう両立しているのかという問いに対して、無理に整えようとするのではなく、その時々の状況の中で音楽と関わり続けてきたこと。

その積み重ねが今の音にそのままつながっている、そんな話。

さらに話は音そのものへと進みます。トレモロの話題から、右手の独立、そして左手が音を作るという感覚へ。どちらか一方ではなく両方が関わりながら音が立ち上がっていくこと、そしてその先にある「どういう音を理想としているのか」という話へと広がっていきました。

スペインで実際に聴いた音、空間の中で感じた響き、ppでも存在感のある音のあり方。

言葉にするとシンプルですが、そこに至るまでの時間やそれぞれの経験がそのままにじみ出てくるような話でした。

個人的には、話している最中というよりも、むしろ話し終えたあとに残る感覚の方が印象に残っています。

「ああ、やっぱりそこに戻ってくるのね」と。どこかで納得している自分がいる。

同じ楽器を続けてきた者同士だからこそ、そして、同時期にクラシックギターを修行し、ほぼ同時期にプロ活動を始めた自分たちならではの言葉の手前で共有されている「何か」がある。

そんな時間でもありました。

その流れのまま、収録後はミニライブへ。
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演奏したのは佐藤弘和さんの「そよ風の中、自転車に乗って」と「2人の旅人」。

トークの内容と直接結びついているわけではないのに、どこかで確実につながっている。実際に音を出した瞬間に、言葉では掬いきれなかった部分が少しだけ輪郭を持つような感覚がありました。


その時の演奏を、今回YouTubeに記録として残しました。ラジオとして流れていくものと、その場で消えていく音楽。そのあいだにあるものを少しだけ掬い取ったような記録です。よろしければ、ぜひご覧ください。




熱量は共有されなくても、音楽は成立する?

3月9日、祖師ヶ谷大蔵・mettaでのAcoustic Ladyland Live vol.51。ご来場くださった皆さま、本当にありがとうございました。


以前から気になっていたmettaに、ようやく出演することができました。

ウルトラマン商店街の中にあるこの場所は、街の延長線上にそのまま音楽があるような、不思議な距離感を持っています。ステージと客席が分かれているようでいて、実はほとんど地続きで、音も気配もそのまま行き来する。あの空間で演奏できたこと自体が、ひとつの経験だったように思います。


今回のセットリストは、いわば“アラカルト”。

ジャンルも時代もバラバラな楽曲をあえて並べ、その都度まったく違う風景を立ち上げていく構成でした。「Adio Querida」や「Water is wide」といったスタンダードから、「Bark at the moon」まで同じテーブルに載せてしまう。その中に「ミヤラビの祈り」や「三月のうた」、「Woman」など、それぞれ異なる時間や温度を持った曲が混在する。まとまりを作るというよりも、その瞬間ごとに何を選び、どう関わるかが問われ続けるようなセットでした。


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簡単ではない分、一曲ごとに自分の立ち位置を確認するような感覚がありました。歌とギターの関係も、寄り添うだけではなく、ときに距離を取り、ときにぶつかりながら、その場で選び続けていく。その積み重ねが、そのままこのユニットの輪郭になっていくのだと思います。


終演後、mettaのオーナー大須賀さんが店内のスクリーンで「ザ・スターリン」のメジャーデビュー前の映像を流してくれました。とても印象的だったのは、ヴォーカルの遠藤ミチロウさんの放っている熱量に、客席がまったく追いついていないことでした。むしろ少し怖がっているようにも見える。その距離感が、逆に強烈でした。


ステージ上には、ミチロウさんとバックのメンバーの中にだけ確かに存在している“表現衝動”のようなものがある。それが観客と共有されているというより、むしろ断絶したまま成立している。その状態が、そのまま音楽として成立してしまっていることに驚かされました。


いわゆる一体感とはまったく別の場所にあるライブ。それでも成立しているどころか、むしろその緊張関係そのものが音楽の核になっているように感じられました。ライブを終えたばかりの身体に、その光景がそのまま差し込んできたような感覚がありました。



自分たちのやっていることはジャンルも手法も違いますが、「いまこの瞬間に何を鳴らしているのか」という問いに対して、またひとつ別の角度から考えさせられた夜でもありました。「Welcome to a New Chapter」という言葉が、少し現実味を帯びてきた気もします。


またmettaで音を出せる機会があれば嬉しいですし、この空間はぜひ一度体験していただきたい場所です。


そして次回のライブです。


2026年5月22日(金)
代々木アルティカセブン
開場18:30 / 開演19:00
Charge \3,000(+2Drink)

299との共演になります。歌とギター、その可能性をまた別の角度から探る夜になりそうです。ぜひお越しください。

20260522にくあこ




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